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Préparation【SB-6】落雁の型 その2

年明けに、改めて合羽橋道具屋街に行く。落雁の型の新品を買うためだ。
Préparation【SB-4】で書いた中古の木型は、やはり気持ち悪いこともあり、なんとかして新品をと思い、お菓子道具の専門店で落雁の木型を取り扱っているとのことだったので、出向いた。
伺ったのはこちらの馬嶋屋菓子道具店さん。とってもいいお店。店員さんもとても親切。


Préparation【SB-4】で書いたのと同じ羽子板型で、一つの木型に複数個の穴が開いているやつが欲しかったのだが、それ自体は店に置いておらず、楽天のサイトには置いてあるとのことだった。お店で雇用している専属の型づくり職人さんがいらっしゃるそうで(日本に数名しかいないうちの○人?!)、希望の形をお伝えすると作ってくださるそう。でも当然高価なので、、、、持ち帰って考えることにした。
ふと見ると、陶器の型が売っていた。あまり売れないので、もうこの現品限りとのこと。サイトを見るとまだ販売されている。

四季で使えるようにと、1種類2個ずつあれやこれや握り込んでお会計してしまった。1万6せ・・・?しまった・・・・と思った時は時すでにお寿司。小悪魔系菓子型?小さくて1つ1つは高価ではないので、ついうっかり買いすぎないようにしないと。
形は綺麗だし、小さな模様もくっきりと出る精巧さだし、とっても素敵。その上、少量作る時はとても勝手が良い。
しかし、型から出すときに叩かないと中身がでないのは仕方がないとは言え少し大変で、小さいので木型の様に効率よく外すための衝撃を与えられず、何度も叩きつけることになる。音はうるさいわ、手は痛いわ、なので、たくさん作るときには向かない。

食材を売っている富澤商店のサイトに、落雁のレシピが掲載されているのだが、ここで使っている型も馬嶋屋さんの同じ型。このうさぎさんの型が欲しかったのだが、これはもう売り切れだった(悲しい)。
こちらの富澤さん、落雁の材料である寒梅粉もお取り扱いされているし、さらし粉なども販売されているので、かなりありがたいお店でおすすめである。


最低でも4個以上の落雁ができる分量で作業するのだが、人様に差し上げるなどする場合はもっと多く作る。同じ型で4〜5個以上抜いていると、型から綺麗に外れなくなってくる。全体が外れにくくなるだけでなく、一部が型から外れず割れてしまうなどするので、型で抜いてるうちに材料がほんの少しずつ残って表面が汚れてくるのだと思う。その時の水分量、湿度、室温など様々な条件が関わるのかと思うが。その様な時は、一度型を洗うとまた綺麗に外れるようになるのだが、作業の手を止めて、水洗いをし、からからの乾いた布巾で残さず水分を拭き取り、手も綺麗に乾かし、、、などとやってると面倒臭い上に、万が一型についた水分が乾かしきれていない場合は不具合がでるので、また水洗いからやり直すことになる。それを考えると、同じ型の型を複数個ずつ用意しておいた方が良いようにも思う。
まあ、10個以上作るなら、羽子板型の木型が圧倒的に使いやすいとは思う。3千円ぐらいの木型も売っているのだけど、材質やどこまで剥がれやすいのか?など疑問が残るので、買うなら職人さんが手がけたものが良いなと思っている。Préparation【SB-4】で書いた弁財天の木型は、微妙なカーブや深さのグラデーション、文字周りの彫りのエッジなど、見れば見るほど本当によく出来ていて、出来上がりの落雁の美しさが素晴らしい。あの型の職人技は、プロの意味そのもの。木型は、制作スピードが速いのも良いところ。
この先も出来るなら思いとどまりたいし、陶器の型を大切に使い倒したい。付喪神になるほど大切にしたいと思う。


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