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執拗な「なぜ?」で失敗を繰り返した過去の自分に❝一秒でも早く❞伝えたい3つのこと

こんにちは。ゴールドラットジャパンの上野です。

いきなりの自分語りで恐縮ですが、私はかつて「なぜ?」と人に聞きすぎて大失敗したことがあります

当時、就活生だった私は「ロジカルシンキング」に出会いました。

「課題を分解し『なぜ?』を問うことが大事なんだ」と強く思った私は、友人の就活の失敗談を聞けば「なぜそうなったの?なぜ?」と問いただし、果ては家族との何気ない日常会話の中で「その理由は?なぜそう言えるの?」と執拗に説明を求めるようになりました。

当然、友人には嫌な顔をされ、しまいに母親には「あんたと話していても面白くない」と会話を拒絶される始末――。

「なぜ?」と聞きすぎて相手を嫌な気持ちにさせてしまったり、反対に「なぜ?」と執拗に問われてどうしたらよいかわからなくなってしまったり、といった困った経験がある方は多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、この「なぜ?」にまつわる失敗について、現在の私が過去の自分に❝一秒でも早く❞伝えたいと思う3つのことを紹介したいと思います。


過去の自分に“一秒でも早く”伝えたい3つのこと

それでは早速、1つずつ取り上げていきたいと思います。


その1)人間には「自己防衛本能」がある

1つ目は、人間には「自己防衛本能」があるということ。

いまや食物連鎖の頂点に立つ人間ですが、生物の歴史をたどれば「ヒトは食べられて進化した」というのが実際のところ。

種の保存のため、ヒトは危機になりうる事柄を「怖い」と認識する自己防衛本能を強く発達させてきました。

そんな私たちにとって、「なぜ?」という問いは純粋なコミュニケーションというよりも、「なぜそんな失敗を犯したのか」「そんなことをしてはいけない」という批判や否定に感じられてしまいます

執拗な「なぜ?」は、論理的に問題を解決するどころか、相手との関係性を悪化させることにつながってしまうのです。


<詳しくはこちら>
「なぜなぜ5回」が怖いのはなぜ?ー問題解決とヒトの本能の関係とは?


その2)「誰かのせい」より「思い込みのせい」

2つ目は、「誰かのせい」ではなく「思い込みのせい」にするとよいということ。

問題が発生すると、つい私たちは「誰がこんなことをしたんだ」と犯人探しをしてしまいがち。

しかし、その人が悪意を持って問題を起こすことは極めて稀で、大抵の場合は、その人なりの最善の判断を重ねてもなお問題が起きてしまったというのが実態で、最善を尽くした人を責めても何も問題は解決しません。

大切なのは、問題を誰かのせいにするのではなく、その人が持っていた「思い込み」のせいにすること。

問題の原因が思い込みであるとなれば、問題はぐっと自分ごとに感じられますし、解決に向けたアプローチも全く違ったものになってきます。

<詳しくはこちら>
他責NG・自責NGー問題解決の極意:「人のせいにする」とダメなのはなぜ?


その3)「原因分析」より「目標設定」

3つ目は、問題解決で重要なのは「原因分析」ではなく「目標設定」だということ。

原因さえ取り除けば、問題は解決に至るはず――。

このように思っている人も少なくないかもしれません。

しかし、原因がわかっても解決することが困難だったり、原因が複数あってその一つを解消しても事態が好転しなかったり、そもそも原因がはっきりと分からなかったりなど、原因を突き詰めても問題が解決しないことはたくさんあるのです。

真に重要なのは、生じた問題に対して「本当はどう在りたいのか」と目標を設定し、現状とのギャップを埋める解決策を考えることに集中すること。

実際、過去の問題を根掘り葉掘り問いただす人より、明るい未来に向かって一緒に考えられる人のほうがはるかに魅力的だと感じるのではないでしょうか。

<詳しくはこちら>
プロと素人の差を生む問題解決のファーストステップ まず○○を定義せよ「問題を正確に定義しないで問題解決はできるのか? 」


前提が変われば、人は一瞬で変われる

実は、以上3点を「一秒でも早く」という言葉で強調したことには意味があります。

それはひとえに、これらを早く知っていればあんな痛い目を見ることはなかっただろうと思うからです。

大失敗した過去の私でも、今回紹介した3つのことを知っていれば、執拗な「なぜ?」で周囲を辟易させることはなかったはずです。

「人を変えることは難しい」
「人が成長するには時間がかかる」

と思いがちですが、

「前提が変われば、人は一瞬で変われる」

というのが真実だと思います。

もちろん、新しい前提を自分の中に定着させるには時間がかかるかもしれませんが、一度気づいてしまえば後戻りすることはないはずです。

今回ご紹介した3つの動画をご覧いただければ、より早く、より深く理解できるはずですので、ぜひご視聴いただければ嬉しいです。


それではまたお会いしましょう。

執筆者:上野 敬峰 (Takao Uwano) 
「答え」よりも「答えの見つけ方」に興味を持ち、問題集の解答解説を書く仕事を志した小学生時代。大人になってゴールドラット博士の著作『ザ・チョイス』に出会い、考える力を高めることで誰もが充実した人生を送れると確信したことがこの仕事にたどり着いたきっかけ。二児の父でもあり、好奇心旺盛な二人の息子は父と一緒にオンライン会議に出る機会を虎視眈々と狙っている。


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