見出し画像

青トロン、始めました

お久しぶりです、アド兄です。
前回の記事を書き終えてからもメタに対応させマイナーチェンジを繰り返した【ブルームーン】を使いつづけ、再びモダンリーグで5-0を達成できました。

また、The Last Sun予選では、自分のnoteを参考にしてくださったブルームーン使いの方とミラーになった後、二人ともSE抜けを果たす非常にうれしい出来事がありました。この結果は構築思想が認められたことを示しており、自分の中でブルームーンの調整に一区切りついたな、と感じさせられました。


そこで、これを機にブルームーンとは違うデッキを回したいと思い目をつけたデッキが【青トロン】でした。このデッキは数あるトロン系デッキの中でも自分が好きなカウンター呪文を軸に構成されている非常にCoolなデッキ…。
何より普段土地コンボを狩る側の人間だったため、血染めの月に強い土地コンボデッキという点に強く惹かれました。

この記事ではそんな魅力的な青トロンについて紹介すると共に、現在使用しているリストができるまでの調整を紹介していきたいと思います。未だ使い始めて1か月も経っていないですが、これから青トロンを使う方の参考になれば幸いです。

1.現在主流な青トロンのリスト

デッキリストを練るにあたって先ずは天下のMTG Wiki様の力を借り、青トロンがどのようなデッキなのかを調べてみることにした。

青単トロン
(Mono-Blue Urzatron)は、ウルザランドによる大量マナを利用した青単コントロールデッキ
系のウルザトロン土地サーチによって3種類のウルザランドを揃えるのに対し、こちらはコントロール性を高めることでゲームを長引かせ、ドロー占術呪文によって自然に揃うのを待つ。----------MTG Wikiより引用

一般的に青トロンはこのように定義されているが、最近勝っているリストを見ていると大きく二つの型に分かれているように感じた。

・重コントロール型

 Modern Preliminary 3-1 2022/12/15 プレイヤー:KEGGERS

一つ目は除去や妨害手段を大量に詰み、少数の決定的なフィニッシャーでゲームに蓋をする重コントロール型だ。
Wikiの定義通りの模範的な青トロンと言えるだろう。
この型はメインボードからはらわた撃ちや次元の歪曲まで採用されていることが特徴的で、現モダン環境で幅を利かせているラガバンやドラゴンの怒りの媒介者をなどの低マナ域を強く意識していることがうかがえる。

定着 ≒ 死

また知識の渇望が4枚採用されており、これらの限定的で腐りやすいカードを新鮮な手札にリフレッシュすることができる。
このカードの存在により完全に腐るマッチが少なからず存在する、虚空の杯や大祖始の遺産などのメタカードをメインから採用できることも見逃せない。Tier1デッキであるカウンターモンキーや続唱デッキに対し強烈に刺さるカードであり、これらをカーンやトレイリア西部でサーチしつつカウンターで守れるのは青トロンならではの強みだ。

加えて重コントロール型のほとんどがメインから約束された終末、エムラクールを採用していることも印象に残る。青トロンはフィニッシャーのマナコストが総じて重いことから、いくらビッグマナコントロールデッキと言えどダブルアクションが取りづらくなり打ち消し呪文に弱くなってしまう。
おそらくこのことから唱えた時に誘発するエムラクールを採用しているのではないかと推察した。

絶対的フィニッシャー

重コントロール型の特徴をまとめると、
①軽量除去
②メインからメタカード
③唱えた時誘発がある絶対的なフィニッシャー
の3点が挙げられる。

・難題型

Modern League 5-0 2022/9/16 プレイヤー:Trellon

二つ目は難題の予見者を重視している型だ。
先ほどの型と大きく違い、メインに隔離するタイタンやウギンなどの6マナ以上のフィニッシャーが少なく、その代わりに難題や敏捷な妨害術師などの軽量で展開できるクロックが採用されている。
特に難題の予見者は4枚採用されており、エルドラージの寺院まで入っていることから確実にキーカード。

