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Fender Pro Reverbについて①

1974年製Fender Pro Reverb銀パネ。45ワット出力、12インチ2発、マスターボリューム、ミドルツマミは付いていない時期のモノです。メインで使っている同じく74年製のジャズマスターを気持ちよく鳴らせるように1年くらい試行錯誤してるうちに、ようやく自分なりに使いこなせるようになってきた気がしてます。真空管の並びなどもろもろ試したことをメモがてら書いてみます。

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ざくっと言うと、ジャズマスターのフロントピックアップで、変則チューニングのオープンコードをストロークするスタイルで、良し悪しの基準は、自分の曲を自分で演奏するためのギターサウンドとして使えるかどうかの一点のみです。そういう独断に満ちた情報の断片ではありますが、どなたかのなんかのヒントになればなと。

ちなみに、スピーカー、スピーカーケーブル、電源プラグ、リバーブケーブル、グリルクロス、グリルクロスの木枠は、購入してすぐに自分で交換しました。画像はグリルクロス交換前のモノで、使い込んだルックスは気に入っていたんですけど、こびりついたヤニの匂いが部屋置き時に気になりましたわあ。

スピーカーは、CELESTIONNeo Creamback。ジャズマスターでギャリンとやりたいわけではあるんですけど、感覚としては、元音10ギャリンをEQで7ギャリンまで落として演奏する感じよりも、元音6ギャリンを右手のニュアンスで7ギャリンに増やすような、そっちのイメージでやりたいんですよね。ギターの弦高もそこそこ上げて弾くので、アンプの方で最初からあまりバリーンて鳴りすぎない方が助かるかなと。Fenderコンボアンプらしさの神様みたいなのがいるとしたら、ゴメンとしか言えんけど。

真空管はこんな並びになっています。

プリ管
V1 : ナシ
V2 : TAD 7025WA
V3 : BRIMAR 6060/CV4024
V4 : JAN PHILIPS ECG 5751
V5 : ナシ
V6 : MULLARD M8162/CV4024
パワー管
V7、V8 : TAD 6L6GC STR
整流管
V9 : SOVTEK 5A4R

あーでもないこーでもないを順を追って書き留めていたのですが、うまくまとまらなかったので、もういっそ雑感を箇条書きで。

あと、念のため下図は各チャンネル信号の大まかな流れです。

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パワー管

V7V8のパワー管は、購入時には、ここ数年中に装着されたっぽいSVETLANA6L6GC(Sロゴ)が挿さってました。ぜんぜんちゃんと鳴ってたけど、新品のTube Amp Doctor(TAD)6L6GC STRに交換しました。音色のイメージでと言うよりは、それなりに長く、健康に働いてもらえそうなモノに換えました。

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整流管

V9の整流管は、アンプ購入時には、RCA 5U4GBが入っていて、正常に動いているようだったので、そのままいくつもりだったんですけど、メンテ屋さんで新品のSOVTEK 5AR4を挿して試奏させてもらうと、音がカチっと引き締まった。ああ、これがいいなと直感してそのままSOVTEK 5AR4でいくことにしてみました。あとから浮気心で、Tube Amp Doctor(TAD)5U4GBGOLD LION U77/GZ34(復刻)なども試してみたけど、ギターサウンドとしてはSOVTEK 5AR4よりもしっくりきた球はなかった。整流管は整流管で、けっこう音が変わるんだなと勉強になりました。4つの雑感は以下のような感じでした。

使い古しのRCA → 素直に鳴っていて○ 特徴がない感じ
SOVTEK → ほどよくハリがありかっこいい◎
TAD → 押し出しは強いけど低音が少しブヨつく方向△
GOLD LION → まろやかで音楽的な雰囲気はいいけどおだやか過ぎてギターアンプには向かない気が×

V1(ノーマルチャンネルのゲイン)

ノーマルチャンネルは、使いそうにないのでV1には真空管をセットしていません。V1から真空管を抜いた時に、ビブラートチャンネルV2のゲインが少し上がる作用は、サウンド的にはあまり好きじゃないんですが、使わないチャンネルのために真空管を挿しておくのもなあって感じ(ケチ)で今は抜いています。

