ビバリウム

おはよう。

ド平日の真っ昼間から精神的にくる映画を紹介しますね!

俗に言う不条理映画なのであらすじだけではわからないと思うのですが、簡潔に言うと、新居を探しているごく普通のカップルが怪しい不動屋さんに「Yonder」という怪しい住宅街の物件を勧められ、案内されるがまま内見しているといつのまにか不動産屋はいなくなり、2人は住宅街から抜け出せなくなり、正体不明の赤子を育てさせられるっていう感じです。

どうですか?結構ワケワカメですよね?

終始「はあ、ナルホドデス」って思いながら観てました。

お化け系のホラーじゃなくて、無限ループして未来永劫抜け出せないという恐ろしさの方のホラーっぽい。

カッコウのヒナのシーンが映画の冒頭にある。
カッコウには「托卵」という習性があるみたいで、その習性がこの映画のストーリーを象徴するものだということは後々知る。
(ちなみに托卵とは、自分が産んだ卵を他の鳥に育てさせる習性のことらしい。)

仲良しカップルのジェマとトムがマイホームを探している時に不動産屋であるマーティンに出会い、そこから奇妙な物語が始まるのだが、そのマーティンとかいう奴がめちゃ不気味でシンプル怖い。

そんなマーティンが案内した住宅街が「Yonder」。
外観が全く同じの住宅が整然と並んでいて、住宅の外観はすべて淡いエメラルドグリーン。家の造りも同じ。雲の形も雲同士の間隔も同じ。全てが同じ。マグリットの世界観によく似てんなあと思ってちょっと調べてみたらやはり影響されているみたい。
奇妙だけどそれは好きな雰囲気だった。「ゴルコンダ」とか「光の帝国」を彷彿させる。
あまりに無機質な空間とか清潔が過ぎる環境は、人間らしさを忘れそうになるのかな。

光の帝国
ゴルコンダ

家を燃やしてみても元に戻り、住宅街のどこを走らせてもまた同じ場所に戻る。何が何だかわからない世界に踏み込んでしまった2人の元に、正体不明の赤子が届いて育てさせられるはめに。観てるこっちまで気が狂いそうになるくらい叫ぶ子供。子供というかもはやクソガキ。顔も声も怖いしお腹空いたら叫ぶし成長するスピードが鬼速いし、そもそもコイツ誰やねん状態で頭おかしくなりそうだった、、、

最後の方に出てくるシーンは冒頭のカッコウのシーンと通ずるものがあって、おそらく輪廻転生みたいなものがテーマなのかなと思った。

どんなふうに生きても最後は死ぬし、どんなふうに死んでも自分以外の誰かが葬る。人かもしれないし森かもしれないし海かもしれないけど。

映画の至る所で「なぜそうなる?」っていうシーンが多かったけど、それらの謎が解決されることはないので特に考える必要はないと思う。画も綺麗だし生命の連鎖を感じられて味わい深かったし、不完全燃焼感がすごい。アマプラで400円くらいで観れるのでいやーな気持ちになりたい人は是非に。

ここ数日はドラマ観てた。テセウスの船とマイファミリー。全員怪しく見える手法、さすが日曜劇場。

みんな昼何食べたん?
午後もファイトやで。
ばいばい!

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