スタン時代お世話になりました

難題の予見者はフレキシブルな役割を担う。
青トロンは最速でトロンの完成を目指すことは少なく、2ターン目に島をセットし妨害を構えながら4ターン目に8マナを目指す展開が多い。難題の予見者はこのような展開をとった際に、カーンとのダブルアクションを取ったり、打消しを構えながらとりあえず出せる脅威として優秀だ。
現在モダンでは独創力やアミュレットタイタンなどフルタップで返すと手痛い反撃を受けるデッキが少なからず存在しており、対コンボデッキ耐性は重コントロール型にはない強みだと感じる。これらのデッキはサイド後、夏の帳や魂の洞窟を経由させるなどの打消し対策を過剰に取ってくるのでコントロールしきれないことが多い。
だが、4マナと軽量かつハンデスができる難題ならば減速させつつ攻めに転じることができる(無色のハンデスなので夏の帳にひっかからないのほんと偉い)。
また重コントロール型のフィニッシャー陣と違い4マナと軽いため、相手が土地に触ってきてトロンが成立しない展開でも出しやすい。むしろ土地に触るマナを使っている分相手側がテンポロスしており、難題を処理しきれず殴り勝ってしまう場合もある。

妨害呪文に目を向けると、メタカードはメインボードになく火+氷や呪文貫きなど丸いカードに置き換わっている。カーンの枚数も2枚と少なく、コントロールしきって勝つというよりはテンポを稼いでライフを削り切るというデッキコンセプトだと感じた。

難題型の特徴をまとめると
①軽めのクロック
②メタカードなしの丸い妨害
の2点が挙げられる。

2.青トロンの骨子

これらの二つの型でも共通しているカードは青トロンの骨子だと考え、リストを作成する際には枚数を大きく変更しないようにした。

・トロン探し

キープ基準

土地デッキ御用達の一枚。特に語ることがないほど強力な一枚であるが、青トロンは全力でトロンを揃えに行くわけではないので各種ユーティリティーランドをサーチすることも多い。例えばハンマータイムにはトロンを揃えるより爆発域を持ってくる方がより生き延びれるだろう。
いつ引いても強いので4枚採用。

・盤面への干渉

クリコマおじさん「これはクリコマ!」

撤廃は非土地ならば広く触れることができる非常に優秀なカードだ。
特にマナコストが低いパーマネントを対象にする時に強く、ウルザの物語から出てくる構築物トークンや衝撃の足音のサイトークンなどのトークンに強い。これらのカードがカード2枚分の働きをするため、通常の除去ではアド損してしまうが撤廃は1ドローが付いているためアド損なしで対処できる。
近年は母聖樹によるアーティファクト破壊が多く、打消しだけでは守り切れないことがあるため自身のヘイト置物を守るのにも一役買う。
また、青トロンの血染めの月を恐れなくていいという強みを担っているカードなので4枚採用。

バーン戦でキレる

青単でも1マナで除去できる貴重な手段。タフ5まで見れるカードはこれしかないので涙ながらに使う…。
できれば除去は4枚ほど採用したいが余りにもライフが痛いので2枚採用。
リストによっては黒マナが出る土地を入れ安定して3枚撃てるようにしているがマナベースの安定を優先したかった。

・打消し

使ってるの青トロンくらいじゃない…?

占術2でその時足りていないカードを探しに行きつつ相手の減速を狙える青トロンのためにあるような呪文。Xマナ要求が後手に弱いだけでなく、ラガバンが定着している状況ではチリ紙程の価値もなくなってしまうため枚数は抑えたい。
しかし、検閲や魔力の乱れのように1マナ要求のスペルはデッキに入っているという情報だけで、1マナ残して動くか否かというように相手のプレイングに影響を与えることができる。このことから2枚のみ採用した。

一番好きなカウンター

差し戻しも卑下と同様にライブラリーを掘り進めながら減速させることができる。打ち消しているわけではないのであくまでも時間稼ぎにしかならないが、逆に自分の呪文に撃つことで相手の打消しを避けながらアドを稼げる。
また競合枠の卑下をプレイする難しい点として、Xの値が相手の呪文に左右されるので、裏目を恐れてこちらの動きを取りづらいというものがある。

地図を出してX=1の卑下を構える? or X=2の卑下を構える?

差し戻しはいつでも2マナを構えるだけでいいので割り切ったプレイをしやすく、続唱にも強いため4枚採用した。

・フィニッシャー

最も使いこなすの難しいPWでは??

