自分用メモなので文体も自分用です。

使用環境

iMac 2019 Core i9 3.6GHz
40GB RAM
USB 3.0 SATA 外付けSSD
Thunderbolt 3 NVMe 外付けSSD
Cubase Pro 10.5.20

音について

初期反射が充実していて8/0/6/5/4の割には人数が多く聴こえる。反面、テールはかなり短くリバーブでコントロールしやすいためライブラリとしては非常に使いやすい。Ocean Way Nashville自体がそこまで大きくないスタジオというのもありそう。フォーカス、バイト感の部分は別ライブラリ（Spitfire Chamber Strings、Spitfire Studio Strings、Cinematic Studio Solo Stringsあたり）を重ねるとバランスが良さそう。より大きなライブラリにNSSを足すのはあまり意味が無いかも。

サラウンドマイクまで十分に距離をとれていないのか、DeccaTreeとの印象の差はそんなにない。マイクはSpot、Tree、Wide、Surrがあるので5.1までであれば対応可能。

2nd Violinが無いので上手く作る必要がある。VnのメインセクションとセクションBは音色が違うが、恐らくレコーディングは同じシートポジションで録ってしまっている。メインとBを重ねて16型を表現することを想定しているのかもしれないが、Ocean Way Nashville自体そこまで広大なスタジオでもないので、Bを2ndとして扱ってパンニングなどを工夫して作った方が良さそう。定位については他社ライブラリの2ndバイオリンの定位（左右、奥行き含め）を参考にすると楽。Viola以下のBセクションはおまけ程度に考えても良い気はする。

演奏性、自然さについて

レガートは全てbow changeでfingeredやportamentoは無く、ランには追従しない。1音ずつアタックがはっきりしがちで速いパッセージには自然に追従してくれないがレガートのトランジションノートが強調され過ぎてしゃっくりになることはそこまで気にならない。

ダイナミックレンジを狭めることも広めることも出来るのでポップスと劇伴どちらにも対応しやすい。広めにした方が生っぽいダイナミクスは出しやすいが、CC11を組み合わせるのが好きであればそこまで問題にはならないかも。

ショート系はspiccatoのみでかなり鋭いため、ショートにバリエーションがある別のライブラリと組み合わせた方が良い。ただし、Offsetでサンプルの再生開始位置を遅らせてより鋭い音にすることは出来る。（SpitfireのTightnessと似たような原理）

全てのパッチが140msecのオフセットを持っているためDAW側でネガティブディレイの設定が必要。鍵盤で弾くと遅れてくるので気持ち悪い。

テールが極端に短いためリバーブで作りやすい反面そのままだとかなり不自然。リリーストリガーされるノートの長さというより、リリーストリガー時に元のノートのフェードアウト処理が一瞬で行われているのが原因であるように感じる。少々手間ではあるものの、ロング系の音の終わりは都度CC1を下げるのが良さそう。

あとはどの奏法もアタックのタイミングが揃い過ぎているため、人間味や生っぽさは無い。普通に録ったらもっとズレるし、その方が美しい。

奏法について

重要どころのバリエーションが少ない代わりに使用頻度の少ない奏法まで広めにおさえている印象もある。トリルは半音、全音で使えるしCon SordinoやCol Legnoなんかも。とは言えバルトークピチカートは無いし、レガートやロングのアタックの強さがベロシティで変化するみたいなことも無ければ、ロングノートのビブラートがオンオフ出来るわけでもないので弦楽がメインの曲で主役として使うには頼りない。

不具合について

インスタンス内でマルチアウトを行うとオフラインバウンス、リアルタイムバウンス、プレイバックいずれもストリーミング出来ないノートがランダムに発生。あと、プレイバック開始時、ロケーターの場所で瞬間的にノートが重なっているとレガートパッチがノートオフの情報を掴みそこねて鳴りっぱなしになる。（再現性高）

マルチアウトしたい場合は手間だがマイクポジションごとに同じインスタンスを複数立ち上げてdefault outputにした方が挙動が安定する。

負荷について

USB3.0接続のSATA、TB3接続のNVMe環境いずれもそれなりに快適に動く。4マイク全ロードでレガートしてもドロップアウトは無い。

用途別総評

ここから先は実際このライブラリを今後僕が使うか否かくらいのことしか書いていないですが、記事が役に立ったという方はもし良かったら100円でご購入頂ければ励みになります。