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社会不適合者と工事

 最近、家の周りで工事をしている。どうやら、新しい家を建てているようだ。本来ならば「めでたい!」と言うべきなのかもしれないが、今日は正直に言おう。「うるせえ!」と。
 いや、そんなことを言ってもしょうがないのは分かってるし、工事だって節度を持って昼間の短い時間で済ませてくれている。しかし、その昼間にというのが問題だ。
 なぜならこっちは社会不適合者の引きこもり。昼間に眠り、夜活動、そして大体家にいる。みんながオフィスやら学校に行っている時間に平気で眠っている男なのだ。
 おかげでただでさえ眠りがもっと浅くなり、頭は重いのに睡眠時間ばかりが増えて最悪の一言。耳栓をするなど出来る限りの対策はしているが、無音にするほどの遮音性は望めないし、だからといってイヤホンをすれば違和感で中々寝付けなくなる。社会不適合者に『ぱくおんぱ』は『こうかばつぐん』のようだった。
 上手い事を言っても、辺りが静かになることはない。もしそうしたいのであれば、金の力に頼るしかないだろう。まあ、安アパートに住んでいる奴にそんなパワーがある訳も無いんだけど。
 思えば、子供の頃から騒音には悩まされてきた人生だった。毎夜奇声をあげる隣人、夜勤帰りの父、安普請でゲーム実況をする兄などなどによって。 まあ、昔とは違って、今のは自らの責任ではあるけれども。社会から背を向けた自分のね。
 音は社会との距離。離れてしまえば何の声も聞こえなくなる。でも、金がなければ社会から完全に離れる事さえできはしない。世知辛いものです。
 皆様も、昼夜逆転生活にはご注意を。社会の営みを副流煙みたいに感じるようになったら、この世の中を生きるのは結構大変ですよ。


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