V1に真空管をセットしていた時は、せいぜい家でちっちゃな音で弾く時に良さげな球をと思い、JAN PHILIPS ECG 5751(80年代アメリカ製)を挿していました。コンプレッションが少ない分、ローがこーんっと出る感じはないですが、かといって、ぶよぶよにはけっしてならない、いい塩梅のまろやかなサウンドになって満足してました。かなり気に入ったので、同じ球をもうひとつ買ったくらい。5751規格は12AX7の70パーセントのゲインと言われますが、この球に関しては、聴感上はそこまでの差は感じなかったです。実感としては90パーくらい。ノーマルチャンネルの場合、上図のように、V2〜V5は通らずにV1→V6でパワー管に届くと思うので、V6との相性もあるんだろうなとは感じました。

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V2・V4(ビブラートチャンネルのゲイン)

V2(ビブラートチャンネルの初段)V4(ビブラートチャンネルの2ndゲイン)の組み合わせに関しては延々と迷ってきた気がします。V2TAD(Tubre Amp Doctor)7025WAや、TAD 12AX7A-Cをセットすると、ロー、ミドルに良いハリがあってバリ〜ンとロックな音色。シンプルにかっこいい。僕の耳では、TAD 7025WATAD 12AX7A-C、両者の違いはほぼ聴き取れなかった。7025WAの方がなんとなく素直に鳴ってる気はしたけど。

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今思うとこの時点で、もうほとんど話はついていたんです。が、V2TAD 7025WAを挿すと、なんというかここまでの良さというか正しさというか、僕はちょっと要らんねんけどなあと感じはじめたんですよね。正しすぎて逆にロックから遠ざかってるような気がしてきたというか。(自分でもめんどくさいです)

試しに、V2に手持ちのSOVTEK 12AX7WARUBY 12AX7AC5HGなんかをセットしてみると、普通に良いやんバランスも良いやんと思えるけど、これなら、ロックな中域が抜群に映えるTAD 7025WAの方がトータルとして見どころがあるし愛せると感じてしまう。むずかしい。特徴がはっきりしてるって点が、TAD 7025WAのいいところだなと再認識。

いろいろ試したうち、GENALEX GOLD LION ECC83(復刻ロシア製)は良かったです。フラットで広いレンジ+明瞭でクリアなミドルって感じのサウンドになって、やたらピンときました。ナチュラルでステレオ感というか立体感を帯びてる気さえする。ただ残念なことに、歪ませるとどうも音の張り方が好きじゃない。ゲインを上げていくにつれて、クリーンで感じてたバランスの良さがなくなっていくんですよね。何かとの相性なのか、時折ノイズも顔をだす。

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その後のもろもろは端折りますが、V2TAD 7025WAV4には、以前V1に挿していたJAN PHILIPS ECG 5751をセットすると、素朴で太くて艶っぽさもある音が鳴るようになった。歪んでからもしっかり頑張ってくれる。今のところ自分の理想に一番接近できてる気がしてます。

V3(リバーブドライバー)

購入時に挿さっていた古そうなRCA 12AT7を、同じ古いRCA 12AT7で値の良いモノに交換して特に不満はなかったんですが、V6(フェイズインバーター)で試行錯誤していた時にいまいちピンとこなかったBRIMAR 6060/CV4024を(売却しようとしてたけど)V3で使おうと思い付いて、そうしています。ノイズもなくOK。

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V5(ビブラート)

アンプのトレモロ自体はあまり気に入っていなくて、V5には真空管をセットしていません。揺らしたい時は、足元に置いてるRoger Mayer VooDoo Vibeを使っています。

V6(フェイズインバーター)

購入時からささってた古そうなRCA 12AT7から、MULLARD CV4024に替えた。RCA 12AT7より硬さが減って少し甘くなった。良いように言うと、音楽的になった。悪く言うと、ちょっとぼやけたかなとも感じるけど、他の球にはない独特の落ち着きは出る。とりあえずこれでいってみようかなと。

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