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思考に翼を与えてくれる本『マイノリティデザイン』(澤田智洋)

読みながら「私だったら…」と思考に翼を与えてくれる良い本でした。

2022年に読んだ本の中で、
「読む前に抱いていたイメージをひっくり返した」部門1位!



出版前から「あの澤田さんの本が出るぞ!」みたいな口コミをちらほら目にしていて、「ほほーん、広告業界の有名人なんだなぁ」程度の知識しかない状態で手にした本書は、思いがけずわたしに翼を与えてくれました。


読む前の想像を遥かに超えてくる


表紙を見て、どう思いますか?


つまらなそう?
胡散臭い?
偽善?


いいえ。


みんなが持っている個人的でネガティブな思い出を「あなたの傷は翼にできる」と思わせてくれる本です。


すごいしっかり胡散くさーーーーーい!!!!!


精神的に良いものって、文字にすると途端に胡散臭くなる不思議。



何を隠そう、わたしも表紙を見て
著者が異常な善人だとか、
読者も善人に矯正させられるとか、
ちょっと無理やりすぎるポジティブな言葉が書いてあるだとか…
を覚悟していました。


が、実際は大きく違った。

表紙から先入観を持った自分こそが最も矮小だなと思うくらいスケールが違う。



とにかく明るい澤田

本書は大手広告会社でコピーライターとして働いていた著者・澤田さんの息子が目に障害を持って生まれてきたことで「自分が仕事をしても、子どもは見えない」事実に直面し、自分の仕事を見つめ直すところから始まります。


あまり書かれていませんでしたが、きっとそれを受け入れるようになるまでに
否定、怒り、取引、気分の低迷、などなど
それはもう嫌になる時間が山ほどあったでしょう。

けれど息子のことを全く不幸と感じさせず、どんどん新しいアウトプットを生み出す。

その姿に全く嫌味はなく、しかも読みやすい。


関係ないわたしも思わず「何か作りたい」と乗り気になってしまう!



全体を通して、とにかく明るいんです。とにかく明るい澤田。(コラ)


読んでいると「気の持ちよう」というか、

本当に考え方と行動次第なのだなと思わされます。


とにかく明るいグルテンふり子に、俺もなる!🏴‍☠️



自分の弱さから企画が作れる!?


例えばわたしは20歳でグルテンアレルギーになり、ほとんどの外食に行けなくなってしまって以降、自分のことをマイノリティだなぁと感じています。

でもいざ「マイノリティデザイン」「視覚障害」と聞いた最初は、自分とはかけ離れた"どこかにいるであろうマイノリティの方々"を想像してしまったんですよね。


そんなわたしに、本書は全く予想と異なるアプローチをしてきました。

自分が"弱者"だったあらゆる経験から企画は作り出せるんだよ、と。


全ての分野で素晴らしい活躍が出来なくたっていい。

むしろ「出来なかった」記憶から、同じく「出来ない」「苦手だ」と感じる人のための企画は生まれる。


苦い経験を、苦い経験のままで終わらせない。

第4章 自分をクライアントにする方法
ーー企画書を自分宛に書いてみよう

では、実際に自分の辛かった体験から企画を考える方法がワーク形式で記載されています。

4章に辿り着く頃には読んでいるこちらもノリノリなので、するっとワークに取り組んでみると、
アレルギーにまつわることはもちろん、それ以外でもあれやこれや「出来なくて悲しかった経験」がつるつると企画へと昇華されていく!

「こんなに簡単に企画になっちゃうのか」と新たな発見はもちろん、
企画として書けると、「あの時の辛さ、サンキュー!」とまで思わせてくれる。


あれ、軽くて読みやすくなっているから騙されていたけど、実はゴリゴリのビジネス本なのでは…!?


他社の参考事例発端でしか企画が考えられなくなって、そんな自分が嫌になっている人にもおすすめ。

自分の苦い経験がつるっと企画になる爽快感はたまらない!



ワークで企画を作って、会社員のループを端的に表した「仕事後のビールうますぎ問題」を読んで心当たりがありすぎて頭を抱えたら、もうその後はこの本を片手にえいやっと起業する人もいるんじゃないかなぁ。

そんな想像ができるくらい、起業の種にもなりそう!



テーマが重いんじゃないかと構えずに、手に取ってほしい。

合法なのにプラス思考になって気分がアガる、稀有な本です。



📖📖📖


お金の話に疲れた体に、ただただ楽しい広告のお話が沁みる沁みる!
目次を読み返すだけでも最初に読んだ時のワクワクが思い出せる!


新しいことを考えるのが好きな人には『マイノリティデザイン』、オススメです!


Amazonの商品ページでは目次が全て公開されているので、それをサラサラっと見て欲しい!きっと刺さるフレーズがあるし、そこを目当てに読んでくれてもいいでーす。



Twitterでは読んだ本のツイートをしているので、なにかと本を読むきっかけを探している方には良いかもしれません🧚‍♀️


投稿数が増えてきたので、人気投稿を1つのマガジンにまとめました。
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