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[日刊]予想通りYCC修正観測後退 / 国内インバウンド需要は想像異常の回復

7月19日(水)の東京株式市場は前日夜の植田日銀総裁による発言を受けて続伸した。

植田総裁はG20の会議後のインタビューで物価目標達成には「まだ距離がある」という「前提が変わらない限り、全体のストーリーは不変だ」と語った。これを受けて、連日経済メディアで煽られていた謎のYCC修正観測が後退した。

これに関してはTwitterでもnoteでも繰り返し書いてきたので、そちらをご覧頂きたい。


国内インバウンド需要は順調に回復中

観光庁が6月の訪日客を発表し、207万人に達してコロナ禍前の7割を越えたことがわかった。

スーパー以外では週に1度程度しか外に出ない私ですら、街中に外国人が増えてきたのを実感するぐらい最近は外人さんをよく見かける。リベンジ消費に加えて、円安による日本への旅行は増えており、輸入物価が高まることと引き換えに経済へはプラスの効果も大きく与えているようだ。

同じ統計データでは訪日客1人あたりの旅行支出が2019年6月と比較して+32%の20万5,000円と発表されている。

1人あたりの消費額が増えているため、訪日客数が7割を越えたところでも消費総額の減少幅は同期比で-4.9%に留まっている。あと数ヶ月もすれば消費総額ではコロナ禍前を上回るかもしれない。

派遣時給が上がり、日銀目標にはプラス

エン・ジャパンが発表した6月のデータによると、派遣社員の防臭時の平均時給が三大都市圏で前年同期比+3.5%となり2ヶ月連続で過去最高を更新したとのこと。

正規雇用社員だけでなく、派遣社員にも賃金上昇は浸透しつつあり、アルバイトも含めて全体的な賃金の底上げが期待されている。

日銀の目標は賃金上昇を伴う2%のインフレであるから、こうした流れは好感されるだろう。ただ、どこもかしこも賃上げ、コスト吸収のために商品値上げ、さらに賃上げ、値上げ、と歯止めがかからない可能性もあるので、過熱感がないかは今後注視されていくべきだろう。

マイクロソフトが企業向けAIチャットサービスのプレビュー版提供開始&メタと生成AIで提携

マイクロソフトはAIチャットサービスのBing Chatの企業向け版のプレビューを開始したと同時に、メタと生成AIで提携を発表した。

企業向けということで、これまで懸念されていたデータの取扱をしつこく、これでもかというぐらいにアピールしているようだ。入力されたデータは学習に使わないし、保存もしないので安心して企業が使えるよ、とのことだ。個人ユーザーでも月額5ドルから利用可能とのことで、まずは普及させるためにかなり抑えた価格になっている印象を受けた。

月額5ドルでスタートし、AIチャット無しでは業務効率が下がってしまうぐらいに浸透した段階で値上げするのだろう。

マイクロソフトの株価はこれらサービス郡の詳細とメタとの提携発表後に終値ベースで前日比+4%、上場来最高値を更新している。

ニュース一覧

円、一時139円台に下落 日銀のYCC7月修正観測後退で

18日にインドで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で日銀の植田和男総裁が長短金利操作の早期修正に否定的な姿勢を示したと市場が受け止めたためだ。国内債券市場でも、金利に低下(価格は上昇)圧力がかかっている。

植田総裁は「(持続的・安定的な2%の物価目標達成には)まだ距離があるという認識がこれまであった」と述べた上で、「前提が変わらない限り、全体のストーリーは不変だ」と語った。

QUICKが発表した7月の外国為替市場調査によると、回答者の7割が7月会合での「修正無し」を予想する。

ドル・円は138円台後半、植田日銀総裁の発言で政策修正観測が弱まる

日銀総裁、緩和継続の前提「毎回の会合でチェックする」

持続的・安定的な2%の物価目標の達成には「まだ距離があるという認識がこれまであり、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)のもとで粘り強く金融緩和を進めてきた」と語った。

YCC見直しの必要性には直接、言及せず、緩和姿勢の前提や見通しに変化がないか「毎回の金融政策決定会合でチェックする」と述べるにとどめた。

メタ、生成AIでMicrosoftと提携 クラウドで外部提供

メタはマイクロソフトを優先パートナーと位置づけ、同社のクラウド「アジュール」を通じて生成AIの基盤技術「Llama(ラージ・ランゲージ・モデル・メタ・AI)2」を企業に提供する。

企業はメタの基盤技術を商用利用できるようになる。

マイクロソフト、企業向け「Bing Chat Enterprise」プレビュー開始、個人ユーザーも月額5ドルで利用可能。

AIチャットサービス「Bing Chat」の企業向けとなる「Bing Chat Enterprise」プレビュー版の提供開始を発表しました。

Bing Chat Enterpriseは、従来のBing Chatと同様に自然言語での質問に対してAIがテキストやグラフ、チャート、画像などで回答してくれるサービスです。

