見出し画像

シューマンのホルン 「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」(1849年)

シューマンはホルンについて「オーケストラの魂」と言ったとか言わなかったとか。

文献には関心がないが、ホルンコンシャスな作品がいくつかあるのは確かだ。

「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」(1849年)
派手な曲でホルン奏者は遊びで必ず練習する曲だろう。学生の頃はしょっちゅう集まっては全パートを交代しながら4回通す、なんてことをやっていた。

1stから4thまでそれぞれに難しい箇所があるのだ。遊びではあるが、隠れてさらっておくのが音大生だ。誘われたら、あ、やります?なんて言って難しいところをしれっと吹いて顔色を変えない。

付き合いのいいピアニストがいればレッスン室にあるアップライトでオケパートを弾いてもらう。4回通すなんて当たり前。アマチュアと決定的に違うのはこの練習量で培う圧倒的なスタミナだ。

懐かしいな。時間なんか気にしなかった。毎日、夜10時まで学校が使えたので必ず最後まで残っていた。

個人練習もあれば、室内楽のリハーサル、週2回のオーケストラリハーサル、いくつか組んでいる木管アンサンブルのリハーサル、金管アンサンブル、オーケストラスタディ、ホルンのレッスン、声楽レッスン、副科ピアノの練習、レッスン、副科指揮のリハーサル、レッスン。。。

その間に、ほんの少しある授業も出なくては単位がもらえない。語学や音楽理論、ソルフェージュ。

やることがいっぱいだった。

毎日、忙しくて不機嫌になって怒りながら帰っていたな。あんな時代はもう取り戻せないのに。あの時期が今を支えているのに。

当時は無自覚だった。どうなるのか分からない不安にかられながら毎日目の前のことに追われ続けていた。

今思うといい時代を過ごせた。親が高い学費を出してくれたからだ。クラシックはとにかく金がかかる。見返りは少ない。でも俺の心と身体にかけがえのない宝を得ることができたのだ。感謝しかない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?