歯科用アマルガムの詰め物は、有毒な水銀蒸気レベルへの曝露を増加させることにより、深刻なリスクをもたらす可能性があります。2024年2月5日、『Human & Experimental Toxicology』誌に発表された論文によれば、その危険性は妊婦にとって特に有害です。従来の歯科医療に惑わされてはいけません。「銀」の詰め物をしていない人に比べ、詰め物を1つするだけで、水銀蒸気レベルへの曝露リスクが大幅に高まります。詰め物の数が多ければ多いほど、曝露量は増加し、それに伴う健康リスクも高まります。
 
●妊婦におけるアマルガムの詰め物の危険性
　無水銀医薬品の強力な提唱者であるマーク・ガイヤー博士が率いるこの研究は、2015年から2020年までの国民健康栄養調査（NHANES）のデータを掘り下げたもので、なんと166万5890人の妊婦を対象としています。
この大規模なグループのうち、606,840人の女性が少なくとも1つの歯科用アマルガムを詰めていましたが、残りの1,059,050人は詰めていませんでした。妊娠を判定するために、NHANESの摂取検査では、迅速な妊娠検査と妊娠ホルモンHCGを検出する血液検査という2段階のプロセスが用いられました。また、標準的な歯科検診でアマルガムの詰め物の有無をチェックしました。
 
　研究者たちは研究期間中、各女性が体重1kgあたり毎日どれだけの水銀にさらされているかを注意深く追跡しました。そして、これらの数値を発表された研究や4つの政府機関の規制によって概説された安全限界値と比較したのです。 結果は以下のとおりです：

- 歯科用アマルガムを詰めていた妊婦の1日尿中水銀排泄量の中央値は、アマルガムを詰めていない妊婦の約2.5倍であった。
-　歯科用アマルガムを詰めていた妊婦では、歯科用アマルガムの表面数と1日尿中水銀排泄量の間に顕著な相関があり、用量反応関係が示された。
-　歯科用アマルガムを詰めていた妊婦において、アマルガムからの1日水銀蒸気量の中央値は7.66μgと推定され、体重1kgあたりの1日水銀量は0.073μgであった。
- 驚くべきことに、全妊婦の約28％が歯科用アマルガムから、米国環境保護庁（EPA）が設定した最も制限の緩い安全基準値を超える水銀蒸気量を毎日受けており、約36％がカリフォルニア州EPAが設定した最も制限の緩い基準値を超えていた。

　歯科用アマルガムを詰めている女性は、より高いレベルの水銀にさらされており、しばしば危険なレベルに達しているのです。さらに、詰め物の数が多ければ多いほど、尿中の水銀濃度が高くなる傾向があります。

●「銀」の詰め物が妊婦と赤ちゃんにもたらすリスク
　2019年以降、出生前の水銀曝露について200以上の論文が発表されています。 すべてが完全に一致しているわけではありませんが、多くは曝露による少なくとも何らかの悪影響を示しています。 懸念されるのは、水銀が人体の2つの重要な防御線である血液脳関門と胎盤関門の両方を通過することです。また、量は少ないですが母乳も通過します。水銀への胎内曝露は、以下のような先天性水俣病を引き起こす可能性があります：

- 発作
- 眼球の調整能力の欠如
- 精神遅滞
- 平衡感覚不良
- 首の不安定
- 小頭症
- 斜視
 
　水銀への曝露は、低出生体重児や記憶力、言語、注意力、触覚処理、スピード、協調性の問題にも関係しています。

●危険なのは妊婦だけではない
　水銀がもたらす悪影響があるのは、妊婦だけではありません。アマルガム詰め物をしている人なら誰でも、症状や悪影響を経験する可能性があります。水銀にさらされる可能性があるのは歯科用アマルガム詰め物だけではありません。 水銀に曝されるもう一つの可能性は、メチル水銀を含む魚を摂取することです。

●より安全な口腔衛生のために生物学的歯科医を選ぶ
　水銀曝露のリスクを下げるには、「銀」の詰め物を薦める従来の歯科医ではなく、生物学的な歯科医に変えることを検討してください。歯科医がそのリスクを認識していないのであれば、歯科医を変える時かもしれません。生物学的歯科治療では、口腔の健康と全身の健康との関連性に焦点を当て、長期的な健康増進のために徹底的な評価と治療を行います。従来の歯科医とは異なり、生物学的歯科医は安全で効果的な治療を優先し、予防ケアとウェルネス介入を重視します。

　ホリスティックな戦略には、食事、炎症の軽減、ストレスの管理、睡眠の問題への対処などがあります。妊娠中であろうとなかろうと、歯科治療で水銀に曝露されたことのある人は、生物学的歯科医を選ぶことで、さらなる曝露のリスクを最小限に抑えることができます。