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カシアではなく、シナモンを摂るべき6つの理由

 シナモンは通常「セイロンシナモン」と呼ばれ、主にスリランカ(植民地時代はセイロンと呼ばれていた)、インド、マダガスカル、ブラジル、カリブ海諸国が産地となっています。一方、カシアは「チャイニーズシナモン」「サイゴンシナモン」と呼ばれ、主にインドネシア、中国、ベトナム、日本、韓国が原産地です。

 2つのスパイスの最も重要な違いは、風味のほかに、抗凝結剤として作用する天然化合物であるクマリンの含有量にあります。問題はクマリンを大量摂取すると、肝臓障害の恐れがあることです。

セイロンシナモン:クマリンの平均含有濃度 13.7ppm
カシア:クマリンの平均含有濃度 3257.5ppm
(1ppmとは、1kgの食品から1mgのクマリンを検出すること)
BfR(ドイツ連邦リスクアセスメント研究所)が設定したクマリンの耐容一日摂取量(TDI)は、0.1mg/kg/dayです。

 この値から体重50kgの成人の1日許容量を計算すると、セイロンシナモンでは364.6g、カシアで1.5gとなります。
 
シナモンを積極的に摂取すべき6つの理由:
1. 血糖値を下げる
 シナモンは、インスリンに対する感受性を向上させることにより、2型糖尿病患者の血糖値を正常化することが示されています。これは、食後に胃が空になる速度を遅くすることで証明されています。ある研究では、ライスプディング1カップに小さじ1杯程度のシナモンを入れたものと入れないものを食べました。シナモンを加えると、胃が空っぽになる割合が37%から34.5%に遅くなり、血糖値の上昇もかなり緩やかになりました。1日に小さじ半分以下でも、2型糖尿病患者の血糖値を下げる効果があります。

2. 血中脂質組成プロファイルを良好に変化させる
 糖尿病患者は、1日1g(ティースプーン約1/3杯)のシナモンを摂取するだけで、心血管疾患に関連する危険因子を低減することもできます。
さらに2003年の米国農務省の研究では、40日間、1~6g(ティースプーン約2杯)のシナモンを摂取したところ、2型糖尿病患者は血糖値を18~29%下げることができただけでなく、中性脂肪を23~30%、LDL(「悪い」)コレステロールを7~27%、総コレステロールを12~26%低下させることに成功しています。

3. 健康な血液凝固をサポートする
 シナモンの血液凝固に寄与する血小板への影響については、多くの研究がなされています。シナモンは血液をサラサラにし、血小板の不要な凝集を防止します。抗凝固剤として非常に効果的であるため、処方された血液凝固剤を服用している患者さんは、サプリメントやエキスなど濃縮された形でシナモンを摂取しないように警告されています。カシアには血液をサラサラにするクマリンが多く含まれているため、セイロンシナモンを選ぶべきでしょう。

4. 細菌・カビを抑える
 アーユルヴェーダ医学では、古くからシナモンの抗菌性を利用して、免疫システムをサポートし、風邪やインフルエンザを予防してきました。細菌、真菌、一般的な酵母であるカンジダの増殖を止めるのに役立つことが証明されています。ある研究では、化学的な食品保存料の代替品として有効であることが示され、シナモンの精油を数滴、冷蔵保存したニンジンスープに加えるだけで、食品媒介病原体の増殖を最大60日間防ぐことができました。

5. 記憶力を高め、脳を保護する。
 シナモン風味のガムを噛んだり、甘いスパイスの香りを嗅ぐだけで、脳の活動が改善されることが分かっています。フロリダ州サラソタで開催されたChemoreception Sciences学会の2004年会議で発表されたP.Zoladz博士率いる研究では、シナモンは認知処理を促進し、コンピューターで作業する際の注意、記憶、視覚運動速度に関する被験者のスコアを改善することが判明したと結論付けています。
 2011年の研究では、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、脳腫瘍、髄膜炎など、さまざまな神経変性疾患の原因となる慢性炎症を抑える役割がある可能性が示唆されています。

6. 消化器官を改善する
 伝統的な中国医学では、シナモンは鼓腸、吐き気、下痢に使用されてきました。また、果物や牛乳などの乳製品を消化する体の能力を向上させると考えられています。

追記:
 シナモンと蜂蜜をいっしょに摂ると、心臓に良い作用をもたらすことが証明されています。

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