文脈によって意味が変わる文

学生の頃、談話言語学という言語学の一分野が好きで、よく関連書を読んでいた。

簡単に言うと「音素」が組み合わさって「単語」、「単語」が組み合わさって「文」ができるように、「文」が組み合わさってできる「談話」という構造を対象とする学問だ。

文における文法のように、談話を成り立たせている規則を研究したり、文が談話の中で果たしている役割を類型化したりする。

この分野でよく扱われる「文脈によって意味が変わる文」の例をよく思い出せずに長らくモヤモヤしていたが、最近受けたオンライン講義の中でとてもスマートな例が紹介されていた。

A: What are they?(それらは何ですか?)
B: They are flying airplanes.(飛んでる飛行機です)
A: What are they doing?(彼らは何してるんですか?)
B: They are flying airplanes.(飛行機を飛ばしています)

Bの文は一字一句同じなのに、Aの質問の違いによって意味が変わっている。flyingが現在分詞になったり他動詞になったりするのが面白い。

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さしものDeepLでもこの訳し分けはまだできていない。

英語だとパンチに欠けるので、これの日本語版を考えたいけどこれほどバシッとハマる例はまだ思い浮かばない...。

そのオンライン講義というのがこれで、他にも知識フレームやらマルチエージェントモデルやらDeep Learining流行以前の人工知能研究のトピックス多数でなかなか面白かった。

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