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(連載94)DTM:歌詞を英語で書くのは難しい?:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2018年

前回は初めて自分のバンドのアルバムを作ったというお話、そして、今回はそれに関連した楽曲作りの中の「作詞」についてです。

ちょっと本題に入る前に。。。。。

アタクシ、メノウ ルンナ と申しますが、

「何もかも自分で全部やる」というのが信条である。

ウソつき辞典より


そうじゃなくて。

「何もかも自分で全部やる」というのが信条である。

この棒線、初めて使ってみた〜



結果的に、望んでなくても、なぜか そうなってしまう。

この回顧録を書いててそう思った辞典より


この「結果、なんでも自分でやる事になってしまう」原因は、諸説あります。

  1. お金の問題 (言わずとしれた)

  2. 時間の問題 (思い立ったら、すぐやらないと嫌なタイプ)

  3. 誰からも声がかからない問題 (そこそこ社交的だが、友達が少ない)

  4. 文化的な問題(国が違うと何をするにも大変な手間をともなう)


それらを解決するのは、一つしかチョイスがなく、それが、

だったら、自分でやるわ!

です。


作詞の分野も例外ではありませんでした。
ネイティブ・スピーカーのどなたかにお願いして、作ってもらう事もできたのかもしれませんが、上記の問題で、不可能なのでした。

まあ、そういう前提(言い訳)がありまして、、、
さっそく「英語で、歌詞を書く」というお話にはいらせていただきます。


私は1988年からアメリカに住んでいますが、(なので、もう30年以上?ひえ〜)
でも、アメリカ人ではありません。
日本で生まれ、育った、(立派な)日本人であります!!

そしてこんなに長く外国に住んでいるのですが、英語は未だに苦手です。

なぜか?と言いますと。前にもここで書いたのですが。

翻訳の仕事がしたいとか、英語の教師になろうとか、英語という言語とアカデミックに向き合わないと目標が達成できない、、、という方だったら、もちろん「正しい英語」を学ぶ必要があると思います。

しかし、私の場合、言語は、ただの道具、グラマーやスペルが間違っていようが、伝わればオッケー、なんとなく相手何が言いたいのかがわかれば、十分!だったので、ある程度しか勉強してないのでした。

それに加え、ネット社会になってからは、ググったら、欲しい情報や知りたい事は、なんでも即出てきますし、日本語の方がすぐ読めて理解できるので、それに越した事はありません。
なので、それ以来、読むのは、ほとんど日本語となってしまい、英語の読解力がどんどん低下、、、、。そして、今日に至っています。

そんな英語が苦手な私、ではありましたが、音楽をやっていて、楽曲を作るのに、やりたいのは、ポップでありますから、メロディと歌詞が欲しかったんです。

どうしても。。。

もう頭の中はそれだけでいっぱいです。

だったら、さっさと、歌詞を書きちらせ!!

そんな英語が苦手とか言っとられんわけです。



こんな時、私の唯一の才能であると自負している、
自分にいいようになんでも解釈する
謎の脳内ホルモンがの爆発するのであった。

なんだかんだ言っても、たかが歌詞!!


あ、これは、決して作詞家の方をディスってるわけじゃないです。あくまで、「私が書く歌の歌詞を誰が気にするか?」って意味ですよ。

自分が書いたものが、少しくらい間違っていたって、誰が気にするでしょうか? 誰に迷惑がかかるでしょうか?

イミグレイションの提出書類や、税務所関係、病院での症状報告でもあるまいし、ちょっとくらい間違ってても、強制帰国させられるわけでもなく(それが一番怖い)お金を損するわけでもなく、生活に支障はあるわけでもなく、

ましてや、命に別状はないでしょう。

それに、自分の英語の読解力は、とてつもなく低いが、
作詞というものは別脳なような気もしてきたんです。
(錯覚かもしれんが。汗)

詩は昔から興味があった。

まず、短いし。笑


学校の成績で理数系はほとんど落第点だったが、俳句とか漢詩が好きだったので、この辺りはそこまで悪くなかった。

スカスカの文字と文字の間から何か、自分なりのものを読み取る作業。

そこには正解もないし、こうでなくちゃ、ダメだというような制限もない。

なので、自分が感じた率直な感想も言いやすかったし、それがたまたま人と違っていたら、先生からも褒められるし、自分も褒められたら嬉しかった。

英語で作詞も、それと同じような気がした。これが正解という絶対的な答えがないという意味で。

それに、英語が母国語ではないというのが、逆にユニークな感性の発露になるのではないか?とも思いました。(どんだけ自分に肯定的?笑)

日本でも、昭和生まれの方は覚えてらっしゃると思いますが、ハーフのタレントがブームの時代、アグネス・チャンとかテレサ・テンが日本語の歌を歌ったら、独特の味がでてましたよね?

