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2020年に読んだ本&積読リスト

2020年も終わりかけているので、今年読んだ本をリストアップしてみよーという思い付きで書き始めました。
なんとなく今年の自分の思考の変遷が見えるような気がします。

『「言葉にできる」は武器になる。』梅田 悟司

正直、今年の初めの方に読んだ本で細かいところを忘れてしまったんですけど……笑
多分、自分が文章を書いたりすることについて考えたくて読んだんだと思う。
読了した直後の自分のツイートに「最初の方はしっくりこなかったけど、後半のアイデアだしの部分は面白かった。今後また行き詰った時に読み返すと発見がありそう」とありました。
というわけで、今後また行き詰った時に読みたいと思います。過去の自分GJ!笑

『ミッション建国 (角川文庫)』楡 周平

今年読んだ本の中で唯一のフィクション。政策提言小説です。
2020年、東京オリンピック開催が決まったというところで、日本の社会課題にどう立ち向かうのか、元総理大臣の息子で国民的にも人気のある与党の若手議員が考え奔走します
……ってこの設定、あの人じゃね???とか、こいつはあの人がモデルかなあ、とか思いながら読んでしまいました。
この小説が書かれたころには予想だにしなかった新型コロナがグレートリセットになるのかなーとか考えてしまいました。
「ネスティング・プレイス」ほしいー。こういう風にもっと子育て世帯に対して優遇してくれる政策がバンバン出てくれたら、子育てしている層も国からのメッセージを受け取って励みになるのになあ。

『本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る』伊勢崎 賢治

世界中の紛争地域に赴き、武装勢力と交渉して武装解除を行ってきた、東京外語大教授の伊勢崎先生が、高校生に対して行った特別授業を本にしたもの。昨年、加藤陽子先生の『それでも日本人は「戦争」を選んだ』をたまたま読んだのですが、そのシリーズなのかな。
この本を読んでみようと思ったきっかけは、この著者である伊勢崎先生が、憲法9条は穴があるから改正するべきだ、という話をしていたからです。
私は憲法についてまだまだ勉強中なのですが、世界の紛争地域に生身で赴き、武装解除をしてきた方が、よく護憲派の言う「憲法9条を改正したら戦争ができる国になる!」という主張と正反対の主張をしていることが気になって、どんなことが語られているのか知りたかったからです。
この本は高校生向けの授業が基になっているので、難しい用語などは出てこずとても分かりやすいのでお勧め。

『知られざる皇室外交 (角川新書) 』 西川 恵

この本については、読み終わってすぐ感想をnoteの別記事で書きました↓

皇室について、いろんな意見があると思うけれども、それでもこれまで国際社会の中の「日本」の代表として果たしてきた役割の大きさを感じて尊敬の念が生まれました。
特に上皇夫妻がライフワークとして第二次世界大戦の犠牲者の慰霊の旅を続けられてきたことは、戦争などで対立し遺恨を残した者同士が今後どう交友関係を築いていけばいいのかというヒントになっていると思う。
まずは、そこにあった悲しみに心を寄せて、慰めること。そこからですね。

『働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法 (ちくま新書)』駒崎 弘樹

この本自体は2009年発行なので、もう10年以上も前に書かれた本なのですが、非常に今年っぽい本です。
というのは、新型コロナウイルスの感染拡大で誰もが意図せずとも「在宅勤務」や「リモートワーク」「オンライン●●」など、これまで通りの働き方を変えざるを得なくなったのが2020年だったから。
私は数年前に出産して仕事を育児を両立させるために時短勤務になり、仕事があろうがなかろうが、強制的に残業ができない働き方にシフトしたので、「そうそう、そうなんだよね」と思ってしまうことが多かったのですが、まだまだそんなのは少数派でした。
でも、新型コロナウイルスのおかげで、「可処分時間」の重要性にみんな気が付いてしまったよね。

『「社会を変える」を仕事にする: 社会起業家という生き方 (ちくま文庫)』駒崎 弘樹

それまで日本になかった「病児保育」という事業を立ち上げ展開してきたNPO法人フローレンス代表の駒崎さんの著書。一つ上の『働き方革命』に続き、駒崎さんシリーズ第2弾。
日本における「社会起業家」の1人としても名前の挙がることの多い著者の、自伝みたいな感じでもある。
NPOの話なんだけど、民主主義につながる話が出てくるのが興味深いのですよね。
終盤の用語集の部分に書かれていた、「ソーシャル・キャピタル」の説明が面白くて私の興味を一番引きました。以下抜粋して引用。

