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一人介護のライフハック③チャイルドロック

家の中に知らない機能が…

この2年私は自分の家を離れて、一人暮らしをしていた母の家に同居しています。母の家は私も育った実家でしたが、そこは駅やスーパー、病院から離れた「陸の孤島」。80歳を超え運転免許証を返上してからは不便で生活が困難になり、思い切って古家を処分し(これはこれで一大事でした)同じ校区内の駅近くに引っ越していたのです。

私にとってはあまり馴染みないマンションの部屋なので、先に住んでいた母にいろいろ教えてもらっていました。
母が元気なころは、
「デフォルトで付いていたこの機能、さすがに使わないよね」
とタカをくくっていたチャイルドロック系の機能。これが認知症になってからは「よくぞ、ついててくれました!」と大活躍したのでした。

キッチンのガスのスイッチ

最初に地域包括支援センターに飛び込んだあの日、帰ってきたらキッチンのフライパンからモクモク黒煙が出ていました。
間一髪!何度目かの冷や汗…

ここ数日、母は全く料理をしなかったのに「なぜ今?」「どうして?」急に料理をしようと思いついてしまったか。侮れないぞ、と思いつつ、ガス台を隅々までチェックすると、小さなボタンが付いていました。チャイルドロックです。

そう、目立たないこのボタンでロックオンすれば火が付かない。大事だわー。ボタンが小さすぎて認知症の母には見つけられないし、不器用になってしまった指先では扱えないところがポイント。
その時から毎回いちいちロックをかけたおかげで、火事を出さずに済んでおります~

風呂の扉のチャイルドロック

認知症になって今までできていたことができなくなってくると、「自分ができることをやらなくっちゃ」という使命感?が湧き上がってくるのか。母があれこれ思いついてチャレンジしては失敗する場面が増えてきました。

「お風呂に水をためる」というのは「自分でできると思いがちな家事」なのかも。「お湯じゃなく水をためる」「水の出しっぱなし」が頻発しました。

そこで助けになったのがユニットバスの扉のチャイルドロック。
これまた見つけにくいところに地味~に付いているんですね。
乳幼児が浴槽に落ちないための安全ロックとしての役割で知られていますが、このロックにも本当にお世話になりました~

洗面所ドアの鍵

トイレと洗面所のドアに鍵が付いています。普段は2人暮らしでいちいち鍵は使わないのでその存在すら忘れていました。母が認知症になって最初に困ったことは、空間の認知が出来なくなり、トイレの場所が分からず別の場所で用を足してしまうことでした。

普段過ごすリビングから近い場所に洗面所があるため、洗面所をトイレだと間違える率、高し。洗面所で用を足されるたびに掃除が大変で、匂いも付いてしまうので気分も落ち込みます。

このへんが介護者を感覚的に苦しめるポイントのような気がする。少なくとも私は狭い洗面所を何度も掃除するのが苦痛でした。

実は、私が洗面所に鍵が付いていることに全く気付いていなかったのです。ある日気づいたときの喜び!誰かの小さなお仕事がこんなに私を快適にしてくれる!感謝にあふれたことを思い出します。(笑)

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