水彩画教室

絵を描きたいなあ、とよく思う。
思ってるだけで、描こうともしない。
『へたくそだしな』の声がする。

いや!でも、描いてみたいなあ。
へたくそでいいから描きたい。
だれかに認められるために、
すごいと言われるために、
描くんじゃなくて。
ただ描いてみたい。

こんな気持ち、
いいものだなあ。



あ!と顔が浮かぶ。
たしかあの方、
教室をやっていたはず、と。
ネットで検索したら、いらっしゃる。
五年前に一度お会いしたことがある。
この方なら、だいじょうぶだ。
これはきっとご縁。

娘と通ってみよう。
娘も心になにかためこんでいる。
一緒に行ってみない?
と誘ったら、「行ってみたい」って。
これはもう行くしかない。
私たち自分をできることなら
解き放ちたいんだ。

それにしても。
描くと猫は似ている。

あの下町で私たち猫になって、
入り組んだ道を歩いて歩いて
教室に通おうと思う。
想像したら、もう笑いたい。