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偶像崇拝みたいだ

本日、私が出展する文学フリマの本を印刷屋に入稿した。これで後は出来上がりを待つばかりで、私としてはホッと一息を吐けるところだ。明日には出来上がる予定だ。

思えば、今日の入稿からして困難だった。自宅から徒歩十分ほどの印刷屋に製本を頼もうとしたら、「人員が足りないので受け付けられない。別の店舗へ行ってほしい」という。人手不足が問題になっているが、まさか印刷屋まで人手不足になっているとは思わなった。それなら私がその店に就職をしても良い。家から歩いて通える。そう思ったが、その場で転職をするわけにもいかないので、仕方なく別店舗へ歩いて行くことにした。その店舗から徒歩十七分。曇天模様で時折雨が降ってくるので、私は傘を差しながらえっちらおっちらと別店舗へ向かった。
途中、そっちの店舗でも人員不足で断られたりしないだろうなという不安で、電話を入れてみたら受け付けてくれるというので一安心した。

そして印刷屋へ行き製本を注文したのだが、思いもよらぬことになった。印刷代だ。予め印刷屋のホームページで値段を確認していたのだが、今回私が注文した製本方式は中綴じというもので、ホチキスで紙を止める一番お手軽なものだ。その場合、48ページ(本文44ページ、表紙4ページ)で40部を刷ると約一万二千円。それ以上のページは店舗で確認してくれ、ということになっていたのだが、私が今回入稿する本は56ページ(本文52ページ、表紙4ページ)で四十部。その場合の料金は約二万七千円。規定のページを超えると一気に跳ね上がる。私の情熱が大幅にはみ出してしまった。

しかし背に腹は代えられない。私は内心で「高ぇなー」と思ったが、それを顔に出さないどころか涼しい顔でそれでお願いをした。さらには文学フリマのブースの机で前掛けのように垂らすB1サイズのポスターも発注した。それが二千六百円。合わせて約三万円。文学フリマの出展料が約六千五百円。私の本は一冊八百円なので完売しても赤字が確定である。しかも今年の黄金週間に私は旅行へ行ってきたので余計に金欠だ。

そんなわけで、ただでさえ薄給且つ金欠の私はもやしとキャベツの日々になることも確定したのだ。思いもよらぬ強制ダイエットだ。これでは八月の私の誕生日前に餓死をしかねない。誕生日が先か、葬式が先か。これはいけない。

こうなったら新たな副業を開始しよう。私に食料ないし金銭を恵んでくれた方には徳が貯まるというのはどうだろう。徳が貯まれば貯まるほど、来世では美男美女に生まれ、裕福な生活を送れるのだ。徳が少ないとミジンコやダニなどの微生物や極小の生物に生まれ変わる。それを避けたいのなら私に寄付をする。良いアイデアだ。そして私の手形やサイン色紙などその他数多のグッズを買ってくれた者は徳が貯まるのだ。そして宗教法人とすれば税制的に優遇されるそうなので、宗教法人とする。これは富豪になれるチャンスではないか。

文学フリマで本を細々と売るよりも思わぬビッグビジネスを考案してしまった私だが、とりあえずは来週の文学フリマに全集中であり、その後はビックビジネスを展開していきたい。そしてそのビッグビジネスの過程も本にすれば、より儲かるという新たな錬金術の始まりだ。来年の今頃、私は高等遊民になっていることだろう。

その高等遊民の足掛かりとして来週の文学フリマがある。時間のある方はぜひともご来場いただきたい。ちなみに文学フリマの会場を一周すると、最低でも五冊は欲しい本が見つかるので、私のブースに来る前に散在しないでもらいたい所存だ。もし払うものがない場合は分割払いもリボ払いも受け付けよう。paypayなどの電子決済も受け付ける予定だ(これは本当)。
そんなわけで来週の文学フリマには万難を排して来て頂ければと思う。来場できないが私の本が欲しい方には取り置きもするので、Twitterで構わないので連絡をくれればと思う。
では、文学フリマでお会いしよう。


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