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老後の資金「2000万円」騒動

先日、Twitterで、時ならぬ老後資金の話題で持ち切りになっていた。もうすぐ第4段階である高齢人生に突入する私としては何か、一言、申し上げたい衝動を抑えきれないでいる。

「2000万円」という言葉が躍り出たことにちょっと驚いた。働き盛りを過ぎてもなおかつ、日々、パンやお菓子を焼きながらひっそり暮らしている私の人生は、第3コーナーを生きていると言えるが、率直に言って、「くだらないことを言うな」。件の報告書にも「あくまで平均で、各自の収入・支出やライフスタイルなどにより大きく異なる」と書いてある。

子育ての現役で、精力的に動き回っていた頃は、自分に老後が来るのだとは思っていなかったが、子供たちが巣立った時、そこに線が見えた。生命保険のように、若いときから天引きで貯蓄金ができるような金融商品が選べるほどたくさん出てくれば、「2000万円」説にも意味があるかもしれない。

一方、すでに老境に入っている人にとっては「2000万円」説は、脅迫に聞こえるかもしれない。ただ、今回の報告書の「前文」に着目すると、生活スタイルを変えることが、最大の老後生活の乗切り策と言えそうだ。現役と同じ価値観では、いくら収入があっても足りない。だから、支出を減らすことがポイントになる。例えば、金のかからない趣味は、頭や身体を使うだろうし、これは、節約と健康の両面でプラスになる。有料のジムに通わずに、ウオーキングや軽い筋トレなどをしてみるとか。

また、老後の最大の敵は病気ではないだろうか。いくら収入があっても病院通いでは、にっちもさっちもいかなくなる。病気をしない。そのためにも、金のかからない趣味を実行していれば、多少は縁遠くなるのではないだろうか。

物欲に走るのではなく、精神的な満足を得られるアイテムはいくらでもあると思う。

昭和の高度成長時代が私が育った背景で、子どもの頃の生活というと、日本全体が貧しく、戦後の食糧難の経験を引きずった大人がたくさんいた。親はどんな気持ちで家族に食べ物を与えていたのだろうか。華やかな食卓風景ではなかったが、不満もなく、楽しく過ごしていたと記憶している。

あの頃、老後に2000万円が必要などと思いもしなかったが、なぜ金銭にこだわらなかったのか?考えると、身の回りにある物を生かして暮らす「生活の知恵」はあった。現代人は、この「生活の知恵」を忘れて、「消費」に毒されてしまっているんじゃないだろうか。

テレビの視聴をしなくなって久しいが、早朝から「TVショッピング」ばっかりだ。あれば便利かもしれないが、なくても済む。こう考えると、老後生活は、物欲を一つずつ整理していき、「終活」へ踏み出して行くというものだろうか。

2000万円に脅迫されて苦しむのではなく、「健康」こそが何にも換えがたい資産として、それは、カネのかからない趣味で、頭と身体を使えばなんとかなりそうではないか?「2000万円」がないひがみから言っていると解釈されてもおっけ。

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