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ファイザー製薬の偽レンネットが無許可でチーズに混入

 チーズを堪能することは、乳糖不耐症でなければ、人生のシンプルな楽しみのひとつと言えます。ヘルシーな脂肪とタンパク質が豊富なチーズのおいしさは、多様な種類と風味に及んでいます。

 伝統的なチーズ作りは何千年も前から存在し、乳製品とレンネット(羊などの反芻動物の胃から採れる一連の酵素)が使用されています。しかし最近では、数種類の合成レンネットがチーズ製造に非常によく使われるようになり、少なくともアメリカでは、ほとんどの市販チーズがこれらの非動物性レンネットで作られているのです。これらの非動物性レンネットは、しっかりと検査されていないという事実に加え、アメリカの食品包装基準では、これらの化学物質の存在について消費者に警告することをチーズメーカーに義務づけていません。
 
●合成レンネットに関わる問題
 何千年もの間、レンネットに含まれる酵素はチーズ作りに欠かせないものでした。 レンネットは牛乳をタンパク質と脂肪に分離し、チーズの生成と牛乳の寿命を延ばす働きをします。つまり、私たちが栄養価の高いチーズを楽しめるのは、牛乳が最初に処理されてから数ヶ月後のことであり、すべては動物性レンネットのおかげなのです。

 しかし、動物愛護団体からの圧力などにより、合成レンネットは、特にここ20年で、はるかに一般的になりました。これらの異なる製法で作られたチーズは一見見分けがつかないかもしれませんが、動物性レンネットで作られたチーズとは驚くほど異なるのです。残念なことに、アメリカ食品医薬品局(FDA)の基準では、チーズメーカーに対し、その食品に合成レンネットが含まれていることをパッケージで消費者に警告することを義務づけていません。

 合成レンネットにはいくつかの種類がありますが、最も一般的なものは遺伝子組み換え作物(GMO)です。ファイザー社は、キモシン(チーズの生成に役立つレンネットの化学物質)を生成する動物から細胞材料を抽出し、バクテリアに導入した最初の企業です。これは遺伝子組み換え作物がチーズに含まれているだけでなく、このプロセスによって、私たちが通常遭遇しないような細菌が食品に加えられていることを意味します。

 加えて、この新しいチーズ製造法は、人間の反応という点ではほとんどテストされていません。チーズは1980年代まで同じ方法で作られていましたが、1990年代にはこの遺伝子組み換えバクテリアを使ったバイオエンジニアリング・チーズが盛んに作られるようになりました。この新しいチーズはアメリカのスーパーマーケットでどこにでも売られるようになりましたが、それがアメリカ人にどのような影響を与えるかについての研究はありません。
 
●チーズを選ぶときのポイント
 遺伝子組み換え作物は避けるには、いくつかの選択肢があります。ひとつは、天然の動物性レンネットと有機栽培の原材料のみを使用している地元の乳業業者からチーズを買うことです。他国からの輸入チーズに遺伝子組み換え合成レンネットが含まれている可能性ははるかに低いですが、それでも可能性はあるので、ラベルの記載事項をよく見る必要があります。

 地元産や輸入チーズが見つからない場合は、オーガニック・チーズを専門に扱い、自宅まで発送してくれる小売店をオンラインで探すのも良いでしょう。
 

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