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エスプレッソ麦わらおじさんと温暖化

バルコニーに来るエスプレッソおじさんの標的になってしまった。
この方、ウィルスが怖いのでコロナ禍以降とにかくマスク、そして雨が降ろうが雪が降ろうが、とにかくバルコニーで新聞を読みながら毎日エスプレッソなのである。
そしてなぜか麦わら帽子。すわルフィファンか。
で、一面に心に刺さるニュースがあると立ち上がって語り始める。

この前は外国人の若者が起こした傷害事件について政府に対して激昂してたなー、そんでアジア人やアラブ人の子供が学校で頑張って勉強しすぎるので「メンタリティが許せない」とか「外国人が多すぎる」とかめっちゃ上から下までどう見てもアジア人の私に向かって熱く語ってたな、ついでにキッチンでそれを話してたらシェフ(外国人)が怒って「次に来たら警察呼べぇぇ」とか叫ばれてめんどくさかった。
ちなみに彼の彼女?らしき女性はどう見ても東南アジア系女性なのである。
外国人が嫌いなのかダブルスタンダードなのか意味わからん。

昨日はビヨンセがカントリー歌ってますみたいな一面にするにはどうかと思う彼にはどうでも良さげなニュースが載ってたので大人しく座っているかと思いきや、会話が始まってしまった。立ち上がってしまった!

正直いうと、朝の割と忙しい時間帯におしゃべりモードオンになってしまうとちょっと面倒なのである。
4月にしてはかなり気温が上がってしまった本日。最高気温予定25度。

「僕はね、温暖化はいいことだと思うんだよ」
「見たまえこの美しい景色を」
「温暖化でギャーギャー騒いでいるけどね、この世界の美しさを見たら云々カンヌンウンタラカンタラ」

毎回思うけどなんでこんなに一方的な意見を押し付けられてんだ、とだんだん面倒になってきた私である。適当な相槌しか打てないしどうして私コミュ障なのにサービスやってるんだろ。と、ふと本音が出てしまったのだ。

「まーそりゃここは天気が良くて温かけりゃ人もご機嫌でいいでしょうけど、私の故郷なんて暑くなりすぎて大変ですよー。
昔より暑くなりすぎて夏に外で遊んでる子供なんていないし
唯一休暇が取れるのが夏しかないから仕方なく里帰り夏にするけど暑すぎて毎回具合悪くなって」

とうっかり言ってしまったらエスプレッソおじさん目を丸くしてこっちを見てる。

「そんなに暑くなってるのか!」
そりゃーそうだよ、ここがこれだけ暑くなってたら他の国も暑くなってるんだよ。
「暑いですよー。35度とか行っちゃって、湿度も70パーセント超しますからね」
ついでに冷房入りすぎてて自律神経がおかしくなり具合が悪くなるのが私のパターンである。日本で働いていた時には冷房効きすぎてて事務の女性は足元にヒーターを入れるとかいうとんでもない事が起こっていたな、とか色々考えていたらおじさんがだんだんヒートダウンし始めた。
「それは、、、知らなかった、、、」

あ、座った。
「知らないで温暖化万歳とか言ってしまった」
素直か。

とりあえず、エスプレッソ冷めちゃうから、早く飲んだほうがいいですよ。
なんとなく勝利したような気分になってしまったのであった。


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