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(連載55)大型ゴミを服にリサイクルしてみた:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2008年

ども。 ルンナと申します。

この  note で1980年代からの自分の人生をずっと書いてる者です。

初回から、ずーーーーーーーーーーと、続きになっておりますので、はじめから順を追って、読んで頂いた方が、流れがわかりやすいのですが、なんせ、一回一回が長い、、、ので。

お忙しい方や読み返すのが面倒という方のために、今回に至るまでの成り行きを、部分的に切り取り述べさせて頂きますと。。。。


2001年くらいから、ユーズドの服=古着のリメイクをやりはじめた。

しばらくやってると、奇跡的にマネタイズ出来るようになった。

それで、パーツ再利用のアクセサリー制作もはじめ、これも好評!

↓ 

材料買い付けの時、バラバラになった工業用のパーツにも目がいくようになって

フリマで売ってる壊れた電気のパーツや工業部品を集めるようになる

そのパーツでシャンデリアやランプも、リメイクで作るようになって、

急に制作品目が増えて、もっと大量のパーツが一度に必要になってきた

いっその事、なんでもいいから、廃品をなんでも解体して、

おもしろい形のパーツを集めるようになり

ついに、地獄の解体グルーブに、ハマった!!!

こんだけ自分で盛り上がったら、なんかやらんと気がすまん性分なので、結果、大型ゴミで服を作って、ランウェイショーをやる!事にした。。。


とまあ、こんな具合いです。

こんなにたくさんのフェーズがあったので、これをまずご説明しませんと、いきなり、なんで、私が大型のゴミ漁りなどをしているのか?と?

よほど、イカれた中年女だと?

ま、そうーっちゃ〜、そうですが。苦笑

とりあえず、この流れがわかっていただいたと思うので、さっそく、ファッションショーお話にはいります。

タイトルは、

まんま「クチュール・サルベージ」

サルベージとは「廃品」って意味です。


えー、ところで、ですね。

話がやっとはじまったのに、早速、脇にそれマス。(いつもの事)


今から考えたら、、、、なんですが。

実はアレキサンダー・マックイーンも、同じような事、やってたんですよ。

これです。この彼のファッションショーのステージの真ん中に積んであるの、、、廃品ですよね?

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当時の私は、パリコレのファッション・デザイナーが何をやっていたのか?というのは、ほとんど追ってなくて、。。。アレキサンダー・マックウィーンも、もちろん名前は知っていましたが、どんなファッションショーをやってて? どんなものを作っていたのか? まったく知りませんでした。

で、ずっとずっと後になってから、いろいろと知って、

あれ? マックウィーンって、廃品やってたんだ〜〜〜?と思って、

今、ドキドキしながら、チェックしてみたら、

これは、私がやった1年後でした〜〜!!ふぅ〜〜。よかった〜〜!!苦笑 

ま、彼の場合、私より1000倍くらいのバジェットのイベントであったでしょうし、しかも、この舞台においてある廃品ゴミで、実際に服を作ったというよりも、イメージとしての、ゴミの山だったと思います。

と、私が分析するのも、おこがましいですが〜。苦笑

彼が亡くなった後、2011年にメトロポリタン博物館での展覧会を見ましたが、本当にすごかったです。大ファンになりました。

ちなみにこの展覧会を企画したのが、連載5に、登場したハロルド・コーダさんでした! 私との「奇跡の接点」があった方です!


話もどりますが、

今回は、

地獄の解体グルーブの話!


さてさて、まずは、廃品ショーに至るまでプチ過程ですが。。。

もう、最初の最初からお話いたします。

まずは、家にあるものから、、やってみよ〜〜。

と、ここからはじまった。

タダだし!!

キョロキョロ。。。。

えっと。えっと。あったあった!!

ラジカセ。。。


もういい加減に捨ててもいんじゃネ?部門

堂々 第一位!!

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もちろん、2022年の現在だと、え〜〜?ヴィンテージ!!って皆様思うかもしれませんが、この時、2008年なんで!

中途半端に古いもの。「寝かせゴロ」が遠い未来の家電の代表でありました。

よって「もったいない」「やめて」などの反対意見はゼロ。

(自分の心の中の話です)

まずはネジなどをはずして、中身をチェッック。

ほ〜、中は、こんな風になっているのね?状態。(学びモード)

適当に、外せるものははずして、服やアクセサリーにできそうな面白そうな形のものを取り出す。

そして、箱の状態になってるプラスティックの外側も、それも、ノコギリで、切り刻んで、平面に!!

イメージは1960年代のデザイナー!

パコ・ラバンヌ!!

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こんなふうにパーツに穴をあけて、つなげる。

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そしたら、こうなりましたよ。

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悪くない!!

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と、思いませんか?  


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ありがとうございます!


はい!次っ!!

そういや、ガレージに壊れた掃除機が!

捨てるの忘れてた部門

第一位!!!


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これも大型ゴミだな。

解体してみよーーー。

これも、パコ・ラバンヌ風。外側をぶっ壊して、つないだり。

これが。

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これ!

