田房永子『「男の子」の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました』トーク&サイン会に行ってきた。

7月8日(月)

 昨日わざわざあんな土砂降りの中ゴミ袋を買いに行ったのに、今朝ゴミ出しを忘れて家を出てしまった。とはいえ家に戻る気力もなく、そのままとぼとぼ出勤。もしかして私は、ゴミを自分のそばに置いておきたいのだろうか。いつか私はゴミで身動きとれなくなって、うちはそのままゴミ屋敷になってしまうのかもしれない。

 ちなみに職場では床に落ちているゴミも率先して拾っています。お仕事だからね。

 キリがない仕事を17時半に切り上げて池袋へ。東武百貨店の14階で行われる、田房永子さんの、新刊『「男の子」の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました』(大和書房)トーク&サイン会に行ってきた。

 男性性に対する嫌悪感とか、親や結婚相手との接し方とか、痴漢が存在するのが当たり前みたいになっている社会についてとか、田房さんの文章には共感したり勉強になったりすることが多くて、同名の連載も楽しみに追いかけていたし、この本もラストまで一気に読んだ。

 池袋に向かう途中に本を再読したら、パートナーとの「癒着」問題について書かれた章があった。「癒着」とは何か。田房さんの図解によれば「自分と相手が近すぎて混ざり合っている」「言わなくても分かるだろーと説明が雑になったり分かってくれないと必要以上にムカついたりする」状態とのことで、あ、私が一昨日の日記 https://note.mu/glico30tome/n/n22cbdf37dd22 でうだうだ書いていた、「女友達にはそんなこと思わないのに男の人には自分のコーヒーの好みを理解していてほしい問題」ってこれじゃん!! と目から鱗だった。

 実際には癒着あるいは癒着ワナビーの状態はめちゃめちゃ息苦しいから関係がうまくいかなくなるのだけれど。そうして数多の関係をだめにしてきたなあ。

 田房さんはトークショーでも「『なんでわかってくれないんだ』って言うのは『自分と同じ人間になってくれ』っていうのと同じことだ。共依存だ」と言っていた。あとは「自分の膜の中の出来事を文章で書ききったら世界の見え方が変わった」とも言っていたので、やっぱり、相手を変えようとするのでも自分を無理に繕おうとするのでもなく、自分と向き合って全部膿を出し切るのは大事なんだなあと思った。このタイミングで日記を書き始めたのも、このタイミングでこのイベントに参加したのも、自分にとってはとても意味のあることであるような気がしてきた。

 本にサインをしてもらうとき、私は為書きを本名でなく「早乙女ぐりこ」宛でお願いするのだけど、私の本にサインする田房さんをお隣で見ていたスタッフ?の女性が「見覚えのあるお顔だと思ったら! 文フリで早乙女さんの本買いました。」と声をかけてくださってびっくり! 自分の好きな作家さんのイベントに、まさか自分の本を読んでくれている人がいるなんて、そんな嬉しいことってある? お名前をうかがえばよかった。

 自分の本もこの日記も、読んでくれる人がいるから、声を届けてくれる人がいるから、書けるのだなあと改めて思う。今もこれを、手のひらサイズのポメラの液晶の向こうにいるあなたに届けるために書いているよ。

 成城石井のパッタイを食べて、スーパードライのロング缶を飲んで眠りについた。

#日記 #田房永子


日記を読んでくださってありがとうございます。サポートは文学フリマ東京で頒布する同人誌の製作(+お酒とサウナ)に使わせていただきます。