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はじめに

 上京して2ヶ月になる。
 温泉道の名人になってからも同じぐらいの月日が経った。こっちで名人の話をすると驚かれる。家に帰り、久々にスパポートをめくると、それぞれのお湯屋での記憶が源泉のごとく流れてくる。
 
 別府が恋しいというよりは“別府の湯”が恋しいのかもしれない。鶴見岳のふもとにのぼる湯けむりたち。街中でただよう石けんやお湯のにおい。ちょうどこの週末、別府では第108回別府八湯温泉まつりが開催されていた。例年の各地温泉の無料開放は時世柄中止となったみたいだが、3年ぶりに温泉ぶっかけまつりは復活したようだ。
 
 別府ではおよそ150ヶ所の共同温泉や宿泊施設が別府八湯温泉道に加盟している。そのうち八十八ヶ所をめぐり、「スパポート」と呼ばれるスタンプ帳に入湯記念印を集めることで晴れて「温泉名人」の称号を手にすることができる。ただし、月日が流れゆく中で次々と加盟施設が変化しているため、名人ひとりひとりの八十八ヶ所はきっとバラバラだろう。この湯上がりdiaryは、ひとつの参考例として八十八ヶ所のお湯屋の記憶を書き留める場所にしたい。ただし、あくまで個人的感想である点は大目に見ていただきたい。タイトルの先頭にある数字は実際に訪れた順番になっており、最終的にはナンバリングした状態に整えるが、基本的には記憶の鮮明度の高い場所から書き起こしていく。
 
 それでは、別府温泉につながる「道しるべ」になることを願って−。


2022年5月

追記:名人になったときに記念で作成した記録絵を載せておきます。今回の湯上がりdiaryで紹介する温泉たちはこちらのお湯屋たちです。

2022年7月

今回集めた入湯記念印 一覧


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