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ホースの部分は、輪切りにして、リボンでつないでみました。

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中にあった部品をとりだして、電気のコードも編んでつなげてみた。

このネックレス

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いかかでしょうか? 悪くないですよね?



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はい。ありがとうございます!!



他には〜〜〜?

キョロキョロ。。。。


夫のオタク部屋をこっそり覗いてみた。

そしたら、ものすごい量の本と埃まみれのCDの間に、大型ゴミではないが、昔の履き古したコンバースが、なぜかずっとそのまま、何足もあった。

(別にコレクターでもなんでもないのに)

聞いたら、別にもういらないし。。。。っていうので。(当然やろ)


キープしている意味がわからん部門

テッパンで第一位!!

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全部、履き古し!! 心置きなく解体!!

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そして、

ヒモの部分を切って、ボレロにアップリケ

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底のゴムの部分は鳩目でうちつけて、

サッシュ・ベルトに。

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どうですか!!??



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ありがとうございます!!


で、そうしてるうちに、この解体作業をビデオに撮影して、ファッションショーの時に上映したら、どうか?と思いたち、当時、バンドのライブなどを撮影してくれてたジェフ君に聞いたら、

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いいよ〜!と。


以下、解体場面はビデオを写メしたものをお見せします。(よって、クォリティが、イマイチですが)

まず、ゴルフのバッグ、これはスリフトで、見つけたもの。ホーガンと言うゴルフ業界のブランド品!


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女性ふたりで、家の裏庭まで持ってきたとこ。結構重いんですよ!

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ちなみに私のヘアは、もちろんズラです。この頃はズラがトレードマークで、必須だったので。



解体開始!

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底を切りとって、バッグに。

グッチに対抗!笑

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そして、ベルト

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こんなかんじですが。。。



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あ、ありがとうございます!!


お次は、撮影してくれてるジェフが、「ドライブしてたら大型のテレビが捨ててあったから、持ってきたわ!」と、予告なしに私の家に持ってきた。

え〜〜??大型のテレビぃ?

この頃のテレビは今みたいにフラットじゃなくて、箱型!!

粗大ゴミの横綱っス!!


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61.2キロ!!!!

アシスタントのアキちゃんと、運んでるとこ

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(ワタシが重い側?)


そして、解体してみた。

ネジをはずす。。。。

ブラウン管、金槌でたたいても、

ぜんぜん割れないの図!!

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すごい!!はじかれる!!!

こうなったら、落としてみよう。

えいっ!!

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ガッチャ〜〜ン!!


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やっと中身が出てきた。

ブラウン管てこんなになってたんだ〜。

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パワーツールが大好き!!!

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ここも切っちゃお〜〜〜っと。

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ずっ〜と後になって知ったんですが、こんな事やっちゃいけないらしいです。この頃のテレビって危険物?(乾電池みたいな?)

ま、ともかく、自宅の庭でやった事だし、、、。


できたのが、このブラウン管の服。

前とバックスタイル

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これは、いかがでしょうか?



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おお!ありがとうございます!!


そして、ついに本命登場!!

大型ゴミの将軍様ぁ〜!!

みなのもの〜!ズが高いっ!!

ソファ様じゃ〜〜〜!!

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高級オーラを醸し出す「イーサン・アレン」という、ハイエンドなカウチ!

これは、ですね。

家の近くを歩いてたら、大型ゴミとして、出そうとしてる人がいたんです。

で、知らない人でしたが、話かけて「これ、いらないんですか?」って聞いてみたら、

「そうなのよ。もう使わないから。」

「もらっていいですか?」

「もちろん!」

で、その場ですぐアキちゃんにすぐ電話して、駆けつけてもらって、車に無理やり積み込んで、家まで運んだ。(ソファの半分は車からはみだしていたが、同じストリートだったんで、問題なし)

ふたりで、運んでるの図

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よいしょ、よいしょ。。。

そして解体。

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布の部分をジャケットに仕立てるの図

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袖の部分には、イーサン・アレンのタグ


残りの骨格の部分は枠組みスカートに。

ショーのスナップから。

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バックスタイル

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いかがですかね?


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わぉ!ありがとうございます!!



ついでに、ボーナス特典!

もうここまでいったら、解体の極め付け!!大型ゴミだけではなくて、また、服自体も究極の解体作業をしたんですよ。


ただのこんなコート。

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これがどんだけの解体できるか?


切りきざんで、紐状態にして、

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それを今度は編んでみた。

その編み棒すらも自分で丸い棒を削って作った。こんな大きいのはなかったんで。。。。

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それを何回も洗濯して、毛羽立たせて、

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こんな繊維みたいにして、

コートに先祖回帰をしてもらったの図!

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そしてショールになった。

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この手間!!!

いったい何のために???

わかりまっしぇ〜〜〜〜ん! 

だれか、止めて!状態!!!笑

以上、ボーナス特典終わり。


ともかくこんな感じで解体しまくり、当時作っていた服のリメイクも集めて、ファッションショーをやったというわけです。

次回はいよいよショー自体のお話です!!

引き続きよろしくお願いします!!

L*


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