2023年に見た車系エンターテインメント

振り返ってみればほとんどアロンソでは?

モナコGP Q3のアロンソVSフェルスタッペン

アロンソの驚異的なラップをフェルスタッペンが最後で抜き返してポールをとりアロンソが無線で「気に止むことはない、あれは魔法だ」的なことを言っていたのが印象的でした。

シンガポールGP決勝のサインツ

レッドブルが大不調だったシンガポールGPでトップを走っていたフェラーリのサインツですが、ペースを落として終盤2位のノリスをDRS圏内に引き寄せておくことでメルセデス勢が上がって来ないよう間接的にブロッキングする戦略に震えました。

カタールGPスプリントのピアストリ

この新人、強くないか????

ブラジルGP決勝のアロンソVSチェコ

終盤10周ほどのチェコとアロンソのバトルは見ていて痺れました。ラスト2周でチェコにT1で飛び込まれてファイナルラップのT1で抜き返せなかったのでアロンソもうダメかと思ったんですが、T4でギリギリのところでオーバーテイクして最後はハナ差でのアロンソの3位という、最後までどうなるか分からない名勝負でした。二人の信頼関係も見ていて熱くなったんですが、実況の「Old master」「Master defender」という言い回しにもグッときましたし、ファイナルラップを走りながら二人のバトルの行方を見守っていたらT4で曲がり損ねそうになったというフェルスタッペンのお茶目エピソードまで含めて今期屈指の熱い戦いだったんじゃないかと思います。

ラスベガスGP決勝のルクレール

ファイナルラップのオーバーテイクは2023のベストオーバーテイクの1つなんじゃないかと思いました。レース前は色々言われていましたしサインツのペナルティはいまだに全く納得できませんが、素晴らしいバトルもあったと思います。

フェルスタッペンは次のシーズンまでにボイトレを受けるんですかね?(?

アブダビGP決勝の角田レースリーダー&ドライバーオブザデイ

1ストップ戦略に出た角田が一時的にレースリーダーに躍り出た姿は日本人全員が燃えたんじゃないでしょうか。ドライバーオブザデイに選ばれたのも納得です。最終ラップでハミルトンのミスを見逃さずすぐに抜き返したのも熱かったです。

Gran Turismo 7 World Seriesでのスペインの圧倒的な強さ

8月のShow Down、12月のファイナルいずれのNations Cupもスペインが圧倒的に強くてびっくりしちゃいました。Serrano、Lopez、Urraのチームはちょっとどうしようも無かったですね。速い。

日本勢は先日FIA F4でシーズンのチャンピオンを決めた小林利徠斗さん、GT7の国体を制した鈴木聖弥さんの活躍で見事2位という結果でしたが佐々木拓真さんの活躍も見たかった…!

あと個人的にブラジルのIgor Fragaさんも応援してたんですが素晴らしい走りでした。Super Formula Lightsでもシーズン4位で終えていて実車でも強いのは本当にかっこいいです。バルセロナで走った直後の週にはもう鈴鹿でSuper Formulaのテスト走行に参加されてて体力どうなっとるんや??と思ったりしました。

GT Cupでの國分涼汰さんは中盤単独走行できてタイムを稼げたのでめっちゃワクワクしたんですが、最後のペナルティさえなければ勝ててたかもしれませんね。でも翌日のManufacturers CupではNissanで優勝されてて、強さをひしひしと感じました。

宮園拓真さんはGT CupでSerranoとUrraが2本目のソフトに履き替えている間に二人の前に出られていれば…とちょっと思ったのでした。そういうタイヤストラテジーのハマるハマらないが見ていて本当に面白いポイントですね。

映画Gran Turismo

GT Academyのことはなんとなく過去にそういう試みがあった、程度の知識しかなかったので映画で観るのを非常に楽しみにしていました。公開初日に岡君と観に行ってきて、とっても楽しかったです。エンタメ映画としては。

  • シルバーストンの映像をハンガロリンクで撮っていた

  • サルトサーキットもハンガロリンクで撮影

  • ルマン2017で小林可夢偉がLMP1で予選で出したコースレコードと同タイムをヤンがレース中にLMP2で出す

といった具合に現実には起こり得ないことがいっぱい起こっていたので、それを「演出の範疇」で済ませられるかどうかがこの映画を楽しめるか否かを分けるポイントでしょう。済ませられなかった人の間ではびっくりするほど酷評されている印象です。僕はどちらかというと笑って流せない側の人間でした。

実在しない人物が脚本の都合上追加されていたり、ニュル北の事故とルマンの表彰台が実際には順番が逆だったりもするのですが、そういうのは演出の範囲だと思います。

MFゴースト

なんというか平成序盤のノリ(主にセクハラ的な意味で)をそっくりそのまま現代まで持ってきたアニメで、これが今修正されず映像化されていることに謎の新鮮味があります。イニDのキャラに関する話が出てくるだけでちょっとグッときてしまうので二期も楽しみです。曲も最高ですね。

オーバーテイク!

これはなんとも考えさせられる作品でした。責任感を持って取材をしながら作った作品は、その対象を愛する人から厳しい目で見られてしまいます。ものすごく真摯に下調べしてアニメを作ったことが感じられるからこそ、モータースポーツが好きな人の目線では致命的な違和感や現実的でない点、勉強不足な点が目立ってしまって楽しめなかったんじゃないかなと。ギタリストがギターの絵を見た時に素直に楽しめないのと同じです。映画Gran Turismoもそうでしたが「元々好きな人が作っている」というのが思ったよりも重要な要素なのです。

ただ、オーバーテイク!を見てF4に興味を持った人がいたとしたらその人はF4を心の底から楽しめたんじゃないかと思います。なぜなら当然のことながら実際のF4の方が見ていて面白いからです。モータースポーツファンの獲得に繋がっていたとしたら、このアニメはとても意義深い作品だったと言えると思います。

ただ早月君のクラッシュは、スパのユベールとファントホフの死亡事故へのリスペクトが少々足りないように感じられて悲しかったです。

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