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秋田にAターンしたくて、秋田で仕事を作っています——私が「秋田で」にこだわる理由

こんにちは!園部美晴(そのべ・みはる)と申します。

私は2023年10月から秋田で働いています。出身でもなく、転勤で来たわけでもありません。

県外出身の私がなぜ秋田で働いているのか? なぜ私が「秋田で」にこだわるのか、「秋田で」何を求めているのか。

少し紹介させてください。

出身は県外、秋田にハマったわけ

1999年生まれ、千葉出身、現在社会人2年目。千葉県出身と言いつつ、生まれは香川県出身です。

転勤族の親の影響で、香川、大阪と転々とし、千葉には小学三年生の時から住んでいます。

そんな私が初めて秋田に訪れたのは、国際教養大学のオープンキャンパスがきっかけでした。高校3年生の時、進路指導の先生に強烈に勧められ、頼りにしている先生が言うなら一度見に行ってみるか……といった具合でした。

受験を決め、無事合格。晴れて秋田での大学生活を送ることになりました。

学業にサークルの活動に、と忙しくしていたキャンパスライフでしたが、ネパールへのスタディツアーに参加したことが、その後の人生を大きく変えます。

ネパールでは農村を訪れてホームステイを体験させてもらいました。訪れたのは、山の斜面に建てられていて、電気がギリギリ通っているようなお宅。家畜を持ちながら野菜を育て、日々生活をされています。

当然貧しい生活をされているんだろうな、と言う思い込みは、すぐに裏切られました。到着したら気前の良いお母さんが迎え入れてくださり、お手製の料理をみんなで味わいました。これの美味しいこと!!

「アチャール」というインド周辺で食べられる漬け物

日中は、家の少し下の斜面に仕立ててある畑を耕します。姿勢が違うよ! もっともっと! と言われながら、初の農業体験でした。

畑作業が終わったら、夕飯のチャパティ作りに励みます。粉をこねて平に整形して……焼き上がった時は、一から食べ物が作られていることを実感し感動しました。

チャパティの生地をこねている
焼いている様子

出来上がったものを手に入れるのはお金があれば簡単だけど、もろい。

ネパールでのこんな場面に遭遇するまで、私は農作物がどんな環境でどのように育てられているか知りませんでした。

小学校でのバケツ稲作くらいしか「米を育てる」ということをやったことがなかったし、バケツ一杯で収穫できる量なんておにぎり1つにも満たない。

きっと昔は生きていくために必要だったことを知らずとも生きていけるような現代。お金があれば色んなものを手に入れることができるけど、お金が通用しなくなった瞬間、無力になる。

一方、お金がたくさんあるわけではないだろうけど、自分たちの手でしなやかにそして豊かに生きている人たちの様子を見て、憧れと尊敬の念を抱きました。

そして、大学がある秋田はどうしても「人口が減って……」といったニュースが取り上げられやすいような土地ではありますが、もしかしたら秋田にも、ネパールで目にしたような、お金や物量とは違う力強さや豊かさがあるのではないか、と思い立ち、秋田に帰ってきてからは先輩に連れて行ってもらって県内のあちこちを巡ったり、農業をするサークルにも入りました。

秋田の楽しさ、奥深さ

在学中、先輩の紹介で住んでいたのが、古民家シェアハウス「ゆのみ堂」。
初めてのキャンパス外での生活でした。

固有の野菜や食材があること、冬には雪をかくこと……etc

秋田で暮らすとはどういうことか、だんだんと知って行きました。

気付いたら玄関に野菜がどさっと置いてあったり、雪かきしようと思っていたら、お隣さんが既にかいてくれていたり。「地域コミュニティ」というものを人生で初めて実感した体験でした。

中でも私を魅了したのは、秋田の「山菜」。

最初にばっけ味噌のことを知った時には、その苦さと味噌の塩味がマッチして、すぐにお気に入りの味になりました。

地元のお母さんと山菜を採って天ぷらパーティをしたり。

お世話になった「どんぐり農場」で行った山菜パーティー

秋田の人々が送る、自立していて豊かな生活に惹かれていきました。将来のことを考えた時、暮らすのはここが良い、と自然と思うようになっていました。

「秋田で」働く?

秋田で暮らしたい、でもどうやって?と思い立った時、真っ先に浮かんできたのは秋田で起業をしている先輩方。

ただ、何に取り組みたいかも明確でない自分が「起業して秋田に残る」というのはなんだかしっくりきませんでした。

そこで秋田のことをもっと知ろうと思い、インターンを始めました。

ご縁をいただいて地元企業に泊まり込みでインターンをしたり、GOBの投資先、LocalQuest(ローカルクエスト)ではインターンにはじまり創業までをコアメンバーとしてご一緒させていただきました。

LocalQuestは、秋田県立大出身の高橋新汰(たかはし・あらた)さんが立ち上げた会社で、学生に地域と関わる体験をコーディネートしています。

あるときは、りんご農家にお邪魔してお手伝いをしたり、またある時は、秋田でおなじみのアイスの会社のSNSを動かしたり……。

活動する中で出会った、たくさんの秋田の方々。お一人お一人の想いを聞かせていただきました。

「自分の子どもが大人になった時にきれいな故郷を残したい」
「地域の中で資源を循環させたい」

出会った人たちが強く語り、目標へ着々と動いていく様子は、静かに燃える炎を感じ、「こんな人たちの力になりたい」と思うようになりました。

そこまでの道のりは地道で大変なのだろうけど、とても手触り感のあるもので、私にはいきいきして見えました。

もちろん都市で働く人にもそんなストーリーはあるのだろうけど、そんな一人一人の哲学を垣間見ながら、一緒に歩むような仕事をしたい。

大きなことを仕掛ける仕事より、まずは顔が見える人たちがハッピーになるようなことをしたい。きっと都市で就職するのも間違いではないけど、還元される先は大好きで温かい人たちがいい。

そうして、秋田で新しいコトが次々と生まれる場面に立ち会いたい、との想いでGOBにご縁あって就職させてもらいました。

社会人2年目、私の今

と言っても、なんの経験もない私。

社長の高岡さんや他にも複数メンバーがおり、オフィスで一緒に働けるような環境である大阪で一年経験を積ませてもらいました。

そして2023年10月、秋田に戻ってきました。

(大阪で過ごした一年はそれは濃いもので、伝えたいことばかり!折に触れてどこかで書けたらと思っています)

「秋田で拠点作りをしています」というと、

新規事業の会社がなぜ秋田で? という質問をよくいただくのですが、ここに合理的な理由はありません。

ここが好きだから住む。仕事は後からつくる。そういった意気込みで動いています。

そんな私にも秋田で一緒に仕事を作ろうとしてくれる、頼れるメンバー「美波さん」がいます。大学の先輩でもあり、いつも周りをエンパワーしてくれる素敵な存在!

次回の「秋田で“あそぶ“」は美波さんの自己紹介となります。お楽しみに!