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【漫画】いじわるキツネとピュアなクマ50「買い物袋を持たないキツネ君」

見てキツネ君!レトルトカレーが3パック198円だって。

お!超お得じゃないか。まとめて、買っちゃおうぜ。

そうそう、お米ももう直ぐゼロになるところだった。これも買わないと!

見て思い出して良かったな。早くカートに乗せろよ。

ちょっと買い過ぎかな?この調子で買ってたら、お店を出る頃にはサンタさんみたいになってそう。

こんなことなら、スーパーまで車で来れば良かったな。

でも、たまに自分で歩いて、ちゃんと運動もしないと!それに、もし車で来てたら、もっと要らないものまで買ってたかも知れないしね。ハハハ。

(ククク。随分のんきだなクマ公。俺が仕掛けた罠にどっぷりはまっているのにも全く気づかず。哀れな奴だ。)

(今回俺が仕掛けた罠は。「買い物袋を持たない作戦」元々、車で来なかったのも俺の計画の内。奴に帰り道で悲鳴をあげてもらわないと、こっちも面白くないからな。)

(さぁ、どんどん買い物ペースを上げて、もっと奴が持つ荷物を増やしてやろう!)

そうだ!牛乳も買っておかないとな。ほら、クマカゴ貸せ!

え?キツネ君牛乳嫌いじゃなかった?

いや。最近コーヒーを牛乳で作るのにはまってるんだよ。お湯もいいけど、牛乳入れると味がまろやかになるだろ?

そうなんだ。健康にも良いしベリグーだね。はいどうぞ!

あとは、サラダ油も買っとこう!

え?油は家にまだいっぱいあったはずだよ?

俺もそう思ってたんだけど、出かける前一応棚をチェックしてみたら、買い置きが全然なかったのよ。揚げ物したらどうせ直ぐなくなるし、今買っても損はしないだろ?

そう?なら一本買っておこうか。

(クマめ。完全に俺の術中にはまって、自ら墓穴を堀に行き始めたな。良いぞ。もっと俺を楽しませてくれ。お前が苦しめば苦しむほど、俺はもっと楽しい気分になるんだからよ!)

8293円になります。

やば!今月はもう買い物できないかも。でもこれだけあれば、もう安心か。

そう安心安心。

(さぁ、時は来た!今から俺がお前を地獄へ叩き落としてやる。行くぞ!)

あ。一つ言っておくが、今日俺荷物を持つもりないから。

(ついに、言ってやった。さぁ、俺に見せてくれ。絶望に満ちたお前のその表情を!)

え?ってことはもしかしてキツネ君、家まで車を取りに行ってくれるの?

は?なんでそうなる。話が飛躍し過ぎだぞ。

だって荷物持つの嫌なんでしょ?じゃあ、こうしよう。じゃんけんで負けた方が、家まで走って車を取りに行く?

(くそ。なんて地獄の長みたいなこと考えるんだ。このクマ公。ある意味俺より考えることがえげつないぜ。)

(だが待て。俺が今華麗にじゃんけんに勝って、奴に走って車を取りに行かせるのも、これはこれで面白い。良いだろう。受けて立つ!)

良いぜ!じゃあ負けた方が家まで車を取りに行く。それで良いな。

うんOK!絶対負けないから。

(バカめ。俺にはじゃんけん必勝法がある。奴との戦績は全て記録済み。奴は62%の確率で必ずパーを出す。ここで俺が負けるはずがないのだ!)

じゃんけん。ポン!

うわぁ負けちゃった〜!

ま。当たり前の結果だな。さ、早く取りいけこのスカタン野郎。

じゃあ、ちょっとここで待っててね。直ぐ取って来るから!

へ?

(まさか、こいつ全く文句も言わず、本当に車を取りに行くつもりか?)

(くっ。それはさすがに俺の良心が許せん。)

おい。待てクマ。

どうしたの?

俺も一緒に家まで取りに行ってやるよ。車。

え?それなら、そもそも車を取りに行く意味がないじゃない。荷物どうするの?

あっ!そうか。いっけね。

もうキツネ君ったら。本当天然なんだから。

ありがと。

じゃあ、今から二人仲良く荷物抱えて帰りますか。

そうだな。だが、こうしよう。次のあそこの信号機まで、じゃんけんで負けた方が荷物全部持つ。それでどうだ?

良いよ。今度こそは絶対負けないから!

(かかった!)

じゃんけん。ポン!

まさか、俺の負け〜!?

幸運の女神はいつでも僕に微笑むのだ。

(くそぉ。こんなことなら、最初から普通に二人で荷物持って帰れば良かったぜ。チクショ〜!)

おしまい。