競馬や競輪とかの公営ギャンブルやるくらいなら、株投資をギャンブルとしてやる方が有利だと思います
私は昔、競馬や競輪が好きでした。特に競馬では2000年前後の時期に一口馬主で数頭のオーナーになっていたこともあります(勝ち上がった馬を3頭もっていました。勝ち上がりって凄いことなんですよ!)。
その経験と、最近勉強中のスキャルピングやデイトレードとを比較すると、「株投資って、最も有利なギャンブルだなー」と感じています。
そのあたりを説明したいと思います。
公営ギャンブルの還元率と税金
ギャンブルには胴元の取分があります
ギャンブルは一般的に賭けたお金の一部を胴元が取ります。
日本では、政府が公認したギャンブルしか法的に許されていないので、胴元は政府になります。
政府は各省庁に分かれているので、それぞれの省庁が胴元になっています。面白いことに、各省庁が縄張り争いしている感じに、奇麗に分かれています(昔のヤ〇ザみたい・・・。「うちのシマに勝手に入るな!」)。
競馬は動物を扱うので農水省、競艇は船なので国交省、競輪とオートは自転車とバイクなので経産省といった感じです。パチンコはグレーゾーンですが警察庁の管轄のようです(これは良いのか?)。
また、公営ギャンブルではないですが、宝くじは総務省、スポーツくじは文科省(これも良いの?文科省が胴元って・・・)、今検討中のカジノは内閣府の管轄のようです。
(うーん、ギャンブル庁でも作って一括管理した方が良いような・・・)
実は、戦後の荒廃期には遊びが少なかったので、ギャンブルが花盛りでした。そのため、胴元の上がり(収益)も良く、市町村はこぞって開催場所(競輪場や競馬場とか)を提供していました。
最近は、遊びが多様化していて地方の競輪場や競馬場では売上が足りなくて、税金での損失補填が必要になり、閉鎖されることが多くなってきました。
それでも、胴元が最も儲かるのは間違いありません。
この胴元の取分を差し引いた物を、賭けに勝った人で分けます。これを還元率とか払い戻し率と言います。どうも、宝くじ等では払い戻し率を使うことが多いみたいです(ギャンブルでは無いと言いたいのかも)。
公営ギャンブルではおおむね、還元率(払い戻し率)75%辺りが標準です。
ギャンブルでは「胴元になるのが一番!」「胴元以外は必ず損をする」と言われているのはこのためです。
最初から75%程度しか戻ってこないゲームなので、賭ける側がかなり不利なゲームです。ちなみに、海外のカジノはもっと還元率が高い(90%以上)と聞いたことがあります。
さらに税金が引かれます
ギャンブルの場合、勝つことが珍しいので、税金が問題になることは少ないです。が、大勝すると大変です。株と違ってそれまでのハズレを相殺(損益通算)できないことが多いです。一部の要件を満たすとそれまでのハズレを相殺できる判決が出ていますが、素人は結構難しいです。
なので、勝ちには税金が取られてしまいます。ギャンブルの収入は一時所得として確定申告が必要です。一時所得合計で50万円以下なら控除範囲ですが、それ以上になると大変です。
一般的には、税金を含めた最終的な還元率が50%程度になると言われています。宝くじやスポーツくじは無税なので、最終的な還元率は同レベルです(宝くじの説明に公営ギャンブルとの比較がありました。残念ながらリンク切れで参照できませんでした。)
株投資の還元率と税金
株の還元率はほぼ100%
株の場合、胴元は居ないに等しいです。一応、証券会社に手数料を払う必要がありますが、最近は手数料無料の証券会社もありますし、有料のところでも数千円/100万円程度の少額です。
net証券が解禁になる前は、ものすごい手数料を証券会社に払う必要がありました。さらに、証券会社の担当者に電話で売り買いを指示する必要がありました。チャートも自分で手書きしていたそうです(昔から株をやっていた義母から聞きました)。
私はnet証券が解禁になった2000年あたりから株を始めたのですが、その頃でも「手数料はほぼ無料だな」「家にいて自由に売り買いできるなんて、良い時代になった」と思ったものです。
いずれにせよ、還元率と言う観点ではほぼ100%です。
税金は分離課税で20.315%のみ
株の場合、分離課税が選択できて、どんなに高額の利益でも20.315%のみしかとられません。累進課税が厳しい日本において、破格の扱いだと思います。また、損益通算もできて、純粋な利益だけに税金がかかります。
さらに、NISAが拡充されてトータル1800万円(成長枠1200万円、つみたて枠600万円)まで無税です。
もう、破格の扱いだと思います。
(NISAが拡充されたので、そのうち累進課税になるか分離課税の税率UPになりそうな気がしています・・・)
株投資の利点です
株投資の利点を列挙したいと思います。
ゼロサムゲームでは無い
ギャンブルだと、胴元に取られるのでマイナスサムゲームです。
FXはほぼゼロサム(誰かが勝つと誰かが負ける)ゲームです。
一方、株の場合、長期に渡って見ると経済成長に伴って株価が上昇することがほとんど(当然マイナス時期はあります)ですので、プラスサムゲームになります。また、配当があるので、そこからもプラスサムゲームと考えることができます。まあ、スキャルピングとかだとゼロサムゲームに近いと思いますが・・・。
平日いつも開催している