●ソーシャル・キャピタル(Social Capital)
アメリカの政治学者ロバート・パットナムの定義によると「諸個人間の結びつき―社会的ネットワーク、互酬性の規範、それから生まれる信頼性」。彼はその著書『哲学する民主主義』(河田潤一訳・NTT出版・二〇〇一年)で次のような基本的かつ重要な問いかけを行っている。「民主的政府のうち、なぜあるものは成功し、あるものは失敗するのか」
(中略)
ソーシャル・キャピタルは地域の絆や、PTAやボランティアサークルでの人と人との結びつきによって形成されていく。そうした市民の社会へのコミットメントがあって、民主主義が機能するのであり、民主的制度があるから民主主義が機能するわけではない、というのがソーシャル・キャピタルが示唆するところである。

そうだよねえええええ!!
私自身は、大学で地理学の方からまちづくりを勉強してきた人間なので、「ソーシャル・キャピタル」という用語は10年以上前から聞いたことがあったものの、実はあまり自分の中で消化できていない概念だったのだけど、このタイミングでストンと腹落ちしました。
『哲学する民主主義』、読んでみよー。

『「社会を変える」お金の使い方――投票としての寄付 投資としての寄付』駒崎弘樹

フローレンス駒崎さんシリーズ第3弾。NPOの運営を支える「寄付」についての話。
寄付は投票なんだ、という話がね。まさにそうだなあと。
最近の政治を見ていてもこの流れはあって、れいわ新撰組なんかは顕著ですよね。以下は今年11月の記事ですけど、れいわ新撰組はほとんどが個人献金で6億円も集めているわけですよ。

オバマ元大統領なんかも1人平均9000円くらいの個人献金でCMとかもバンバン打てるような資金を得ていたらしいですね。
あと、寄付というのはお金を託すというのもあるのだけど、広い意味では例えばプロボノのような形で自分の持っている技術を提供するとか、自分が募金活動を始めちゃうとか、スキルやアクションでもいいのだ、アイデア次第で何でもできるのだという話はいろんな人の励みになる気がする。
お金ってやっぱり今の社会では価値の指標としてかなり重要視されているので、それをホイホイと気前よくあげられる人ばかりではないと思うけれど、何か一つでもできることから始めていけばいいというのは「微力だけど無力じゃない」ことが実感できて自信になるのではないかな。
社会を変えられる、動かせる、という「自信」って民主主義にはとても大切だと思うので。

『民主主義 (角川ソフィア文庫)』文部省

そんなわけで、2つ前に読んだ本から「ソーシャル・キャピタル」と「民主主義」の関係性について、俄然興味がムクムクとわいてきた私は、ずっと積読にしたまま放置していたこの本を引っ張り出してきたのでした。
この本、文部省著作教科書として、昭和23年10月および昭和24年8月に上下巻で刊行されたものを1冊にまとめたものなんだそうです。
日本が戦争に負けて、GHQが新しい憲法を作んなさい、ということで日本国憲法が施行されたのが昭和22年5月3日。改めて新しい国づくりをしていこうというときに文科省が出してきた教科書ということになります。
まだほんとに序盤の序盤で48ページまでしか読んでないのですが、既に18ページで「民主主義の根本精神は何であろうか。それは、つまり、人間の尊重ということに他ならない」、28ページ「民主主義は、決して個人を無視したり、軽んじたりしない。それは、個人の価値と尊厳とに対する深い尊敬をその根本としている~云々」と書いていてうんうん、個人の尊厳が根本だよね、などと思いながら読んでいたら、
34ページには「民主主義的な正しい世の中は、人間のねうちに応じた適正な配分の上にうちたてられなければならない」などと書かれており、私は「人間の値打ち、とは?」とか赤ペンで書き込みをしちゃいました。人間の値打ちって誰が決めるだろうか?誰かが値打ちを決めるという行為は個人の尊厳と両立するのだろうか?
さて、これからこの疑問にこの教科書はどう答えてくれるのか、70年前の文科省と格闘したいと思います。
内田樹先生は「読み終えて、天を仰いで嘆息した」と帯に言葉を寄せているのですが、どうなるかしら!
年超す前に読み終えられるかなー。頑張る。


ついでなので、恥を忍んで積読本を公開する

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ででん!積読本なので本当に積んでみました。
ちょっと読み始めたけど気持ちが乗らなくて積読に戻ってきた本もある。
今読みかけの『民主主義』もとりあえずこちらの先頭に。
10冊もあるじゃん。今年のペースじゃ1年後も読み終わらないじゃない!
ここに『哲学する民主主義』も加わるとまた積読の高さが高くなってしまうので、頑張って読んでいこうと思います。

こんだけ積みあがったのを公開しておいてなんですが、この本もおすすめだよー!というレコメンドも大歓迎です!
ぜひコメントに残していただければと思います。よろしくお願いします!

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