のちこれ

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最近の記事

Google Earth紀行文

☆行き先決め  今日は私とリエ(妻)の新婚旅行の行先を決める日。 前に話し合った結果、今回はダーツの旅方式を取ることに。 地図に向かってダーツの矢を投げて、当たった場所に行くというアレだ。 Amazonで注文しておいた誰が買うんだよってくらい大きな世界地図をリビングの白壁に貼りつける。 「ていうかこれ壁に矢が刺さっちゃうよね?」 盲点だった。 新築だし、こんなことで壁に傷をつけたくない。どうしようか。 「ていうかもうボールペンでよくない?」 リエの一言で急遽ボール

    • 小説 殺人権

      ある国では治安の悪さから、善行を積むと人を1人殺していいという法律ができた。善行を積んで役所に届出をして証明されれば殺人権が正式に貰える。 この法律が成立してから、見事に犯罪の数はめっきり減った。人々が合法的な殺人の為あくせくと働き、積極的に人助けをしていった。 実際に殺人権を施行して人を殺した者によると、「合法的に人の命を奪うことはSEXの何倍も気持ちがいい」らしい。 私の周りの友人もそう言っているものが数多くいた。 人々は未知の快楽に突き動かされた。 かくいう私もとう

      • 1分小説 精神科

        「次の方どうぞ」 白髪の老人が入ってきた。見たところ全くもって健康体。だがこういう人が1番危ない。精神科医として10年勤めてきたからわかる。外見に現れない分、内側に大きなものを抱えてしまうケースが多数ある。 「今日はどうされましたか?」 「…………………。」 戸惑い呆れた顔でその老人は立ち尽くしていた。 今回は相当時間がかかりそうだ。 すると、その老人は恐る恐る私を訝しげに見つめてこう言った。 「えっと、今日予約されてた高橋さんですよね?私の椅子に勝手に座らないでもらっ

        • 1分小説 拷問器具

          ある科学者が恐ろしい拷問器具を作った。 科学者は敵を恐怖に陥れ、それを誇った。 ある医者は恐ろしいウイルスを作った。 医者は世界を恐怖に陥れ、それを誇った。 ある国王は恐ろしい法律を作った。 国王は国民を恐怖に陥れ、それを誇った。 神は人を作った。 恐ろしくなった人を見て、それを嘆いた。

        Google Earth紀行文

          1分小説 検索履歴

          私はパソコンででエロサイトを見た後、検索履歴をすぐに消す癖がある。別に一人暮らしで誰に見られる心配もないが子どもの頃からの癖みたいなものだ。履歴ページを開くと、「エロ動画」の下に「物置で寝ても死なない?」「家マナー」「パジャマお借りしました。」「シャンプー無くなってたので買い足しておきました。」「お風呂先頂きました。」「冷蔵庫の麦茶頂きました。」「お邪魔します。」とあった。 その時物置からガタッと音がした。

          1分小説 検索履歴

          5行小説 盲目な小説家

          私は小説家だ。私は生まれつき目が見えない。今この文章は私の助手に書いてもらっている。私が喋ったことをそのままパソコンに打ち込んで、ぐはぁ、どうした?何だ?!やめろ!痛い首が、苦しい、んんぁやめりあ、あ、あ、あ

          5行小説 盲目な小説家

          小説 夢遊病

          2021/11/17 今日から日記をつけようと思う。わたしの普段の行動を振り返るようにと、医者から言われたからだ。今日病院に言ってわたしは夢遊病であると知った。 普段の自分なら絶対にやらないであろうことをその状態の時にはやっているらしく、最終的には「飽きた!」と言って途中で辞めて、また眠りに落ちるらしい。 最近だと奥さんに言われたのは、 会社から帰ってきてすぐに寝た私は、その後すぐ冷蔵庫をまさぐり、タッパーに入れていたご飯をレンジでチンして暖まったのを確認してから「飽きた!」

          小説 夢遊病

          1分小説 商人

          1人の商人が変化の杖というのを売っていた。「この変化の杖をかざせばなんでも好きなものに変化できるぞよ!」 旅人は言った。「じゃあそこの石ころをお金に変えて下さい」 「お金になれー!」 たちまち石ころはお金に変化した。 「こ、これはすごい!でもそんなにすごいものがあるならなぜ自分で持っておかないんですか?」 「この杖には弱点があってな。変化したものに本当の正体を言うと元に戻るのじゃ。見ておれ。」そう言うと商人は道に落ちてるお金に向かって、「石ころ!」と叫んだ。たちまちお金は石こ

          1分小説 商人

          5行小説 タイムマシン

          私はタイムマシンを完成させた。その時、10年後の未来から血まみれの私が来て「今すぐそれを壊せ!」と言って消えた。怖くなってタイムマシンを壊した。〈10年後〉私は無職で独身で毎日退屈だがこの生活に大変満足している。

          5行小説 タイムマシン