抗い難い興味の変化

ここ最近、といっても数ヶ月だが、映画への興味を失っている気がする。興味を失うというのは妥当な表現ではなく、抗い難い興味の変化がそこにはあると言った方が遥かに適切だ。それは昨今叫ばれているような、映画というメディアが古典的なものと位置付けされるようになったという社会学的な議論ではなく、極めて個人的なものであると同時に、芸術の崇高な世界がその崇高さをより強固にしたという事実でしかない。そして、それはゴダールの死と関係していると言わざるを得ない。

ゴダールがその特権を利用するかのように自らの命を絶ってからというもの、「映画」が真の意味で終焉を迎えたような錯覚を覚える、という意味である。『ゴダールの映画史』にて引用された作品は、彼以前の作家によるもののみである事実を思い返してみればその意味は容易に理解されるであろう。彼以降の唯一の作家とされるスピルバーグの自叙伝的な映画がつい最近公開されることとなったわけであり、スピルバーグですら懐古の対象となることも、この思想を手伝うようである。

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