こんにちは。株式会社ガラパゴスの杉内です。カンファレンスのクリエイティブ制作を担当しています。
いきなりですが、こちらの画像をご覧ください。
こちらの画像は本カンファレンスのLP(ランディングページ)で使われているキービジュアルとなりますが、実は“生成AI”で作成しています。
▼カンファレンスLP
私の想像を超えるアウトプットだったので、髪が逆立つほど興奮したのを今でも思い出します。
今回の記事では、キービジュアルが完成するまでのエピソードと共に、生成AIをどのように活用したかについてもご紹介していきますので、これから生成AIを活用したいと思っている方にも、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
また、シリーズ記事となりますので、過去の投稿をまだご覧になっていない方は以下よりご覧ください。
▼「生成AI✕マーケターについて学ぶカンファレンス」をAIと一緒に作ってみた | ①コンセプトメイキング〜資料作成
▼「生成AI✕マーケターについて学ぶカンファレンス」をAIと一緒に作ってみた | ②登壇者へのお声掛け
カンファレンスの開催日は7/12(水)です。ご予約も受け付けておりますので、ぜひ下記リンクからお申し込みください。
▼申し込みはこちらから
クオリティの高い画像生成を実現するプロンプトの作り方
今回は大規模言語モデルの「ChatGPT」と「Bard」、画像生成では「Midjourney」の3つのAIを使い、ChatGPTとBardで生成したプロンプトを使いMidjourneyで画像を生成するフローで進めていきました。
プロンプトとは、AIが特定のタスクや生成作業を行う際に与えられる入力や指示のことを指します。プロンプトの精度が生成される画像の内容に影響するため、ChatGPTとBardからいかに有益な提案をもらえるかが勝負でした。
まずは、プロンプト生成における過程をご紹介していきます。
AIの学習レベルをそろえる
チームでプロジェクトを始める際、メンバーに企画概要を伝えるところから始めると思いますが、AIとの取り組みも同じです。
なので、まずChatGPTとBardにこのカンファレンスの概要を学ばせるところからスタートしました。
こうやって足並みをそろえることはチームワークにとって大事なことですよね。
もはやAIに対しても人と接しているような感覚をもつようになってきました。
学習が進んだAIはとても優秀
ChatGPTに以下の内容でカンファレンスの概要を学習させた際、とても面白い傾向が見られました。
ここでこだわったのは「AIと人」というテーマに絞り込むこと。そのために、あえて弊社のサービスであるAIR Designの説明は入れていません。
この内容に対して、ChatGPTから以下の回答をもらいました。
この時点では質問を投げかけてはいなかったのに、情報発信に役立つ提案を出してくれました。日々私がChatGPTを活用する中で、質問とセットで提案を求める傾向があるというのを理解しているんだと思います。
驚きと共に、改めてChatGPTの優秀さを実感しました。とても頼りになるパートナーです!
