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德永翔平 代表取締役、食後血糖波形×AIによるデータ解析で 次世代治療をデザインする

おいしい食事が薬になる社会の実現に向けて

CEO PROFILE

德永 翔平(とくなが しょうへい)氏
1989年、東京都生まれ。

青山学院大学卒業後、複数の医療機器メーカーで診療ガイドラインの改訂、新規医療機器の開発に携わる。2021年、血糖値自動予測AIの開発を行うTHE PHAGE, Inc.を創業。

ー 本日はよろしくお願いいたします。德永さんが起業をするに至ったキッカケや背景を教えてください。

私たちザ・ファージは「問い」を起点にしたプロジェクトが集まる「*SHIBUYA QWS」での出会いがきっかけに立ち上がったチームです。QWSで開催されていたピッチイベントに参加した際に、血糖値の動きでIoTプロダクトを作っているプロジェクトがあることを知り「おもしろそう!」と思い、勢いでそのプロジェクトに参加させてもらいました。その時に今の創業メンバーと出会ったんです。毎日血糖値のことを話しているうちに、良き「問い」が生まれ、事業を閃き、この事業を必ず社会で実現したいと、この時に思いました。

また、自分はこれまで生体制御や生体情報という技術に関して仕事をしてきたので、それを生業にしたいという思いを一貫して持っていたのと、また、海外で研究していたときに何度かお医者さんに救っていただいたことがあり、「医療 ✕ 技術」で何かできないかな?と、ずっと考えていました。センサーもレーザーも、光学技術を基盤としていますが、この技術を用いて何か新しい価値を生み出せないだろうか?という想いが根底にあり、これも起業に至った背景です。

*SHIBUYA QWS:年齢や専門領域を問わず、渋谷に集い活動するグループのための拠点です。コミュニティコンセプトを「Scramble Society」とし、グループ間の交流や領域横断の取り組みから化学変化が生まれ、未来に向けた価値創造活動を加速させます。<SHIBUYA QWS HPより引用> 

ー 食後血糖値予測AIをベースにしたサービス「glucose flight」ですが、このプロダクトに落ち着くまでは、試行錯誤があったのでしょうか。

そうですね。メンバーともかなり深い議論を重ねて今の事業やプロダクトに落ち着きました。ザ・ファージはスタートアップながら、様々な背景・スキル・経験を持つ専門性の高いメンバーが集まっていて、それが会社の特徴にもなっていると思います。例えば薬事の規制関係とか臨床試験など医療分野だったり、AIやプロダクト開発、お医者さんの臨床的な知識など、医療の開発は1つのテーマであっても領域が多岐にわたることもあり、そういうみんなの知見の組み合わせでできています。
もちろん、そこに横串でUXデザインがあったりとか。今ザ・ファージにいるメンバーは全員「自分1人でできることはない」と思っていると思いますね。だからこそ、話し合いを重ねていくというのは、非常に重要であると考えています。本当にプロフェッショナル集団であると、つくづく思います。

ー 今、会社として大切にされていることやメンバーについて教えてください。

「知の融合」をみんなめちゃくちゃ大切にして動いています。
カルチャーに紐付けて言うと、非常に高度な知見の融合が必要な会社、事業体である中で、相手が自分の専門領域の話を理解できるよう、どうやって平易な言葉で話すかや、資料に落とすか、そして次の人を巻き込んでいくか、ということを、一人一人がとても大切にしていると思います。

異分野のバックグラウンドを持ったメンバーで構成されている中で、キャラクターとしての共通項だと、好奇心がすごい強い方が多いですね。穏やかだけど、芯のある人が多い印象です。またテーマとしては「自分の体内のことに興味がある人」が多いです。なので、これからジョインしていただく方も、こういった方々だと嬉しいです。

まだ創業から2年ほどなので、要件定義をしなきゃいけないところが沢山あります。ゴール設定や目線が簡単に固まる時は一瞬で“ポン”って出て終わるのですが、テーマが大きいといろんなものが絡まり合っているので、すごく複雑な話をずっと話していくこともあります。そんな時は、それぞれ自分の軸をもって強いコミュニケーションをしていくので、互いに尊重し合い、体現できる方でないと大変かなと思います。

ー このプロダクトを通じて実現したいことは何になりますか?

私たちは今、自分自身が主体的に自分の体の状態をコントロールできるような技術を作っています。
これまでは糖尿病などの病気が発症すると、お医者さんなど自分ではない他者に言われてお薬を飲んだり、食事コントロールや行動制限をしなきゃいけなかったり、「義務」が発生していたかと思います。それを「自分自身に合っているのはこういうものですよ」と、体の中の情報をもとに提案されることで、その人が主体的に自分の意思で自分の人生を選択して行くという新たなアプローチを実現したいと思っています。
私たちの技術を使って、簡単に、その人に合ったレコメンドを出せたら、食事選択や治療における負を解消できると思っています。

ー 目下の目標を教えてください。

会社としての目標ですと、「世界で一番精度の高い食後血糖値の予測をするAIを作りたい」と思っていて、これをいかに早く達成するか、を大切にしています。これが一番の目標ですね。
それに際して、個人の目標としては、今までよりもさらに強化、進化させていかないと超えられない壁がどんどん出てきていると思っていて、その壁を超えるために、ザ・ファージのビジョンを一緒に叶えたいと思ってくれるメンバーが必要です。そのためには、各メンバーが専門性を発揮できるよう、そして、もっともっと自分自身が人に任せられるようにミッションドリブンな組織をちゃんと動かせるようにしていきたいと思っています。



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