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伝統のロイヤルアスコット開催幕開け 【プリンスオブウェールズS特集】


皆様こんにちは。
タイガーマスクGです。

今回はいよいよ明日に迫ったプリンスオブウェールズSの特集と題しまして、出走全頭の情報を中心に個人的見解やポイントなどを書き綴って参ります。


今年は日本からシャフリヤールが参戦するため日本での馬券発売も行われます。
今回の記事が皆様のレース予想や馬券購入、そして何よりレースを楽しむ上でのお役に立てるものとなりましたら幸いでございます。ぜひ最後まで宜しくお願い致します🙇‍♂️




まずは出走馬および枠順等に関してですが、詳細がJRA公式ホームページに掲載されておりますので是非そちらをご参照下さいませ。





出走全頭分析


①ベイブリッジ

今回の出走メンバー5頭のうち唯一のG1未勝利馬。ましてやG1出走すらも今回が初めてであり実績だけなら明らかに見劣るはずであるものの、ブックメーカーにおける前売りオッズでは堂々の1番人気に支持されています。
その大きな要因として5連勝中という勢いはもちろんの事、前走のブリガディアジェラードSでの強烈な勝ちっぷりが挙げられ、7戦6勝で目下3連勝中と勢いに乗る1番人気のモスターダフ、G1・4勝の実績を持つ古豪8歳馬アデイブ、G1・2勝という同じく古豪(9歳)の実績馬ロードグリッターズといった超粒揃いのメンバーを相手に、重賞初挑戦かつ休み明け今年初戦という身でありながら衝撃の5馬身差圧勝。
このパフォーマンスはブックメーカーのみならず先日発表されたLWBRR(ロンジンワールドベストレースホースランキング)にも影響を与え、G3競走ながら同レースがレーティングの対象として加わり同馬に122(第5位タイ)のレーティングが付けられました。この事象を紐解くと、この馬にレーティングを付けるべきだという総括機関の意向のもとG3競走である同レースを対象に加えて評価を行ったという意図が推測でき、それだけこの馬の評価が世界的に見ても高いという事がハッキリ分かります。
この後ご紹介するロードノースのJ.ゴスデン調教師も「ベイブリッジは非常に怖い存在。いつ見てもいい馬だし他の馬たちよりも強いかもしれない」と今回のレースへ向けてコメントしており関係者から見ても素晴らしい馬と言えるのでしょう。

個人的なこの馬の印象としては、重厚感のある走りと後肢の蹴り上げる力がとにかく印象的でまさに"ヨーロピアンホース"といった素晴らしい馬。さらには重厚感がありながら脚関節のしなやかさも感じ、全てのステータスが高水準である事が窺えます。
大舞台における経験値という意味でも過信は禁物ですが、先々とんでもない馬になる可能性すら感じるほど見た目の走りやパフォーマンスは文句なし。幸いにも5頭立てに収まった今回はより一層、戴冠のチャンスと捉えてよいでしょう。



②ロードノース

日本ではもはやお馴染みとも言えるドバイターフを連覇した実力馬。加えて2年前のこのレースの勝ち馬でもあり、その時負かした相手は前出のアデイブ、G1・2勝で昨年のジャパンCにも出走したジャパンなど。
昨年のこのレースは高速馬場を嫌って出走取消となったものの、日本馬が大活躍するメイダン競馬場でG1を連覇している事実を鑑みても本質は良馬場向きと言え、今回レース当日まで降雨の心配が無さそうなのはプラスと見てよいでしょう。

個人的なこの馬に対する評価は、前走のタタソールズゴールドC(2100m)がラスト100m辺りで失速する内容だったため0.5Fでも距離が短縮される今回は巻き返してくるだろうと考えています。
一昨年の勝ちっぷりや連覇したドバイターフ2戦の内容を見ても本来はじっくり溜めて終いを生かすタイプ。少頭数に収まった今回はスローペース濃厚なのでこの馬の切れ味が炸裂する瞬間が再び見られるかもしれません。



③シャフリヤール

説明不要の第88代日本ダービー馬。初の海外挑戦となった前走のドバイシーマクラシックもインの絶好位から抜け出す完璧なレースぶりで2つ目のG1タイトルを獲得。負かした相手は日本の強敵のみならず、7着のフクムと4着のパイルドライヴァーが後にコロネーションCでワンツー、6着のアレンカーがタタソールズゴールドCを制覇(前出のロードノースが4着、この後ご紹介するステートオブレストが3着)と、非常にハイレベルなメンバーであった事が窺えます。
レーティングにおいてもベイブリッジに次ぐメンバー2位の120を持っており、通用するか否かというよりも「勝つかどうか」という所に焦点を当てるべき1頭と言えるでしょう。

個人的な見解としては、昨日投稿した記事(以下URL参照)に記載した通り「瞬発力」に秀でたタイプであるため勝利するにはまず良馬場が絶対条件。ドバイSC当日のメイダン競馬場は時計が出やすくこの馬にとってお誂え向きの高速馬場だった事がひとつ味方した印象があるものの、アスコットを含むヨーロッパの競馬場は馬場性質自体がアジアや中東と比べて大きく異なるため、まずは綺麗な馬場で走りたいところであります。
また、この馬もロードノースと同様に切れ味を活かしたいタイプなので、少頭数に収まった事でスローペースになりそうな点はプラス。この馬にとって追い風ムードの条件になりつつあるため勝機は十分にあると見てよいでしょう。



