MMD|定番エフェクト・シェーダー

エフェクトとシェーダーはMMDの見た目を大きく左右する。一体どれを選べばよいのかという初心者に向けた記事は多くあるが、個人的におすすめしたいものをここに挙げておく。

1.PowerShader

定番シェーダーの1つで、通称「見た目の割に軽いシェーダー」。
陰影表現を強化したとの説明通り、影と光の差(≒明暗差)が大きいイマドキな表現ができるような気がするため愛用している。

シェーダーだけでもいくつかの種類が同封されており、通常版(Shader_Main.fx)に加えて、主に白目用の影なしバージョン(Shader_Main_NoShadow.fx)、トゥーン調表現に向くバージョン(Shader_Main_Toon.fx)などがある。

個人的にはこのShader_Main_Toon.fxがおすすめ。通常版と違い陰影が複雑に出るため情報量が増して見え、かつ影の輪郭がはっきりしているため明暗差が大きく見えやすい。

2.o_SelfOverlay

超定番エフェクト。「MMD エフェクト おすすめ」で検索をかけると十中八九登場する。
オーバーレイの名の通り、周囲の環境とMMDモデル本体を「なじませる」効果がある。表現しづらいが、色が1段階濃くなってリッチになる感じ。

3.HgDiffusion

デフュージョンエフェクトとは、明るい部分の光を拡散させ、空気感の演出や馴染ませの効果を狙って使われるエフェクト。o_SelfOverlayと同じ作者のo_Diffusionが定番として扱われている印象があるが、私がいつも使うのはこちら。
以前はo_Diffusionにお世話になっていたが、HgDiffusionのほうが光の拡散度合いが大きいため代わって愛用するようになった。
説明文いわく、ディフュージョンフィルターの原理を忠実に再現しているとのこと。

4.PostRimLighting

超定番エフェクト。モデルの輪郭を逆光のときのように光らせる。

5.AutoLuminous

超定番エフェクト。モデルをパーツ単位で発光させる効果があり、眼を光らせたいときなどにしょっちゅう使われる。
Pmxエディタを介してモデルの数値をいじる手間こそあるが、便利すぎるため私は持っているすべてのモデルにその調整を施している。

6.ExcellentShadow

超定番エフェクト。影の輪郭のギザギザ(ジャギジャギ)をうまくなめらかにし、かつ細かめのリアルな影を付けてくれるため重宝している。

7.MotionBlur

定番エフェクト。動作のブレをMMDで再現してくれる。

8.PowerDOF

たぶん定番エフェクト。カメラの焦点を再現してくれるため、背景など奥にあるものをぼかし、遠近感や空気感を演出できる。

9.WorkingFloor

定番エフェクト。ツルツルの床に映る鏡像を再現してくれる。
簡単に情報量を上げられるため重宝している。

鏡像と合わせて、足元に落ちる影をX字状に再現するWorkingFloorXも定番。

10.sdFXAA,sdTAA

MMD技術班として名を轟かす1人であるサンドマン氏のエフェクトの一部。機能は2つともジャギーの低減。雰囲気に応じてsdFXAAだけ使うこともある。
MMDモデルの各所の輪郭にはギザギザが生じるが、MMDソフトにあるアンチエイリアス機能がデフォルトでそれを低減してくれている。とはいっても限界はあるため、追加でこれらのエフェクトを導入し、ジャギジャギを消して滑らかにしている。
単体だと気づきにくいが、比較すると一目瞭然だったり。

氏の配布する「物理ベースシェーダsdPBR」は、あらゆる状況に応じたエフェクトやシェーダーなどを同封するマルチな配布ファイルで、sdFXAAとsdTAAはそこに含まれるエフェクトのごく一部にすぎない。つまり私はこのド有能配布素材をほとんど使いこなせていないわけである。

なお、sdFXAAとsdTAAの違いは、ジャギー低減に用いる情報の差にあるとのこと。前者はいま現在のフレーム、後者は前のフレームの情報を用いているため厳密には効果が異なる。このあたりは氏の解説サイトに非常に細かく書かれているため熟読されたし。


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