その辺りが自分の居場所だと簡単に考え、母国ではない英語で作詞に全力投球!!


そして、まあ、いつものことですが。
これも、もちろん。。。。最初に述べた4つの理由で、

独学ですわ。

苦笑


やり方は、なんとなく頭に浮かぶイメージをつらつらと書いてゆき、
単語を連ねて、歌った際に発音しやすいとかも、含めて、
なので、R や L がたくさん入ってる単語は使わないようにして。笑

あと、母音のア とか オとかは、発音しやすいので、最後に伸ばす音として、意識的に入れたり。

他には、どなたかの歌詞の構成をパクって、単語のみを全部、変えるとか。笑 
名詞のところには、名詞を、動詞のところには動詞を、形容詞のところには形容詞を置いてゆけば、大きなグラマーの間違いはないでしょうし、
かえって、それが、シュールな雰囲気を醸し出すなどど、勝手に想像して。

言葉をコラージュするみたいな事は、ウイリアム・バロウズとか、デビッドボウイとかもやってた、、、。
ま、比べるのも、おこがましいですがねー。苦笑


そして、ともかく、ぐちゃぐちゃでもいいから、作ったら、一応、夫をはじめ、周りのネイティブスピーカーの人に、どう思うか、チェックしてもらった。

というのも、自分のアホみたいな間違いが、見つかって、(たとえば、三人称、単数、現在形の後には「S」をつけるとか)
もし、それをいかにも「狙ったようにみせる」んだったら、余計に
知っていないと、シャレにならんしー。苦笑


この読後感想レポートは、人それぞれで、大変興味深かったです。

夫のトッシュ(ライター)はわりと、書きたいように、無茶苦茶なグラマーでも、「歌詞なんだから、そんなに気にしなくていいよ。」というタイプ。

その真反対で、性格的に几帳面な(おそらく学校での成績もよかった)友人などもいて、そういう人は、きっちり訂正してきます。(現在、不動産業)

他動詞なのに、目的語がないとか。。。。
主語がないとか。。。。
全体の意味が通じないとか。。。笑

そして赤ペン修正してくれるのですが、
もう、たまにびっくりするくらい、歌詞の内容まで変わってる時もありました。

もともと、主語がなかったり、俳句などに慣れてる日本人文化なので、
自分的にはほとんど違和感はないのですがね。。。。


また作詞で、一番大変なのは、英語の歌詞で多くみられる「インを踏む」ってやつ。

これは、もうボキャブラリーとそれを構成するライターのセンスのみ。
ラップというのは、この分野の雲の上の金字塔、さんざんと輝いてます。
ほんとに、ヒップホップのアーティストには、超リスペクトです。

自分はただでさえ、ボキャブラリーが少ないので、言葉を探すのが大変。
インを踏んでる単語を見つけて、その発音だけで言葉を選んでも、
知らない言葉だと、あざとくなってしまって、いかにもインテリに見せたいっていうがバレバレになるし、、、。

また、使い慣れない言葉というのは、発音がしにくい、つまりリズムに乗せにくい、よって、イメージが広がりにくく、自分の歌の中の風景に溶け込まない。

かといって、いつも使ってるような言葉だと、あまりに限られるし、、、

まあ、もっと英語の本を読んで勉強しろ!ってことでしょうがねー。苦笑

それを言われたら、もうすべて、終わって思考停止になってしまいますんで。笑

前回、アルバム制作記を書きました、自分がやってるレ・ソーイング・シスターズのアルバムというのは、縫製がコンセプトのバンド。ミシンのノイズのサンプリングで曲を作っていて、歌詞の内容は全部、衣服制作やファッション、ミシンの歌。

ここまで聞くと、そういうワケわからん、、、と思われるでしょう。

こんなスタイルだし。。。笑

が、実は、これ、全体的にダンサブルでポップ!


なので、作業中のバックミュージックとして、
シャワーを浴びながら鼻歌として、
または温泉に浸かりながら、タオルを頭にのせて、

自然に口ずさむような歌!

そんな楽曲にしたい!!と思って作りました。

つまり、言ってみれば、歌詞というものが、楽曲のパースペクティブに深くかかわっておる、、、

歌詞重点アルバム!!

になる必要がありました。

さて、次回は、このシスターズの楽曲の歌詞について、お話しさせてください。

では!

L*


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