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【書評】イスラームからヨーロッパをみるー社会の深層で何が起きているのか

2020年7月に出た新書。
著者は内藤正典先生。
現在は同志社大学で教授をされていて、
専門が現代イスラーム地域研究。

この本を読了して、「この先生の授業を受けてみたい。」と率直に思った。
職業柄、経済のことについては知識があるが、政治の事は門外漢で、
ロンドンに赴任になった時に自分のヨーロッパに対する知識がなさ過ぎて大変苦労した、というか今でも苦労している。
アメリカにいた時は、中東やイスラム圏の話はあまり多くない。
まあ、イスラエルの話はよく出てくるが、、、
いつも断片的にニュースをみるが、
今だと「ギリシャが地中海で軍事演習しようとしている」とか
ヘッドラインは追うものの、
なぜ今このタイミングで軍事演習をするのか?
「基本的な枠組みの中ではNATOに両国入っていて、いわゆる仲間なはずなのに、、、」とか疑問はたくさんあったが、
そのままにしてしまっていた。

日本語ではあまり報道される事のないシリアの内戦がトルコや欧州に対してどのような影響を与えたのか、深い知見があり、理解が深まった。
イスラム法というと
「1日5回礼拝する」とか
「ある時期になったら、断食する」とか
「豚は食べない」とか
割とルールが前面に出ている印象だったが、
よく考えてみると、イスラム法は成立して1400年になり、
それがまだ使われている。
僕は、西洋的な感覚が強いのかもしれないが、国のルールが成立と聞いて
パッと思いつくのが、イギリスのマグナカルタだ。
1215年に成立しているので、成立してまだ805年しか経っていない。
イスラム法はマグナカルタよりも600年も前に成立し、未だに有効だ。
そして、(僕の妄想では)法学者が解釈に解釈を重ねているのだろう。
僕はどうしても、欧米メディアのニュースをみることが多く、欧米が本拠地でないメディアは、アルジャジーラ、新華社通信、South China Morning Postくらいしかみない。
普段から、一つの事象を理解する時に複数のニュースソースや立場の違う意見をみないと物事の本質は理解できないと気をつけて色々な見方をするようにしているが、この本を読んで自分の見識の狭さに改めて気づかされた。
結局、欧米バイアスがかかりまくりの世界の中で生きていたし、
バイアスがかかっていることにも気付いていなかったってことだ。
この本の中で紹介されていた関連図書を地道に読んで行きたい。

内藤先生はtwitterもやっていて
IDは@masanorinaito
僕は早速フォローさせてもらいました。

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