新月

月を望遠鏡で観ていた
科学好きの少年に
月が恋をした
月は月の魔力で
地上でのことは
何でも分かるのでした

月は自分の欠片を
少年への使者に遣わした

それを盗み聞きしていた
大泥棒の三代目は
月の欠片に凄い価値があると思い
使者の旅の途中
虫取り網で月の欠片を捕まえようとしたが
凄いジグザグ、急ストップを繰り返し
とても捕まえられなかったのでした
地上は月の6倍の重力があるのに
凄い運動性能だったのです

そして無事少年と会えた月の欠片は

「井戸の底に私が映る時に
 そこで私を捕まえて」  

と、月の伝言を科学好きの少年に伝えました

果たして恋は成就したのか・・・
未来の伝承は何も伝えてはいないのでした

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