ただしBing Chat Enterpriseでは、入力されたデータやAIによる回答は保護され組織外に出ないことが約束されます。

マイクロソフト株上昇の勢い、市場予想もナスダック100も追い付けず

同社は18日、幾つかの人工知能(AI)サービス価格の詳細を発表。株価が一時6%を超える上昇となった。

マイクロソフト株は4%高の359.49ドルで同日の取引を終え、終値ベースの上場来高値を更新。アナリストの平均目標株価(353.60ドル)を上回る水準となっている。

米銀大手の決算、投資銀行業務で復活の兆し-M&Aは依然として低迷

バンク・オブ・アメリカ(BofA)、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース、シティグループの4行が発表した第2四半期(4-6月)決算では、株式引き受け収入がいずれも市場予想を上回り、シティを除きすべて前年同期比でプラスを確保した。債券引き受け収入でも、同じくシティを除き全行が予想を上回った。

モルガン・スタンレーのシャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)は18日のインタビューで、「状況は好転しつつあり、明るい兆しが見受けられる」と指摘。案件が積み上がっており、「より良い2024年に向けた下地が整いつつある」と述べた。

【コラム】「起きなかった」が重要、軟着陸に四つの仮説-エラリアン

米国経済のソフトランディングに必要な4つの仮説

インフレ率は今後一貫して直線的な低下が続く
連邦準備制度は今月より後は利上げを停止し、利下げに転じることで、リセッションを引き起こしかねない過度な引き締めを確実に回避する
タイムラグを伴う利上げ効果を吸収できる十分な強靱(きょうじん)さを米経済は備えている
銀行とNBFIのバランスシートは十分健全であり、手の届く借り換え手段を確保している

6月の英消費者物価、2か月ぶり鈍化 ガソリン代が下落

6月の消費者物価指数は前年同月比7.9%上昇した。伸び率は2か月ぶりに鈍化し、前月比0.8ポイント下がった。

ガソリン代や食料品といったモノの価格が抑えられた。賃金とサービス価格の上昇によるしつこいインフレへの懸念は根強く残っている。

英6月インフレ率7.9%、1年余りで最も低い-金利ピーク6%割れ観測(Bloomberg)

英国の6月の消費者物価指数( CPI)は前年同月比7.9%上昇した。ブルームバーグが調査したエコノミストの予想(8.2%)を下回り、過去1年余りで最も低い伸びとなった。5月は8.7%だった。金利上昇の影響で、主要7カ国(G7)の物価と賃金のスパイラル的上昇が抑制されつつある兆しと受け取れる。

6月の訪日客207万人 初のコロナ前比7割超え

6月は新型コロナウイルス禍前の水準の7割を初めて超え207万人だった。1人当たり旅行支出は2019年を上回り、消費総額の減少の大部分を補った。

航空便の回復の遅れに加え、日本の人手不足で今後の急激な客数増は見込みにくい。消費単価の向上が重要になる。

国・地域別では韓国が54.5万人と最多だ。19年6月比で10.9%減った。次いで台湾が38.9万人(15.6%減)、米国が22.6万人(29.2%増)だった。

観光庁が19日発表した23年4〜6月の訪日客1人あたりの旅行支出は20万5000円(速報値)で19年同期比32%増えた。消費総額は1兆2052億円で減少幅は19年比で4.9%にとどまる。

コロナ禍前の19年1月は1ドル=108円台前後で足元では139円台。

JAL幹部「中国便需要、コロナ前の4割」 回復に遅れ

日本航空(JAL)は19日、中国と日本を結ぶ航空便の需要が新型コロナウイルス禍前の2019年時点に比べて約4割、運航数が約6割にとどまっていることを明らかにした。

主要20社営業益、円安が支え 4〜6月3600億円押し上げ

日本経済新聞が主な輸出企業20社(自動車7社、精密7社、電機3社、重工・機械3社)を対象に対ドル、対ユーロの円安影響を試算したところ、4〜6月期の営業利益で3584億円の押し上げが見込めることが分かった。
増益影響額は20社の24年3月期の予想営業利益合計の4%に相当する。

6月の派遣時給、6職種で最高 通訳など上昇定着

人材サービス大手のエン・ジャパンが19日発表した6月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏(関東・東海・関西)で前年同月比57円(3.5%)高い1671円だった。2カ月連続で過去最高を更新した。前月比では8円(0.5%)上昇した。

ブラジル産鶏肉に供給懸念 鳥インフルで輸出交渉中断

主要産地であるブラジルのサンタカタリナ州で鳥インフルエンザが発生、農林水産省が18日に同州からの輸入停止措置を発表した。

日本が輸入する鶏肉の7割はブラジル産。このうち4割ほどがサンタカタリナ州で生産した鶏肉とみられる。

ゴールドマン、4-6月利益急減-投資銀不調や不動産評価損で

ゴールドマン・サックス・グループの4-6月(第2四半期)は利益が急減し、デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)の下で最も低収益率の四半期となった。
収入は8%減の109億ドル、アナリスト予想は105億ドル

米住宅着工件数、6月は年換算143.4万戸に減少-予想を下回る

6月の米住宅着工件数は年率換算143万4000戸に減少。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は148万戸だった。前月は155万9000戸(速報値163万1000戸)に下方修正された。

それではまた明日!

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