「使う人によってAIがどう育つかが変わる」ということを強く感じた瞬間でした。
プロンプト生成〜デザインの方向性〜
ChatGPTの提案はありがたかったですが、今回はデザインの方向性についての提案が欲しかったので少し意図が異なる回答ではありました。
そのため、以下の内容で改めて依頼してみました。
「Webサイトは」や「会場は」などの主語がない点は気になりましたが、まずはこちらの提案でMidjourneyに投げかけてみようと思いました。
続いて、Bardの提案も受けてみました。
デザインの方向性だけをテキストのみで説明するのは困難なので、もっと詳細な依頼文を投稿すべきだったかもしれませんが、当たり障りのない回答だったなというのが正直な印象です。
ただ、ChatGPTとは異なる系統の回答でもあるので、それぞれの提案でどんな画像生成につながるのかは見てみたいと思いました。
プロンプト生成〜テーマカラー方向性〜
デザイン制作ではテーマカラーも決めなければなりません。
とはいえ「AI×マーケター」というテーマ自体が新しいこともあり、幅広い視野が欲しかったのでChatGPTとBardにも候補を出してもらいました。
Bardの提案は割と模範的な回答だったような印象に対して、ChatGPTは具体的、かつ華やかさを感じさせる提案をもらえたように思います。
やはり、これまで学習をどれだけ積んできたかという点で差が出たのかもしれません。
とはいえ、実際にMidjourneyがそれぞれの提案をどう画像に落とし込むのかは出してみないことには分かりませんので、このままの内容で採用しました。
16パターンの個性的な画像を生成
さて、ここからはいよいよMidjourneyの出番です。
まずはBardから提案してもらったデザインの方向性で依頼文を投げてみました。Midjourneyが言葉から拾う自由なイメージを見てみたかったので、テーマカラーは入れていません。
ちなみに、Midjourneyには英語の依頼文を使いたかったので、DeepLという翻訳ツールで英訳したものを使いました。個人的には、日本語よりも英語のプロンプトの方が認識精度に差が出る気がします。
【回答】
4パターンそれぞれ個性があるものが生成されました。抽象的な指示でしたが、それをうまく理解して生成してくれたと思います。
続いて、ChatGPTの提案でも作ってみました。
【回答】
「AIと人」というテーマのため①と③が分かりやすく、かつかなり高いクオリティのアウトプットになっている印象でした。プロンプトの提案時点で具体性があったので、Midjourneyもイメージを掴みやすかったのかもしれませんね。
この時点でかなり感動しました!
②と④については、それっぽいけど抽象的で何を表現しているのかパッと見た印象では分かりにくいですね……
テーマカラーを加えるとクオリティアップにつながるか?
デザインの方向性を伝えただけでもなかなかよい画像を作ってもらえましたが、せっかくなのでテーマカラーの指定を加えたパターンも出してもらいました。
もしかしたら、ある程度の条件を指定した方がクオリティアップにつながるかもしれないと思ったからです。
まずはBardから提案をもらったプロンプトで依頼したところ、以下のような画像が挙がってきました。
【回答】
テーマカラーを入れたためか、面白いことにデザインのバリエーションに幅が出ましたね。「AIと人」という観点で考えたら①がよさそうな感じはしますが、出てきた画像の中では最もテーマカラーが反映されていない印象もあります。
プロンプトは最初の方に書かれた順番でアウトプットに影響すると聞いたことはありますが、その影響もあるのかもしれないですね。
続いてChatGPTのプロンプトだとどうなるでしょう。
【回答】
プロンプトには暖色系の候補もありましたが、ほぼ使われていないですね。
青・白・シルバーが比較的多い印象ですが、両方とも「知識」を象徴するカラーとしてプロンプトには記載していました。もしかしたらMidjourneyとしては「AI=知識」という印象が強いのかもしれないですね。
テーマカラーを入れたパターンだけで比較したら、人の要素が反映されているBardのプロンプトの方が今回のカンファレンスには合っているように思いました。
採用された画像は満場一致で決定
今回は16枚の画像を生成しましたが、どの画像を使うかは社内でも確認を回してみました。
その結果、以下の画像が圧倒的に支持を得る結果となりました。
私としても今回は「人」の要素を重視したかったところもあったので、この結果にも納得です。
人の体温が感じられるという点においては、暖色系のテーマカラーが注目された点もうなずけます。
文章にすると一連の流れが長く感じますが、実際は数時間ほどでキービジュアルを作ることができました。圧倒的な作業効率ですね!
本番用に画像編集を行い、完成したのがこちらのLPです。
▼カンファレンスLP
カンファレンス申し込み受付中
さて、いよいよ本番まであともう少しですね!
準備を進める中でAIを活用してみましたが、AIを脅威と捉えるより、うまい付き合い方を今後も模索していきたいと感じました。
そういう意味でも、今回のカンファレンスでさまざまな方のお話を伺えるのは、今からとても楽しみです!
現在、カンファレンスの申し込みを受け付けております。
先着1000名さまとなっておりますので、お早めに!
▼お申し込みはこちらから