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思春期の脳震盪とメンタルヘルス、そして自殺との驚くべき関係

 若い頃にスポーツをしていた人は、気づかないうちに脳震盪を起こしていた可能性があります。ポップフライを追いかけているときにチームメイトの外野手と衝突しただけでも、脳震盪を起こす可能性があります。

 少し前までは、青少年のアスリートは頭部に衝撃を受けた後のめまいを軽視し、すぐに試合に復帰することが多いものでした。2000年代以前は脳震盪は深刻に捉えられていませんでしたが、脳震盪が心身の健康に大きな影響を与えることは明らかです。Journal of Athletic Training誌に掲載された最近の研究では、思春期の脳震盪と、自殺のリスクを含むメンタルヘルスの悪化との間に明確な関連性があることが強調されています。
 
●青少年の脳震盪に対する見方を変えるかもしれない研究
 詳細な検証を行うため、本研究では、全国青少年リスク行動監視システムに積極的に情報を提供した17,400人の参加者から得られた広範なデータを分析しました。 この包括的な分析は、2017年から2019年にかけて行われたものです。 研究の主任を務めたのは、この分野の第一人者であるジェイコブ・ケイ氏(Jacob Kay)です。

 この研究結果では、脳損傷とメンタルヘルスとの間に確立された関係が再確認されただけではありません。 画期的な発見は、人生の重要な形成期に脳震盪がどのように影響し、対処するかについて、性別によって微妙な違いがあることを明らかにしたことです。 このことは、より広範な相関関係についての理解を深めるだけでなく、性別によって生じる特定の力学に光を当てるものです。

●思春期の脳震盪の影響は予想以上に大きい
 上記の研究によると、10代の若者、特に10代の男性は脳震盪後の自殺リスクが高くなります。 何度も脳震盪を起こした者は、他の少年に比べて自殺を試みる可能性が2倍高かったのです。

 研究者たちは、脳震盪を起こしてから1年後に自殺を考えたり、自殺未遂を起こしたりする可能性は、男子の方がはるかに高いことを明らかにしています。

 上記の所見は、女性に関する所見と並べるとさらに気になります。 女性が自殺を計画したり未遂したりする可能性は、脳震盪の既往歴が異なっても同様でした。 しかし研究チームは、なぜ男女間で脳震盪後の反応に違いがあるのかについては不明であると述べています。 おそらく、脳震盪に対する反応の違いは、男性特有の衝動性に起因していると考えられます。
 
●脳震盪のリスクを最小限に抑える効果的な方法 
 スポーツを長時間続けていると、どうしても頭部への接触が避けられない状況になりますが、 しかし、脳震盪のリスクを軽減する一つの方法は、ゴルフ、テニス、ピックルボール、水泳などの非コンタクトスポーツを選ぶことです。

 またコンタクトスポーツでは、保護用ヘッドギアを使用し、頭部外傷の可能性を減らすようにしましょう。 頭部を強打した場合は、直ちにプレーを中止してください。 さらに、めまい、錯乱、光過敏、脳震盪の兆候などの症状が現れた場合は、医師の診断を受けることをお勧めします。

 保護者の方は、お子様のヘルメットが適切にフィットし、最適な保護性能を発揮するよう、定期的にチェックしてください。 また、自動車に載せるときは、お子様の年齢とサイズに合ったチャイルドシートやブースターシートを選びましょう。
 

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