見出し画像

一人介護のライフハック②鍵ボックス

まさか出張に行けない?

「その日」から2-3日後、午後から県外に1泊出張に出かけようとして、ハタと気づきました。今まで母を一人置いても何の心配もなく1-2か月に一度出張に行っていました。
「まてよ?無理だよね。夜、母を一人で置いていけない。」ご飯もトイレもお風呂も着替えも。1か月前とは全く違う生活になっていました。

出張は誰かに代わってもらおう!
ところが、よくよく考えても今回はそれができない性質の仕事でした。

なんで昨日のうちに気づかなかったんだろう?4か月前当時、突然始まった母の介護でいっぱいいっぱいで通常の思考力がなかったのか?「認知症に気づかないのは家族だけ」と医師に言われた通り、日常生活のルーティンでは異変を感じにくく、娘の私は自然に母をフォローして生活が成り立っていたように思います。いざ、家を空ける段になって困り果てて、地域の包括支援センターに飛び込みました。

地域包括支援センター

そこに存在するのは知っていましたが、初めて中に入りました。
相談員の方が担当でついてくださり、今までの経過を事細かに聞いてくれます。その相談員には後々もお世話になり続けるのですが、私と同世代でご自身もご両親の介護を担っているそうでとても親身になってくれました。

一通り、話を聞いた後、
「お母さんの認知症はかなり重い状況かと思います。仕事との両立よりデイサービス利用か施設に入るレベルでは?しかしですね、今日は土曜日で相談員が少なく、申し訳ないのですがお母さんのご様子をおうちまで見に行くことができないんです」
そこまで行政がやってくれるとも思っていなかったので、少々驚きつつ帰りました。

息子に飛行機で来てもらう?

ギリギリ間に合うか?と次男にメールしたら、「コロナになっちゃって行けないよー」と返事が。夫と長男は仕事が忙しくて動けない。オーマイガッ!

そこで時間切れだったので、母の食事や飲み物の用意をしてとりあえず出張先に向かいました。エアコンと電気も夜になったことを考えてつけおきました。私が自分でよくやった!と思うのは、玄関わきのメーターボックスに鍵を隠して家を出たことです。もし留守中に何か起きたら…との思いでした。

道中で母が親しくしているご近所のおばちゃんに相談の電話をかけましたが、なかなかつながらず。ようやく夜になって電話がつながりました。近所のおばちゃんは母の状況に驚きつつ、「明日朝一番でお母さんの様子を見に行ってあげる」と言ってくださり、少しだけ安心しました。

近所のおばちゃんに助けられる

そこで、玄関先のメーターボックスに隠してきた鍵が役に立ちました。近所の方に鍵のありかを教え家に入ってもらい、母とコンタクトを取ってもらいました。

案の定、母は洋服のまま畳の上に寝ていたそうです。ダイニングテーブルの上には私が作り置きした食事を食べてはいたけど散らかっていたとのことでした。朝のホテルで、安堵とともに「母にも近所の方にも申し訳なかった」と少し涙が出ましたが、でもこんな時、頼りになる近所の方がいてよかった、としみじみ思いました。

鍵ボックス

母は、夜中の徘徊時も家の中の決まった部屋のみをぐるぐる歩き回っていたので、鍵を開けて勝手に外に出ていくことはなかったです。外へ行ってしまう徘徊の方は、本当に大変だろうと思います。(私も何度か道で徘徊の方を交番にお連れした経験があります)

玄関のドア外に取り急ぎで鍵を置いて出ましたが、早速、暗証番号付きの鍵ボックスを買って取り付けよう。私の外出中にもし何かあった時、近所の方や包括支援センターの方に「突入」してもらうために必要だ!そう思ってAmazonで検索していた私ですが、結局、今回は購入に至りませんでした。

今回の出張の顛末を私の家族や職場の人たち、包括支援センターの担当者に話をして、考えていたより早く仕事先の介護休暇が取れることになったのです。その翌日から在宅ワークと短時間の出勤体制を組み合わせ、引継ぎ。1週間後には介護休暇に入りました。(介護休暇中も本当に必要な場合は、オンラインで在宅ワークを継続しました)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?