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自宅録音のススメ

本記事では2020年4月に投稿した「どこまで出来れば『宅録可』なのか?」という記事のレベル0〜2を細かく説明します。

以前投稿したこちらのTips記事よりは初心者向けです。

どうすればいいかの丸覚えよりは何故そうする必要があるのかを重点的に解説します。

レベル0: 機材を買い揃える

ここに関しては正直楽器屋さんに問い合わせるのが一番だと思います。何故なら、機材を買う人の音楽制作のスタイル、好み、予算等に応じて必要なものが全く異なるからです。記事の形で一方通行的に全ての答えを提示することは困難で、コンシェルジュ的な存在に答えを一緒に探してもらう方が確実です。

いきなり仕事環境を構築したいプロの方はRock oNや宮地楽器と言ったプロ向けのショップを利用されるのがオススメですが、基本的にはお近くの楽器屋で質問すれば解決すると思います。

レベル1: とりあえず録音が出来る

このレベルに達するには

・オーディオインターフェースとは何か
・DAWの使い方
・MIDIとオーディオの違い

あたりを理解する必要があります。

オーディオインターフェースとは音をPCに高品質で取り込む(録音する)ための出入り口です。PCやMacに直接ケーブルを刺して楽器の音を録音することは出来ません。

オーディオインターフェースはアナログの世界とデジタルの世界の境界線とも言いかえられます。音楽家が発した音(アナログ情報)はオーディオインターフェースでデジタル情報に変換されてPCに取り込まれます。

アナログとデジタルの違いについては下記の記事の前半をご覧下さい。オーディオインターフェースの必要性が理解出来ると思います。


DAWは雑に表現すると作曲ソフトと言い換えられますが、宅録においてはレコーダーと考えた方が良いでしょう。Digital Audio Workstationの略で、デジタル情報に変換された音を編集するためのツールのことです。

何故DAWが必要かというと、現代の音楽制作はデジタルで制作することが大前提だからです。デジタルオーディオデータを納品するためにはDAWで録音することが必須条件です。

DAWに録音すると、カセットテープに録音する場合とは違い録音を繰り返したり、重ねたり、削除したり、動かしたりといった編集を何回でも劣化無しに極めて簡単に行うことが出来ます。つまり、100回演奏してよかった部分だけを繋いで1回で弾いたように編集することが出来るといったメリットもあります。スタジオだと2〜3テイクでOKを出さなければならない緊張感がありますが、家だと締切に間に合いさえすれば1000回録っても怒られません。

DAWの使い方についてはマニュアルを読んだり公式のチュートリアルを見たり、Sleepfreaks等の教則コンテンツを見るのが良いと思います。


MIDIは楽譜に喩えられることが多く、楽器に対して「どの音を鳴らせ」「パッチを切り替えろ」等といった命令を送るためのものです。いわゆる打ち込みとはMIDI情報をPCに入力していく作業のことを言います。

ここで重要なのはMIDIはただの命令を纏めたものなのでそれ自体は音の実体ではないということです。楽譜を買ってきても音が鳴らないのと同じです。テンポや拍子の情報もMIDIに入っているため録音する時はMIDIも資料として受け取ることを強くオススメします。

それに対しオーディオは音の実体そのものなので、再生すると音が出ます。なので、楽器を演奏した時の音を録音する場合はオーディオトラックに録音することになります。

一方、キーボードを使えば「どのようにキーボードを演奏したか」という情報をMIDIに記録することが出来ます。キーボードだけは音と演奏を切り分けて録音することが出来るのです。MIDIギター? 知りませんね…。


レベル2: 録音の細かいセッティングが出来る

ここで理解しなければならないのは下記の通りです。細かい原理までは録音に必要ないため解説しません。

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