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たったひとりのアイビーフルート

さいはてでまってる

 昔から手に対して嫌悪感のようなものがあります。
 手はとっても便利だし、わたしにとって必要不可欠な身体なのですが、無くてはならない、代替不可能であるその唯一さが重ったるくて煩わしいのです。だからといって失いたいわけではないけれど、だけど、なんだか、手という素晴らしい身体に頼って生きている自分はなんて弱いのだと、恥ずかしくなる。
 面の世界、線の世界、点の世界、次元を逆行していく夢を見るようなことだとわかっているのだけど、抵抗という抵抗に打ち勝って真摯に生きる姿はとても美しく、神々しくもある。庇護や支配の欲求ではなくて、絶対に敵わない敗北感、それが最も近い。

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