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書くのが苦手だった僕が、書く技術を身につけるためにしたこと

脳内が煮つまり、もやもやとした感情が何度も胸のと頭のあたりを往復する。書きながら、自分の文章力の無さを痛感するからだ。

正直に言うと、僕は書くのがとても苦手だった。

世の中には本当に素晴らしい文章を書き続けることができる人がたくさんいる。読めば読むほど、自分が書くことを仕事にしていること自体、正直おこがましいような気持ちでいっぱいになる。

芸術的な「名文」を書くことは僕はできない。

でも、現場でもまれてひたすら書き続けるうちに、人に情報や思いを伝えるための「書く技術」だけはどうにか身についた。

そこで、どうしたら多少なりとも書けるようになるのか、平成最後の夏に考えた。

書けるようになるため、とにかく書く

書く技術を身につけるためにするべきただ一つのことは、「書くこと」だ。これはギリギリの状況だろうがなんだろうが、書き続けてきた体験から学んだ僕の実感だ。

よく文章のトレーニングに効くと言われている、思ったことや考えていることをひたすら書いていく「ノンストップライティング」に感覚としては似ているかもしれない。

それは筋力トレーニングと一緒で、続けているうちにいつのまにか血肉となっていく。

僕の場合、仕事で毎日締め切りがあり、どうしても書かなければいけない状況に追い込まれ続けた結果、どうにか書く技術が身についた。誰かに書き方を教わったというよりも、現場で死ぬ寸前まで叩かれて、なんとか命をつないだ結果だった。

もし、書けないと悩んでいる人がいたら、いますぐ、この瞬間から書き始めるべきだ。「書けない」ということについて書くことから始めても良いと思う。

文章がなぜ書けないのかというテーマなら、同じように悩んでいる人はいるはずだし、書く過程でもしかしたら自分がなぜ書きたいと思うのか、何を書きたいのかといった棚卸しもできるかもしれないからだ。

ただ、そこから誰かに読んでもらう文章にするためにはためには、ただひたすらに書いた文章を整える必要がある。

たとえば、心の赴くままに書き続けると、以下のような文章になるだろう。

ああお腹すいた。でもどうして今日はこんなにお腹すいているのかな。わからんぞ。ああそういえば今日は早く家に帰ろうとしていたけれどもうこんな時間だ。どうしようまた今日も終電か。ああ。

この状態でも意味は通るが、引っかかりを感じるはずだ。

ただひたすらに書き続けるにしても、自分だけではなく、誰かに何かを伝えるためには、一定の日本語の作文技術が必要になる。

書いた文を整えると、下記のようになる。

ああ、お腹が空いた。

それにしても、今日はどうしてこんなにお腹が空いているのだろうか。

わからない。

そういえば、今日は早く家に帰るつもりだったけど、もうこんな時間だ。

どうしよう、今日も終電か…。

句読点を適切な場所に付与し、口語体でわかりづらい部分を言い換え、文末の感嘆を「…」で表現した。

一つ一つの技術は大したことはないが、それらを適切に使えるかどうかは、本人の作文技術の研鑽度合いによるだろう。

現場で鍛えた作文技術を紹介

書く技術を学ぶ本はたくさんある。

文章の書き方、手紙の書き方、小説の書き方、ビジネス文書の書き方…目的と用途の数だけ、文章の書き方もある。

その中で、僕がたった2冊、おすすめしたい本がある。

どちらの本も僕が書くことを仕事にしてから、実際に教科書のように読み、何か迷った時には辞書のように引いて使っている本だ。

元朝日新聞記者でジャーナリストの本多勝一氏が書いた「日本語の作文技術」(Kindle版あり)と、続編に当たる「実戦・日本語の作文技術」だ。

記者という仕事で磨かれ現場で積み上げてきた実感に裏付けされただけに、一つ一つの説明に説得力がある。

表面的な日本語の使い方ではなく、その背景や、事例を丁寧に解説している。繰り返し例文について解説しており、ひとつひとつの章で会得する日本語の技術の定着度が非常に高い。

さらに、古い本だけに、文章の難しさが逆にトレーニングになる。

たった2冊。でも、ものすごく内容が濃い本だ。

ぜひ手にとって、そして読んで、使ってほしい。



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