【漫画】いじわるキツネとピュアなクマ53「苦過ぎるコーヒー」
おい、クマ。そろそろおやつの時間だろ?一緒にティータイムと行こうや。
良いね。丁度僕も小腹が空いたところだったんだ。
じゃあ、今日は俺がコーヒー淹れてやるよ。いつもお前ばっかに任せて、悪いと思ってたからな。
本当に!嬉しい。ありがとう。
では、しばし待たれよ。ご主人様!
うん。楽しみに待ってるね。
(ククク。上手く行った。バカめ。まんまと俺の罠にはまりやがって。)
(クマ用のコーヒー。こいつを超絶濃い味で作ってやる。飲んだ途端に悲鳴を上げて、のたうち回るに違いない。)
と言っても、どれぐらい濃い味で作ったら奴が驚くか、さじ加減がイマイチわからないな。よし、試しに俺が飲んで実験してみるか。
ぶはぁっっつ!!死ぬかと思った!
ふぅ。ぺろっと舐めただけでも、背筋が凍るようなおぞましく苦い味。ククク。一度これを食らえば、クマも一瞬で根を上げるに違いない。
(人に任せて自分だけ楽しようとするから、こんな痛い目に合うんだぞ。日頃の恨み。思い知らせてやるクマ野郎。)
お待たせ!美味しいコーヒーが出来上がりましたよ。
うわぁ。良い香り!ありがとう。キツネ君。
どういたしまして。
(クマのやつ。俺が淹れたコーヒーを不味いと疑いもしないで。良い君だ。これほどまでにバカだと、こっちも騙し甲斐があるってもんだぜ。)
(さ、待ちに待った悲鳴を聞かせてくれ。お前の苦しむ姿が俺にとっての最高の生き甲斐なんだからな。)
いただきまーす!
こ、これは・・・!!
(かかった・・・!)
いつもより濃い味で超絶美味しいよ!キツネ君!
(は?そんなバカな。確かにクマに渡したコーヒーは激苦のはず。)
(まさか、俺としたことが、俺の分のコーヒーを間違ってクマの方に渡したんじゃ?)
(確かめねば!)
おいクマ。お前の方のコーヒーもどんな味か凄く気になるな。俺にちょっと分けてくれよ。
良いけど。どっちも同じ味じゃないの?
いやぁ。ほら!一杯目と二杯目で味が変わるって言うだろ?だから、味見したいなって思って。
そっか!はいどうぞ。
では、遠慮なく。
どびゃぁぁぁぁあああああああああ!
どうしたのキツネ君。大丈夫!
どばぁぁぁああああああ!
ちーん。
キツネ君。しっかりして!キツネ君!
おしまい。