漁師町

漁師町

横山
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色んなことがあって 東北の街にやってきた
錆びたバイクと潮風 軋んで朽ちた防波堤
元気な体と疲れた心 日本海へ打ち捨てて
汽船の煙とともに 消えていく未練

名前のない奴らと語り合い
僕は立派な男の振りをした
海底トンネルは塞がれて
君との距離はちょうどいい

寒いのは身体じゃないんだ
寒いのは身体じゃない

商店街の居酒屋でサッポロビールを飲みながら
昔のケータイ開ける 隣の席は空いてる
古いフォントだらけの時間が止まったこの街なら
永遠に君を待てる 鼻水その他は拭かない

僕は名前を捨てました 捨てました
気付けば周りの奴らとおんなじだ
過去を捨てた男たちが うろついては
夜通し酒に溺れる寂しい街

君の名はまだ覚えている
君の名はまだ覚えている

僕は君を待ちながら 待ちながら
だんだんと確実に老いぼれる
名もない労働者になってから
そのうち密造酒を造り出す

君の名も忘れるかもしれない
君の名も忘れるかもしれない
君の名を忘れたくないよ

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