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『路~台湾エクスプレス~』

『路~台湾エクスプレス~』

原作は吉田修一の小説。これを日本と台湾の共同制作で2020年に放送したもの。
特別編集版をねかせていて、やっと視聴し、だけどモヤモヤするものだからとうとう原作本を手に入れて読み、また視聴した。で、なんかようやく納得…で終えられました。
ドラマとしては、あぁ、日本のドラマだなぁ~と感じた。けど、歴史として台湾は一時、日本に統治されていて、複雑な心境は当時の台湾人も、台湾に暮らしていた日本人にもあるということが知れて、そういった背景がありつつも台湾エクスプレスを日本企業が協力して作っていく、というストーリーはとても興味深いものでした。
でも、1度目の視聴で、私が引っかかったのは、もしかしたらこのストーリーの核になるのかならないのか曖昧な、主人公の恋愛についてなんですね。演じた波瑠はわりと好きな女優さんですが、仕事以外の私生活…っていうか、恋愛や結婚に関しての言動などがちょっと理解不能だったんです。婚約者(強引にそうならされた、とも言えるか?)を7年も仕事とは言え待たせられるものなのか?と思ったり、明らかに気持ちがある台湾で出会ったエリックへの思いを「愛情」と認めたがらないところとか。何故?という腑に落ちない感情があり、共感できないし、ちょっとめんどくさい系の女性か?とすら思えてしまったのです。婚約者も半ば強引に、結婚を理由に波瑠の演じる春香を縛り続けているのも、見苦しくて…。時々挟まる喫茶店での2人で久しぶりに会うシーン、『そこに愛はあるんか?!』とツッコミ入れたくなるくらい、恋人っぽさなく惰性で会っているかのような。
それで原作本に、手を出したのですが。原作では、春香が恋人と別れることができずにいた理由がきちんとあり、すでに再会してエリックへ気持ちが傾いていても病気で苦しむ恋人にそう簡単に別れを切り出せなくて、という描写がきちんとありまして、あ、それならグダグダ数年そのまま遠距離の恋人(原作では婚約という表現になっていなかった)だったのもわかるな、と思った次第です。
ドラマの中での台湾エクスプレスに関わる人物達の話は、もともと良かったので、主人公への嫌悪感が原作本のおかげで取れたので、まぁ、2周目は満足でした(笑)


エリックを演じた炎亞綸(アーロン)、お名前は随分前から知りつつもドラマは初めて見ましたが、爽やかな好青年ですし、日本語もお上手でビックリでした。ただ本当は、ミステリアスな役なんかが似合いそうですね。あと、本当は春香に気があったのでは?な、レスター・ワンを演じた梁正群(リャン・ジェンチュン)、渋くてカッコ良かったです。お髭顔がああもマッチする方は、そうそういませんしね。


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