単色の対応力を爆上げした最強格のPW。盤面を返したり、メタカードを持ってきたり相手のデッキに合わせたフィニッシャーになれるすごいやつ。
緑トロンやエルトロと違い、不思議なことに青トロンの多くのリストでは4枚採用されていない。これに関しては自分も経験が浅くほんとになんでなのかわかりません(解説とは…?)。
しかし、カーンボードを作っておきながら2枚はもったいないので3枚採用した。
このカードだけで記事が一本書けそうなのでこの場では簡単な説明にさせていただきます。

これがやりたくて青トロンやってるまである

精神隷属器を使えることこそ青トロンのアイデンティティーといってもいいほどにデッキの核。不可能を可能にするカード。
アカデミーの廃墟とは強烈なシナジーを形成し、マナさえあれば相手のターンを奪い続けることができる。どれだけ押されていてもこのカードから一発逆転があるので最後まであきらめずプレイしよう。
コンボだけでなく純粋なエクストラターンとして用いたり、相手のカードでプレミをしまくり圧倒的なアドバンテージ差をつけることができる。
ここまでべた褒めしたがマナがなければかなり使いづらいカードなのでメインに1枚、カーンで持ってくるようにサイドに1枚採用した。

3.作成したリスト

上記の青トロンの骨子を踏まえたうえで自分オリジナルのリストを作っていった。コンセプトは重コントロール型と難題型の良いとこ取りだ。
最初はマジックオンライン上で重コントロール型に近い青トロンをプレイしていたのだが、青白コントロールのようなどっしり腰を据えてプレイすることが多くブルームーン使いにとって非常に苦しかった。しかし、大型フィニッシャー一枚のパワーの高さに圧倒される展開も多く、普段瞬唱でぺちぺち殴って勝っているプレイヤーの脳みそを焼き切った。
そこで、従来の大型フィニッシャーを搭載しつつ、難題型のテンポの良さを取り入れた攻めも受けもできる青トロンの調整に移ることになった。
そして完成したリストがこれだ。

軽量の妨害やメインからのメタカードはそのままに、大型フィニッシャーを選抜し空いた枠に難題の予見者をぶち込んだ。
以下に調整したカードについて書いていく。

・街並みの地ならし屋

カーンからサーチできるウラモグ、と言っても過言ではない化け物生物。重コントロール型のエムラの枠とウギンの枠を一つにしてくれたカードでこの存在によって難題を入れる枠ができた。
エムラクールのような唱えてた時誘発なことに加えて、蘇生も持っているので打消しに非常に強い。特に濁浪の執政の返し手段としてこれ以上のものはない。
カウンターモンキー以外の環境デッキにも光るものがあり、蘇生と攻撃時誘発のおかげで残虐の執政官とメンコになってもいい勝負ができたり、青白コンや5Cカスケードの主要な除去である束縛の力戦を唱えただけで割ってくれる。特に難題の予見者に力戦を吐かせてからの地ならし屋はよくやる動きだ。
カーンからも持ってきたいのでメインとサイドに一枚ずつ採用した。

・精霊龍、ウギン

コントロールという側面でも盤面を一掃できるカードが欲しかったが、難題の予見者を採用したことから忘却石などの純粋な全除去を扱いづらくなり採用した。-X能力では無色は追放されないため、自クリーチャーのみを盤面に残すことができる。
代わりに忘却石はサイドに落としカーンボードとした。

・大祖始の遺産

メインからのメタカード枠として大祖始の遺産のみを採用した。墓地デッキを見るという点も大きいが、難題の予見者を採用したことによって腐っていた邪悪な熱気が当たることを恐れたので昂揚を妨害するために採用した。

このリストを大会に持ちこんだ結果、なんと人生で初の優勝を達成できそのポテンシャルの高さを示すことができた。

まだまだ調整できる点や課題も多く残っているので、今年はこれからも青トロンを調整していきたい。なにより青トロンは毎回ぎりぎりの戦いになり、非常にエキサイティングでドラマチックな戦いを楽しむことができる。実際、この大会でのSEはオーディエンス込みで盛り上がる名勝負ができたと感じた。
手に汗握る戦いを求める人はサブデッキに青トロンはいかがだろうか?

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました!
私自身、青トロン歴は短いながらもあまりにも楽しいデッキがあることに驚いたので記事にせざるをおえませんでした。
今回は現環境のサンプルリスト紹介から自身のリストの紹介にとどまりましたが、より経験を積み言語化できるようになれば主要デッキとの戦い方やサイドボード、カード一枚に焦点を当てた記事を書いていければと思っています。

では。よいお年を!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?