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海、風、空

昨日の話。銚子に行ってた。
横浜から車で来た友人にそのまま一日中運転させた自分は、なかなかの人でなしだと思う。

その友人とは見たい場所の趣向が異なるであろうことは長年の付き合いで知っているので、そこは気を使った。
銚子に行く前に佐原の伊能忠敬ゆかりの地に寄っていたのだけど、博物館に入ろうか迷っている彼に対して、「おれ一度入ったら1時間はちゃんと見るよ?」と伝えて諦めさせた。

連休初日にしては空いていた。1日、2日が平日だからじゃないかって彼は言った。高速を降りた後は、千葉側の利根川沿いの道をずっと行く。緑の繁った堤防が続く景色は実家の方と大差なく、親近感の方が強かった。
いざ海沿いに出てみれば、やたらと浜風が強く、髪をぐちゃぐちゃにされたので少し憂鬱になる。小さな灯台の脇に「光と風の展望台」というのがあったのだけど、あまりの風の強さに、「これでは風と風の展望台では?」とつまらないことを言っていたのは自分の方だ。帰り道、稲敷辺りでも「光と風の丘」という看板を見かけたので、皆さんその二つの組み合わせが好きらしい。


天気の良い日だった。海が青かった。先週行った大洗よりも鮮やかな景色で、それがなんだか悔しいような残念なような気持ちで、後々生存報告がてらSNSに写真を上げる時には、海の景色は省いた。

あまりに綺麗な光景に、いつか誰かと来たいなとずっと考えていた。その時までこの曖昧な関係が続いているのか、それはきっと誰にもわからないけれど。関東に来てまだ2年目のその人に、見てもらいたいものが増えた。

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