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ゲームとは何か?

みなさん、おはようございます😀
本業の話を久々に書きますw
結論から言うと『遊び』です!

この質問、大学や専門学校で学生に講演する時によくする質問の一つです。

・暇つぶし
・ストレス発散
・文化
・デジタルコンテンツ
・エンターテインメント
・バーチャルリアリティー

などなどいろんな回答が返ってきますが、ゲームとは「遊び」です。
今は複雑化したり、リッチ化して映像表現としてはフォトリアルな方向で現実世界のシミュレーションという側面が強調されていたりするので、本質を見失いがちです。
これは私がnamcoに勤めていたのもあるかもしれません。
というのもnamcoでは昇進試験で、ヨハン・ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」という本を理解しておくことが求められていたからです。

昇進のためという以前に素晴らしい知見ですし、会社として原点を見失わないようにこれをベースに選んだ創業経営者の中村雅哉会長の目利きには脱帽です。
ヨハン・ホイジンガというのは、1872年生まれのオランダ人で歴史家と称されています。
詳しくは下記をご覧ください

遊びの4分類というものがあります。
遊びは「競争」「模倣」「眩暈」「運」という4要素からできているというもので、例えばかけっこ、トランプなどは「競争」の要素が大きい遊びです。
仮面ライダーごっことかおままごとは「模倣」の要素が大きい遊びです。
「眩暈」はイマイチ想像しづらいと思いますが、メリーゴーランドやジェットコースターに乗った時に感じる楽しさです。
「運」の要素が強いものとしては、くじとかですね。
これらは日本語訳された言葉なので、ニュアンスが少し伝わりづらいものもありますが、納得できます。

で、テレビゲームというものもどこまでも言っても遊びと言えます。
数多ある遊びの中でテレビゲームをはじめとしたゲームがこれほど世界的に流行ったのは何故でしょうか?
もちろんトランプとかチェスとか世界的に遊ばれているものはありますが、ビジネス的にも大成功したものという意味ではゲームは圧倒的ですね。
その理由の一つもこの遊びの4分類で説明することができます。

例えば大昔から人々を魅了し続けている遊びの一つである麻雀は「競争」+「運」で構成されている遊びと言えます。

テレビゲームの代名詞の1つで、オリンピック開会式の行進曲としても使われたドラゴンクエストを考察してみます。
竜王を倒すためにという部分は「競争」ですし、そこへ至るまでのモンスターとのバトルは「競争」そのものですね。
そしてロトの勇者という設定で、プレイヤーはその勇者となって遊ぶわけですから、勇者ごっこつまり「模倣」です。
バトル中に時折発生する会心の一撃や痛恨の一撃は「運」の要素ですね。
「眩暈」にあたるものは何かというと、広大なマップをモンスターとのバトルをしながら歩いていて町や洞窟を見つけた時のあの感覚旅の扉でワープしてどこへ繋がっているんだろう?というあのワクワク感がそれにあたります。
このようにテレビゲームは他の遊びとは異なり遊びの4要素すべてを一つのゲームで内包しているのです。

他のゲームでもやってみましょう。
「信長の野望」戦国大名ごっこですから「模倣」が入っています。
そして、日本統一という目標の下に他の大名と競い合ってますから「競争」が入っています。
飢饉が起きたり、台風が来たり、豊作になったりと「運」の要素があります。
「眩暈」はちょっと思い浮かびませんが、3つは確実に入っています。

どんなにリアルになっても遊びであることを失ってしまうと、きっと必要とされないものになってしまうと思います。
任天堂はハードウェアの性能が上がっても、遊びとしてのゲームを作り続けています。
それが任天堂のゲームが全年齢に本当に受け入れられる製品を出せている秘密の一つかもしれません。
そして、ハードウェアの性能競争というステージに乗らないその理由も遊びを作る上で必ずしも最新のPCと近い映像表現が必須ではないと考えているからです。
もちろんビジネス的にSONYやMicrosoftと同じ土俵に乗るメリットがないというのもあります。

遊びとは何かということを真剣に考えていくことは、逆にこれからもっと必要だと思いますし、スマホゲームにそういうものが欠けているのと、必要ともされていない事に危惧があります。
遊びとしてのゲームの作り手が、経験している人材が少なくなる一方なのは、世界と競争する上でもリスクだなと思っています。
そんな日本での一筋の光明はインディーゲームというマーケットなのかもしれません。
ビジネス的にはスマホゲームは圧倒的に売れていますから、ある意味正義ですw

それを作り続けることは短期的には間違いではありませんし、遊んでお金を払っているお客様がたくさんいらっしゃるということは消費者のニーズに応えているので良いことではありますが、作り手側からすると売れている型のコピー、運用も型がある程度ありテンプレで作るのに近い形になっているので創造性を実務で発揮しなければならない機会が失われているのですが、うまいこと織り交ぜることができると、きっと新しいゲームの形や価値が提供できるのではないかと思っています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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