ダーリンとバンプ
バンプはいつも ゴキゲンで
ダーリンはすまし顔。
バンプはダーリンに愛を伝えるのが得意。
だけどダーリンはまるで言葉を知らない人みたいに
反応しない。
ある日 バンプは夢を見る。
カラフルなお花畑からきこえてくる ふしぎな声。
ふりかえると「ハッピー、元気かい?」
「今日のゴキゲンはいかが?」と
宇宙服の知らない誰かが立っている。
バンプは、自然に「もちろん!」とかえした。
宇宙服の彼は「そうかい、それはよかった!」
つづけて言った。「なんて素敵な朝なんだ!」
キミとこうして言葉をかわせるなんて極上の気分だぜ!」
なんて言っている。
思わずふきだすバンプ。
言うのは慣れてても そんな風に言われるのは不慣れなバンプ。
それでも自然に
「ありがとう!うれしいわ!」
と返した。
目が覚めると、となりにダーリンが眠っている。
なんてよく眠っているのかしら。
そうして、またバンプは想像をふくらませ
夢を見るのでした。
半年前に、ダーリンにもらったバイクがとってもうれしくて、バンプは飛び上がるほどよろこんでいましたが、ダーリンはすまし顔。
またその夜夢を見ました。
「キミに喜んでもらえてよかった!
本望だよ」と言ったのです。
まだ何も言っていないのに
その宇宙服の誰かが言ったのです。
「あれ?」
夢から覚めたバンプ
すやすやと眠っている
ダーリンの横顔を見つめて
「言葉で伝えてよ。」
そう言ってみた。
そこで、もう一度ウトウトと
夢を見たバンプ。
今度は宇宙服の誰かが口を動かしているのに
声が聞こえてこないのです。
宇宙服の誰は 口パクをするだけで
何も伝わってこなくなったのです。
目から覚めると
もうかなりの夕暮れ時
そこにダーリンが来て
窓の外にとめてある車を指さしていった。
「キミがあんなに喜ぶから
今度はこれも買ったんだよ」
それはバンプの前から乗りたかった車だったのです。
喜びのほどがすぎてバンプは
笑顔もできないまま 泣いていました。
おしまい。
追記⁑ カップル+宇宙服でショートショートを作ってみました。
今回は時間の感覚もハッキリしないように書いてみました。
#ショートショート小説#エッセイ#宇宙服#happy
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