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プロゴルフ大会の減少の原因は?

1.2024年のプロゴルフ大会

 2024年の国内プロゴルフ大会の日程が公表されましたが、非常に残念な結果となりました。なんと今年は全23大会となり、昨年よりも3大会少ない開催となるようです。開催数の減少は今に始まったことではありませんが、一気に3大会の減少となると、相当なインパクトがあります。2000年には30試合以上あった大会数がここまで減少しているのは、あきらかなゴルフ業界の衰退を表しています。
 いやいや、女子の試合は人気があるよ!という方もいるかもしれませんが、ゴルフ全体の成長に影響を与えるかというと微妙だと思っています。相変わらずゴルフの競技人口は男性が多く、女性は少ないのが現状だからです。ちなみに、2024年の女子ゴルフの試合数は37試合。昨年は38試合でしたが、楽天がスポンサーを降りたため試合数が減少しています。

2.減少の原因とは

なぜここまで大会が減少し続けるのか。私は下記のような理由ではと思っています。

  • 応援したい!とならない

  • 応援プロダクトが少ない

  • 個人競技過ぎる

これらが組み合わさった結果、大会の入場者数が減少し、結果としてスポンサードするメリットが薄くなり、企業が撤退する、という負のスパイラルが起きていると思います。
男子ツアーの平均来場観客数は1992年に2万5000人ほどでしたが、2023年は1万939人と大きく減少しています。

3.応援したい!とならない

 ゴルフの退会を観戦に行く方は、知人を誘うとき、なんと言うでしょうか?「大会見に行かない?」とか、そういう言葉が多いように思います。私の周りの人もそんな感じで誘っている印象です。そしてなぜか、「応援行かない?」とはならないような気がするのです。
 サッカー・野球などメジャースポーツは「観戦」と「応援」がセットになっている気がしますが、ゴルフはそこがセットになっていないと感じます。

 正直な話、私も業界の人間ですが試合観戦にはほぼ行きません。誘われれば行こうかなくらいです。ゴルフをしていない人を誘ったこともありません。誘ってもつまらないだろうと思うからです。

 ゴルフではなぜ応援しようと思わないのでしょうか。もちろん私に好きな選手がいないということもあるでしょうが、それ以外にも理由があるように思います。おそらく一番の理由は、「選手に感情移入できない」ことにあるのではないかと思うのです。
 他のメジャースポーツを観戦している友人に、観戦の魅力を聞くと、「選手やチームとの一体感」「自分の応援で彼らが頑張っている、一緒に戦っている感」だということでした。一緒に戦っているからこそ、観戦費用を払ってでも応援したいと思いますし、このお金が選手やチームのためになっていると感じるようです。
 どのような場面で一番「一体感」を感じるのか聞いたところ、「試合の大事な局面などで、選手が盛り上がっているとき」ということでした。つまり「選手が感情を爆発させている瞬間」が一番「応援している」と感じるということのようです。これには私も身に覚えがあります。同点に追いついたとき、逆転したとき、劇的な展開や瞬間に選手が喜びを爆発させている瞬間が一番「アツい」と感じます。その熱い瞬間を共有しているということが、「一体感」を生んでいるのではないかと思いました。

 ゴルフはどのような場面でも選手は基本冷静です。喜びを爆発させることはあまり見かけません。選手が感情を表現していないのに、観客はそこに感情移入し「一体感」を得ることが難しいのは、当然のことだと思います。あの有名なタイガーウッズは、試合の大事な局面では感情を爆発させていました。素晴らしいプレーだけでなく、その表現力が彼の魅力だったのではないでしょうか。そしてそれが、「何か素晴らしいプレーをしてくれるのではないか」「逆転してくれるのではないか」という期待感に繋がり、観客動員だけでなく多くのスポンサーを惹きつけたと思います。

  観客を動員しスポンサーがつかなければ、ゴルフのプロなど、ただのボール打ちの遊び人にすぎません。ゴルフがいくら上手でも何も生み出していないのですから。
 今のゴルフの「こうあるべき」という姿を捨て去り、観客を盛り上げることを第一としたプロの行動が必要だと思います。まずはナイスショットしたら、大いに喜ぶ、ミスしたら精一杯悔しがる、観客も巻き込んで喜びを表現する。そういったことから始めないと、観客が増えることは未来永劫無いと思います。

次回に続く。。。

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