④ステートオブレスト

タタソールズゴールドCの3着馬で前出のロードノースに先着。その前の3走では、米国(サラトガダービー)、豪国(コックスプレート)、仏国(ガネー賞)と3ヶ国でG1・3連勝を成し遂げ、良→重→稍重と異なる馬場状態、全て異なる鞍上での勝利という点もこの3連勝の価値をさらに高める要因となっています。勝ち方は決して派手ではないものの、場所や条件、鞍上を問わないオールラウンダーな点がこの馬の最大の良さと言えるでしょう。
前走タタソールズゴールドCの3着はロードノースをマークした事による仕掛け遅れが主な敗因で、実際にラスト脚を余しているのが見て取れるだけに今回は自分の競馬に徹したいところ。

個人的なこの馬に対する見解として、オールラウンダーという最大の強みを活かすには少頭数よりも多頭数の方が良かったのではないかと考えています。サラトガダービーやコックスプレートの時のような馬群を縫って抜け出すレースセンスはこのメンバーならNo.1とも言えますし、少頭数がダメというわけでは決してないですが多頭数に越したことはないといった印象。
あとはロイヤルアスコット開催未勝利のS.クロース騎手が今回で3戦連続コンビとなるため、その手腕が如何なものかといったところでしょうか。前走の敗戦を受けて巻き返しを狙った騎乗に期待したいところであります。



⑤グランドグローリー

昨年のジャンロマネ賞で念願のG1初制覇を飾り、続くオペラ賞もハナ差の2着、そしてジャパンCにも出走し外国馬最先着(5着)を果たした実力派牝馬。6歳となった今年はリステッド→G3と圧巻の競馬で連勝し、今がまさに充実期と言えます。
戦歴を見ても分かる通り、渋った馬場を全く苦にしないタイプで牝馬ながら豊富なパワーを兼ね備えている上、とにかく大崩れが少なく本格化した近走は特に終いの堅実性が増している印象があり、綺麗な馬場のジャパンCで5着に来たのはまさにこの馬の本格化を表すものと言えるでしょう。

個人的な評価としては、大跳びの綺麗なフットワークながら道悪をこなす姿に欧州馬らしさを感じるため、ジャパンCでシャフリヤールにつけられた0.3秒差は舞台が替われば大いに逆転できる差だと見ています。あとは主戦のC.デムーロ騎手がシャフリヤールに騎乗するという点がこの馬視点でいくと非常に残念なのですが、代わって任された鞍上が日本でもお馴染みのM.バルザローナ騎手であれば全く不足はありません。
昨年現役を退いたタルナワのような素晴らしい牝馬になり得る可能性を秘めた馬だと思っているので、今回はもちろん今後も目が離せない存在と言えるでしょう。




レースのポイント


ポイントとしては、まずやはり5頭立ての少頭数に収まった点がどうなるか。行きたい馬が1頭も見当たらないメンバー構成で、もしかしたらシャフリヤールがハナを取ってしまうのではないかとさえ考えられるほど。
私が思うに、シャフリヤールは距離を詰めて挑む事もあるのでハナを取るよりは控えて競馬した方がいいのではないかと考えていますが、無理にスローペースに付き合うと却って他馬へ隙を与えてしまう可能性も考えられますし、アスコットの馬場でキレる脚が使える保証もない以上は出たなりで競馬をするのがベターでしょうか。

続いてのポイントとして挙げたいのがアスコット競馬場のコース形態。スタートして暫く下り坂が続き、最低地点を過ぎるとゴールまで高低差22m超の上り坂が続く起伏の激しいコースとなっており、前半の下り坂部分ではとにかくスピードを出し過ぎない事、そして上り坂ではスタミナやパワーが求められる特殊なコース形態と言えます。
日本では中山競馬場(特に1600m)が最も近い形と言えると思いますが高低差を考えると正直比ではありません。だからこそ今まで挑戦した日本馬が軒並み敗れているのだと推測できますし、シャフリヤールにとってもアスコット競馬場への対応が最大のカギと捉えてよいでしょう。

他には当日の馬場状態も重要なポイントとして挙げられますが、こちらは文中にも記載した通り「降雨の心配は無い」との情報が出ているため現状は良馬場での開催が予想されます。シャフリヤールやロードノースなど、切れ味タイプの馬にとっては追い風と言えるでしょうか。




個人的注目馬


以上の観点から、個人的注目馬はまずやはりシャフリヤール。日本のダービーとドバイシーマクラシックを制した実力・実績はここに入れば最上位と言って間違いないですし良好な馬場状態で走れそうな点も追い風と捉えられるため、あとはアスコット競馬場のコース形態をどう攻略するかに尽きると思います。

そしてもう1頭の注目馬がベイブリッジ。こちらは実績こそ劣るものの能力だけなら他を圧倒する可能性さえ考えられ、今後がとても楽しみな1頭である事は間違いありません。予想や馬券においてどうこうというワケではなく、このメンバーを相手にどれだけの強さを見せるかといった点に注目しています。





以上、プリンスオブウェールズSの個人的見解やポイント解説でございました。


日本で馬券が発売される=日本馬が出走するという事ですのでまずはシャフリヤールが出走してくれる事を一番に感謝し、最高の結末となるよう全力で応援したいと思います。


そして私自身と致しましては、ここまで読んで下さった皆様のお役に立てる事を目指し執筆いたしましたので、皆様のご意見やご感想もぜひお聞かせ頂けますと幸いです。



最後までお読み頂きありがとうございました🙇‍♂️




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