Lily.

久しぶりに映画の録画予約をした。

映画は好きで、劇場に足を運ぶこともあるし、
CSも加入している一方、amazonプライムも重宝している。
ただ、最近はというと平日のあれこれや
他の予定に時間も考える隙も奪われていて、
アカデミー賞のノミネーションすら終わってから知った。

それでも、ふと思い出して映画の情報を手にすると
反射的に行動に移している自分がいる。
好きなものは考えるよりも早く行動に出てしまうのだなあと
自分を見てつくづく思うのである。

映画を好きになったきっかけは、
おそらく映画が好きな彼ができたことだ。

それまでも特に嫌いではなかったし、
年に数回は映画館で最新作を観ていたけれど、
自分から情報を探したり、
キャストに興味を持ったりしたのは
彼との出会い以降のことである。

彼は殊映画となると目の輝きが増す人で、
暇さえあれば自宅でもDVDで映画を観ていたし、
デートが映画ということも何度もあった。
そんな日は、同じ映画館で1日3本はしごをしたりもする。
1つ作品を観て、お昼を食べながら感想を言い合って、
2作目を観て、カフェで一息ついて頭を切り替えて
最後の上映へと向かうといった調子である。

私が先に眠りについていると、
いつもどおりDVDを観ていた彼が、
泣きながら抱きついてきたのを思い出す。
ストーリーに感化されて、失うのが怖くなったそうな。
困っている人を見つけると放っておけないような
気の優しい人だった。

今は別々の道を歩むことになったけれど、
今も私は映画を恨むことはないし、
一緒に観た作品一つ一つが思い出なのだと思っている。

もうお互いの近況を知ることはきっとない。

でも、知らないどこかで
同じ作品に笑い、涙し、心を揺さぶられていたら
それはなんだか素敵だなあとも思うのである。


奇しくも今日はちょっと特別な日の前夜なので、
こんなお話をしてみたりなどして。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?