共同ニュース「クライミング、連盟が変更認める 五輪出場基準の解釈」の簡潔な解説

共同通信社は、2019/11/28 21:34 (JST)、スポーツクライミング の東京五輪出場基準に係る共同通信からの質問に対してIFSCから書面で回答があったとして、以下のニュースをリリースしました。

「日本山岳・スポーツクライミング協会が、東京五輪出場基準の解釈を国際連盟が変更したと主張している問題で、国際連盟は28日、共同通信の質問に書面で回答し、解釈を変更したことを認めた。外部から当初の解釈とのずれを指摘され「その助言に従わざるを得なくなった」と説明した。」
https://this.kiji.is/572762735299118177

この報道を受けて、他の新聞もこの件について報道しています。

そこで、日本経済新聞社ニュースを画像で引用し、若干の解説をしてみたいと思います。解説部分は下に赤線で示しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK40943_Y9A121C1000000/

スクリーンショット 2019-11-29 9.33.07

解釈の変更 旧IFSC解釈→新IFSC解釈への変更

解釈の変更というのは、IFSCが、選手選考規定中のコンファームの解釈をこれまでの解釈(=旧IFSC解釈)をやめて、別の解釈(=新IFSC解釈)に変更したということです。

旧IFSC解釈は、3大会で5枠まで、つまり、最大女子5人男子5人までコンフォームOKと解釈していました。

もちろん、この解釈は、コンファームしても即、出場決定ではなく、出場資格保有者になるに過ぎないという、IFSCの考え方の上に成立しています。

IFSCは、このIFSC旧解釈を10月になって、日本には断りなく、勝手に、新IFSC解釈に変更しちゃうというちゃぶ台がえしを行なったというわけです。

外部とは?  他国? メディア?   IOC?

この外部がどこかはたいへん興味深いです。なにしろ、IFSCはスポーツクライミング競技に「関するすべてのことがらに対する,最終権限を有する.」団体ですから、この強者に「従わざるを得なくなった」と白旗をあげさせるためには相当に強い力 and/or 反論し難い論理力が必要ですから。 

「1.1 国際スポーツクライミング連盟(IFSC)は,国際クライミング競技のあらゆる面を担当する国際的 連盟組織であり,国際クライミング競技に関するすべてのことがらに対する,最終権限を有する.」

当初の解釈 旧IFSC解釈のこと

当初の解釈とは旧IFSC解釈のことです。
ちなみに、規定のコンファームの解釈は以下の2通りが可能です。

解釈A: コンファームの効果=出場決定と解釈する。とても素直な解釈です。

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