ギャンブルは毎日は開催していないのがほとんどです。
競馬だと土日開催、競輪や競艇やオートだと事前に決めた開催スケジュールに沿って開催しています。通常、開催場所による特性(競馬場だと右回りか左回りか、直線長さ、馬場の癖とか)を勘案して予想する必要があります。(パチンコは毎日開催ですが、最近は勝つのが難しいそうです)
一方、株取引は祝祭日を除いた平日はほとんど開催ですし、条件も一定です。
ギャンブルとして見た場合、こんな夢のような環境はありません。
経済が解るようになる
競馬や競輪、競艇、オートの現場に行くとわかりますが、みんな必死になって検討しています。それは、恐ろしいほどです。多分、「仕事であれほど集中することは無い」と思います。
私は、競馬に行くと「知恵熱出るんじゃない!?」と言うほど疲れることが多かったです。それでいて、負けます。
ある日「仕事でこれだけ集中した方が、結果的にお金が儲かるなー」と気が付いて、競馬場から足が遠のいた記憶があります。
同様に、株をやる際には「銘柄検討」「業界検討」「政策(金利や税制)の検討」といった経済全般の検討が必要になります。
スキャルピングのような短期投資でもチャート分析や歩み値分析は必須です。
これらを一通りやるだけでも、株をやっていない場合と比べると経済がわかるようになります。
私の妻は株をやりだして数年ですが、昔はFOMCとか金利とか聞いても「それ何?美味しいの?」のレベルでしたが、今では私より詳しくなって「SQだから気をつけなきゃ」とか「あの店行列できてるねー、株公開しているかな?」となりました。
経済は知っているに越したことは無いですから、良いことだと思います。
データを見れるようになる
退職前にデータサイエンスの教育担当をやっていましたが、一番大変なのが「実データを集めること」でした。ダミーデータは沢山あるのですが、それだとどうしても実感が沸かないことが多いです。
実データは会社内でも部門外に出しにくい(社外秘が満載だったりする)ことが多いですし、データサイエンスに使うには前処理が大変だったりします。
株だと実データが沢山あり、しかも整理されたデータなのでそれを加工することも容易です。
例えばチャートで移動平均線は当たり前ですが、普通の工程管理で移動平均線を引くのは結構な専門家しかしません。データを直接プロットして傾向を見る方が多いです。
さらに、ボリンジャーバンドなんかは管理図に近い感覚ですし、MACDとか一目均衡表とかも面白いです。
また、各社の株価や業績データも入手が容易でBIツールや散布図の題材として使いやすいです。ヒートマップなんか、みなさん当たり前に使っていますし。
さらに、株だと「儲けが目の前にある」のでデータを見ることのモチベーションを高く維持できます。
ただ、機械学習の題材としては使いにくいです(人間の思惑が満載のデータなので不向きです)
私の感覚的には「株をやっている人なら、それなりのデータのまとめ方を経験している」と思っていますし、データサイエンスの教材としても適していると感じています。
株投資の欠点です
株投資の欠点も列挙しておきます。
元手が結構必要
普通に株取引しようとすると、最低でも数十万円が必要になります。(最近はS株も扱えるようになりましたが・・・)
あと、口座を開くのも結構手間です。
まあ、ギャンブルを1年くらい我慢すれば元手になる程度のお金はできますし、口座もnetギャンブル用の口座開設するのとそんなに違わなかったりしますが。
簡単に信用取引ができる
それなりに株取引していれば、信用取引できるようになります。
この制度はギャンブラーの場合、かなり危険です。
ギャンブラーが身を持ち崩すのは、「これは固い(何故か確信がある・・・)」「借金してでも買わなければ」の心理になることです。
さらに、負けが込んで来ると「負けを取り返さなければ」「これが値上がりするはずだ(根拠がかなり薄い場合が多い・・・)」「これが値上がりしない困る(もう、藁にもすがっています・・・)」となっていくことです。
信用取引の場合、最初から信用枠を設定してくれて、なおかつ2階建て(買った株を信用枠に使う)や3階建てになってしまいますので、とても危険です。追証で首が回らなくなる可能性大です。
ギャンブラーの場合、現物取引限定にしておいた方が無難です。
勉強が大変
経済が解るようになる利点の欠点の部分です。
なにしろ、対象範囲が広すぎて勉強が大変です。
一生勉強が続く可能性さえあります。
まとめと感想
株投資を公営ギャンブルと比較してみました。
株が恐ろしいほどに優遇されていると感じます。
しかも、今だとスマホで簡単にどこでも取引できるので、ギャンブラーにとって天国(ある意味地獄)な環境だと感じました。
ただ、株式投資は実際にやると、「長期投資の利点」「配当の凄さ」等を身をもって感じることができます。
私は株をやり出した時に「やっぱり資本主義は、お金持が有利なんだなー」が素直な感想でした。だって、お金預けているだけで、配当は貰えるし、株主優待は貰えるし、挙句の果てには株価まで上昇します。
ギャンブルに手を出すくらいなら、株に同額入れた方が建設的(たとえ負けても・・・)だと思っています。
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